2017.10.27

レースを目指す女性ライダー必見!現役選手に聞く、レース出場に必要なことって何ですか?

「だんだんロードバイクにも慣れてきたし、レースに出てみたいな…でも、レース初心者は何からはじめたらいいんだろう?」そんな風にお考えの女性はいらっしゃいませんか?

9月に行われたロード世界選手権では、男女共にスペシャライズドの契約アスリートが世界王者のタイトルを獲得しました。ウィメンズエリートクラスでは、シャンタル・ブラーク(オランダ、ボエルス・ドルマンス)が途中落車したものの、残り8kmを独走して優勝したことも記憶に新しいと思います。

「だんだんロードバイクにも慣れてきたし、レースに出てみたいな…でも、レース初心者は何からはじめたらいいんだろう?」そんな風にお考えの女性はいらっしゃいませんか?

そんな女性ライダー必見!スペシャライズドのコンセプトストア、スペシャライズド東京の藤田勉(ふじた つとむ)さんにレース出場についてお聞きしました。藤田さんは日本のロードレースにおいて最もレベルの高い、Jプロツアーに出場している現役選手。レースに向けた準備から、オススメの機材までご紹介いただきます。

最近バイクに乗れるようになってきて、レースに出たいと考えています。まず、レースにはどのような種類がありますか?

「バイクのイベントとしてはロードレース、エンデューロ、ヒルクライム、センチュリーライド、クリテリウム、ブルベなどがあります。その中でレースと呼ばれ大会数が多いものは、ロードレース、エンデューロ、ヒルクライムです。」

「それぞれ大まかに分けると、スピードを競うロードレース、長時間での完走を目指すエンデューロ、坂を上りタイムを競うヒルクライムというものです。」

レース初心者は、どのように選んだらいいですか?

「競うのが好きであるなら、ロードレース。脚力別にカテゴリーが分かれています。気軽に楽しむのであればエンデューロがおすすめです。個人参加や2-3人ペアでの参加があるので、協力しながらワイワイとイベントを楽しむことが出来ます。また、坂道が得意でタイムを競いたい人にはヒルクライムがオススメです。全て女性だけのカテゴリーやクラスがありますよ。」

「その中で実際にどの大会に出るかは、雑誌を見る、スポーツのレースをまとめたウェブサイトを見る、お店で聞いてみる、などをして情報を集めましょう。自分に合ったレースを探してみてください。」

 

実際に出るレースを決めたら、機材は何を準備したらいいですか?

「バイクとヘルメットはもちろん、その他はシューズ、グローブ、ウェア、ボトルです。」

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初心者でもロードバイク用のシューズやウェアは必要ですか?

「シューズは、もちろんスニーカーでも問題ありません。ただ、一度レースを走るとビンディングシューズを使用するライダーのほうが速いと解るはずです。自然と、欲しいと思うようになりますよ。ロード用シューズは効率よくペダリングするためのものなので、レースでは有利です。より良い記録を残したいのであれば、絶対にオススメします。」

ウィメンズロードシューズをチェックする>

「ウェアは初心者にこそオススメです。ロードバイク用のウェアを着ると、足を動かしやすくなりペダリングの効率が向上します。さらに、速乾性の高い生地やショーツのパッドなど、快適にバイクに乗るための利点がたくさんあります。絶対的に有利です。」

「スペシャライズドのウェアなら、SLシリーズがオススメです。ただ、ピタっとしたジャージに抵抗がある方なら、リラックスフィットのRBXシリーズでももちろんOK。お気に入りのデザインでレースに出れば自信にもつながります。」

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「グローブも手の保護のために必ずあったほうがいいです。特にロードレースは落車の可能性がありますからね。」

ウィメンズグローブをチェックする>

他に準備するべきものはありますか?

「サングラスも必須です。皆さんもライド中に感じることがあるかと思いますが、アスファルトはかなりまぶしいんです。また、単純にホコリや乾燥を防ぐことができます。

さらに、プロの世界では『表情を隠す』という意味もありますね。このライダーは苦しそうな顔をしているか?苦しい顔を隠して、最後にスプリントかけるのか?など、駆け引きをしています。」

「レース中に水分補給をするためボトルも必要です。ただ、初心者向けのビギナークラスでは、距離が短く補給の必要がないレースもありますよ。」

ボトルをチェックする>

レースに向けたオススメの女性用ラインナップは何ですか?

「バイクは今期新しく発表された、Tarmac Womenです。レースで勝つための機材と言えます。また、ヘルメットは最軽量のS-Works Prevail2、シューズはS-Works6。先ほどもご紹介しましたが、ウェアはSLシリーズです。」

「これらはスペシャライズドの研究開発を重ねた最高峰のモデルです。スペシャライズドの契約プロチームも使用している機材で、軽量性、剛性、エアロ効果、快適性が追求されています。もちろん他のモデルでもレース参加は可能ですよ。」

「全て何回か使って体に慣れさせ、また機材をなじませることが大切です。ただ、グローブやアパレルは消耗品なので、ある程度使い込んだら変えたほうがいいですね。」

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S-Works Prevail2ヘルメットをチェックする>
S-Works6 シューズをチェックする>
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レースに出る上で大切なことは何ですか?

「普段どおりにやることが一番大切です。レースは緊張するけれど冷静さを保ちましょう。そして大前提として、コンディションが良い状態で本番に臨むための体調管理も忘れないでください。」

「そのためには練習が必須ですね。自分の体力を知らずにレース本番を走ることはとても危険な行為です。」

事前の準備や練習で必要なことはありますか?

「走りながら水を飲む技術はレース前に習得しておきましょう。」

「ロードレースだと、普段の練習から集団走行に慣れておくことが大切です。集団走行は好き勝手走っているわけではなくて、協調性が求められます。走る練習相手が居ない場合は、レースに参加しながら慣れていきましょう。」

タイムを競うレースなのに集団走行…?協調性…?

「人が走る上で一番の障害は、風の抵抗。速度が上がればあがるほど、風の抵抗がキツくなります。それをなくして効率よく走るためには、集団走行が断然ラクなんです。いくら速い人でも、個人で1周走るより、集団の中で走ったほうが速く走れます。また、人の後ろについて風の抵抗を受けないことで、脚力の温存にもなります。」

「先頭はずっと同じ人ではありません。前を引いている人たちはかならずローテーションをしています。先頭交代をすることが集団走行の暗黙のルールです。規則って言うわけではないけれど、マナーですね。一番でゴールしたいから先頭にい続ける?前の人が変わらないとその集団は必ず遅くなる。ロードレースには独特の力学があります。」

レースに出る上で、注意することはありますか?

「準備の項目とも重なりますが、ベストな体調で臨むことです。他のポーツでもよく言われますが、レースの2〜3時間前に食事はしておきましょう。食べたものを消化してエネルギーに変えるまでに必要な時間です。」

「そして機材を完璧な状態に準備しておくこと。変速が上手くいかなかったその一瞬にスピードが落ち、他の人に抜かれてしまいます。前日に焦って調整しているのでは遅いです。信頼できるお店に日々点検をお願いするのがいいですね。」

「またロードレースであるならば、その日走る集団の中で呼吸を合わせることも注意すべき点です。これは、ライドの技術とはまた別です。慌てず、他人に迷惑をかけない。自分勝手に集団の中で好きなコースで走らない。集団で一人が落車するとバタバタとその一帯が落車することになります。呼吸を合わせることは落車などの事故を防ぎ、結局は自分を守ることになります。」

ボディージオメトリーフィット(BGフィット)は初心者にも有用ですか?

「ボディジオメトリーフィットは、ロードバイクに乗ることを決めたなら初心者にもおすすめです。快適に楽しく乗れるフォームを作ることができます。これまで受ける人はバイク経験値の高い人だけだったのですが、いまは変わってきています。通勤でもレースでも、バイクを楽しみたいから受ける人がほとんどです。皆、自転車を楽しみたいという目的は一緒。初心者も女性も子供も受けたほうが良いですね!」

では、どのようなトレーニングをしたらいいですか?

「まず、基本はサドルにまたがってバイクに乗っている時間を長くとることです。バイクスキルや集団走行など経験値があがります。短い距離よりは、長い距離がオススメですね。」

「走り続けて厳しくトレーニングをしろという意味ではありません。とにかくバイクに乗ることが大切。内容はグルメライドでも景色を楽しむライドでも、休憩しっかり取ったってよいのですよ。」

それぞれのレースに向けて、具体的なオススメのトレーニングはありますか?

「出るレースの目星をつけて、それに見合ったトレーニングをすることは効率的です。ロードレースならインターバルトレーニング。常に一定ペースで走っているわけではないので、インターバルトレーニングをしたらよいでしょう。エンデューロなら、とにかく長い時間走り続けることが重要です。全速力でなくてよいので、長時間・長距離を走れる脚になることを意識しましょう。ヒルクライムは、やっぱり峠を登ることですね。レースの距離や勾配に近い峠を選ぶと、より実践的なトレーニングになりますよ。」

藤田さん、ありがとうございました!

女性ライダーの皆さま、いかがでしたか?レースに参加することで、バイクとの向き合い方に変化がでてきそうですね。普段ロードバイクを楽しまれている方、まずは一歩踏み出してレースに参加してみてはいかがでしょうか?

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