SEEK & ENJOY: NEW ENGLAND 前編

2015/10/26

SEEK & ENJOY: NEW ENGLAND 前編

5名の女性がロードバイクに乗り、アメリカ北東部ニューイングランドを走る、5日間の旅の記録。その前編です。

6月のある金曜日、私、エリカ・シュワンケはボストンで飛行機を降りました。到着時間は朝6時頃。手荷物受取所でバイクボックスを受け取りました。何ヶ月も前から計画を練っていた日がようやく訪れたので、遂にその日の朝となったことに私は不思議な気分でした。ここからバイクを引っぱり、空港内を通ってバンを探しました。そのバンは飛行機が到着し次第、5人の女性サイクリストを乗せることになっていました。向こう5日間がどうなるか、その時はよく分かっていなかったのですが、似た者同士のクルーとともに、誰一人として馴染みのない地形を探検するというプランにワクワクしていたことは確かです。

発端 by エリカ・シュワンケ

ある朝、ステファニー・カプランとベス・ウェリバーからEメールを受け取りました。SPECIALIZEDの女性用ロードバイク開発をリードする2人は、あるアイデアを持っていました。それは女性を集めてニューイングランドを、その裏道からメープルシロップたっぷりのベーカリーまで探検して、その様子を書き留めるというもの。数ヶ月にも及ぶ計画立ての中で、私たちはバーモント州モントピリアからメイン州アカディアまで、複数の場所を検討し、地図に目を通し、Googleと睨めっこしました。ここで、私とともにこの記事を書いたサラ・スワローが力を発揮しました。数日に渡るバイクトリップに馴れっこのサラは、いくつかの目標を念頭に、ルートを計画したのです。その目標とは、オフロード、挑戦しがいのある登り、そしていくつもの壮大な景色です。Bicycle Magazineのライターであるケイトリン・ギディングスがこのグループ最後の一人となりました。アメリカ大陸を5度横断した素晴らしいツーリング経験を持つ彼女は、このグループに必要だったのです。

ボストンに集合し、バンに乗り込み、ダンキンドーナツに立ち寄り、モントピリア郊外の農家へと行きました。到着すると、私たちはバイクを組み立てました。ここからの旅はすべて自分で自分をサポートしないとなりません。必要なものすべてをバイクに積み込み、ゴールまで自分自身で運ぶのです。

この旅には、Specialized Dolce Comp Evo(※ 国内未展開)を選びました。この何でもできるマシンは、砂利道も走れる35mmのタイヤを余裕で履けるクリアランス、登りも楽々なギア比、すべての荷物を積み込んでも快適な走りと安定したハンドリングをもたらす長いホイールベースを持っています。

夕食と地元ショップでの最終調整のために街を訪れた後、私たちは早朝の出発のためにくつろぎました。

Day 1 by サラ・スワロー

バーモント州プレーンフィールド〜ニューハンプシャー州ノースウッドストック間
距離:71マイル/114km
標高:4900フィート以上/1500m以上

この旅のテーマは、ニューイングランドらしさを体験することでした。つまり、古風な趣のB&B(朝食付きの宿)で寝て、地ビールを飲み、メープルシロップ味のあらゆるものを食べることです。私たちが求めた究極のご褒美は、新鮮なメイン州産ロブスター。カリフォルニア州、ペンシルバニア州、そしてオハイオ州出身の私たちにとって、これは滅多に口にできないご馳走なのです。私たちは新たな土地へと降り立った観光客であり、その経験に浸る準備ができていました。

私の仕事はルートと案内を手伝うことでした。事前調査をして、友達からの情報を調べて確証したのち、のどかなダート、トレイル、そして「絶対に走っておきたい」道のある、私たちの興味を引いた各ポイントへと繋がるルートを決定しました。訪れたことのない場所でルートを設定するのは、これが初めてではありませんでしたが、私の知らない5人の女性をそのルートに晒すのは初めてでした。どのルートでも、必ず何かが起こります。道は地図上にはあっても、実際には存在していないかもしれません。舗装路は生い茂ったオフロードになっているかもしれません。未舗装路がスーパーマーケットになっているかもしれません。柔軟な対応が物を言うのです。お腹を空かせて疲れきったサイクリストの心理は怖くもあり、このグループがどう反応するかを私があまり心配していなかったと言えば、嘘になったでしょう。

ライドはモントピリア北部のうねったダートの丘から始まり、最初に止まることが計画されていたカボットクリーマリーへと向かいました。ここでは20種類ものチーズとメープルシロップソーダを味わえるのです。ペダルを回すにつれ、私たちはお互いの興味、趣味、走り方などを知り始めました。よりスムーズにお互いを知るための計らいなのか、ケイトリンに変速の不調が発生しました。彼女はシングルスピードで走らざるを得なくなったため、私たちは解決策を見出す必要がありました。彼女はまだ走行できたので、私たちはさらに道を下り、修理により適した場所を探したのです。私たちはジェネラルストアに到着し、エリカと私がペンチを探している間に、ベスとステファニーは手元のもので修理を試みました。危機を回避した私たちはライドを続行し、ハイウェイ112号線とバーモント州とニューハンプシャー州の州境に辿り着くまで、草の多いトレイルと砂地のオフロードを走り抜けました。

その日の遅くに、私たちは薄気味悪い古びたコンビニエンスストアで止まりました。ここで私たちの行き先に「大雨」が降っていると地元民から警告されたのです。不穏な雲が流れ込み、キンズマンノッチへと登る私たちのペースを押し上げました。食事と寝床があるノースウッドストックの素敵な街へと下りきる前に、その頂上で私たちはビーバーポンドにかかる景色を楽しんだのです。

Day 2 by エリカ・シュワンケ 

ニューハンプシャー州ノースウッドストック〜メイン州フライバーグ間
距離:63マイル/101km

標高:4600フィート以上/1400m以上

私たちは翌朝、どんよりとした空に目を覚ましました。ことわざの通り、完璧な計画もうまく行かないことが多く、これは、雨となってその日に現れました。地元の人々が私たちに警告した「大雨」が現実となり、それは実に酷いものでした。そして気温も下がりました。防水バッグに乾いたウエアを積めて走り出したその朝、誰もが密かに屋内に留まろうかと考えたに違いないですが、そのことは決して誰も口にだしませんでした。この日は他の日程よりも舗装路が多いとされており、いくばくかの安心感から、雨に打たれながらもありがたく思ったのでした。

この日、サラには大きな計画がありました。それはカンカマガスをまず登ること。これは「ザ カンク」と地元民から呼ばれており、単調な登りと息を呑むような景色で知られています。びしょびしょになって頂上へと脚を回している間、私たちが見たものすべてが霧と周辺の木々の下半分でした。それをネタに笑顔を作りつつ頂上に到着して、最高点を確認するまでしばらく留まり、そこからまったく動かない雲にがっかりしたあと、冷たく滑りやすいハイウェイを素早く下り、ディスクブレーキと後々目的地で知り合うこととなる旅人に安心させられたのでした。

しかし、まだ2つも登りが残っていました。寒いですが、バイクから降りている時間が長すぎるとさらに寒くなるだけということを知っていたので、私たちはコーヒーとおやつ休憩をし、濡れたグローブとシューズをウォーマーで覆いました。手は暖かくなり、空腹は満たされたので、その日一番の登りであるハリケーンマウンテンの前に、私たちは次の尾根へとペダルを回したのです。

2マイルのうちに1000フィートもの標高を獲得し、雨はまだ収まりませんが、各メンバーが山をジグザグに登り、暗い気分に陥りそうな状況から抜け出せるよう、素早くスペースを空けて散らばりました。20%の勾配により、登りは永遠に続くかのように思われましたが、頂上に到着すると、下りはあっという間で楽しく、その日最後の砂利道へと差し掛かった時に雨が止みました。私たちはメイン州へと辿り着き、心は健全なままでした。

ー 後半へ続く。

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Destination Trail: UK(2015年月日)

2015/10/26

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6月のある金曜日、私、エリカ・シュワンケはボストンで飛行機を降りました。到着時間は朝6時頃。手荷物受取所でバイクボックスを受け取りました。何ヶ月も前から計画を練っていた日がようやく訪れたので、遂にその日の朝となったことに私は不思議な気分でした。ここからバイクを引っぱり、空港内を通ってバンを探しました。そのバンは飛行機が到着し次第、5人の女性サイクリストを乗せることになっていました。向こう5日間がどうなるか、その時はよく分かっていなかったのですが、似た者同士のクルーとともに、誰一人として馴染みのない地形を探検するというプランにワクワクしていたことは確かです。

発端 by エリカ・シュワンケ

ある朝、ステファニー・カプランとベス・ウェリバーからEメールを受け取りました。SPECIALIZEDの女性用ロードバイク開発をリードする2人は、あるアイデアを持っていました。それは女性を集めてニューイングランドを、その裏道からメープルシロップたっぷりのベーカリーまで探検して、その様子を書き留めるというもの。数ヶ月にも及ぶ計画立ての中で、私たちはバーモント州モントピリアからメイン州アカディアまで、複数の場所を検討し、地図に目を通し、Googleと睨めっこしました。ここで、私とともにこの記事を書いたサラ・スワローが力を発揮しました。数日に渡るバイクトリップに馴れっこのサラは、いくつかの目標を念頭に、ルートを計画したのです。その目標とは、オフロード、挑戦しがいのある登り、そしていくつもの壮大な景色です。Bicycle Magazineのライターであるケイトリン・ギディングスがこのグループ最後の一人となりました。アメリカ大陸を5度横断した素晴らしいツーリング経験を持つ彼女は、このグループに必要だったのです。

ボストンに集合し、バンに乗り込み、ダンキンドーナツに立ち寄り、モントピリア郊外の農家へと行きました。到着すると、私たちはバイクを組み立てました。ここからの旅はすべて自分で自分をサポートしないとなりません。必要なものすべてをバイクに積み込み、ゴールまで自分自身で運ぶのです。

この旅には、Specialized Dolce Comp Evo(※ 国内未展開)を選びました。この何でもできるマシンは、砂利道も走れる35mmのタイヤを余裕で履けるクリアランス、登りも楽々なギア比、すべての荷物を積み込んでも快適な走りと安定したハンドリングをもたらす長いホイールベースを持っています。

夕食と地元ショップでの最終調整のために街を訪れた後、私たちは早朝の出発のためにくつろぎました。

Day 1 by サラ・スワロー

バーモント州プレーンフィールド〜ニューハンプシャー州ノースウッドストック間
距離:71マイル/114km
標高:4900フィート以上/1500m以上

この旅のテーマは、ニューイングランドらしさを体験することでした。つまり、古風な趣のB&B(朝食付きの宿)で寝て、地ビールを飲み、メープルシロップ味のあらゆるものを食べることです。私たちが求めた究極のご褒美は、新鮮なメイン州産ロブスター。カリフォルニア州、ペンシルバニア州、そしてオハイオ州出身の私たちにとって、これは滅多に口にできないご馳走なのです。私たちは新たな土地へと降り立った観光客であり、その経験に浸る準備ができていました。

私の仕事はルートと案内を手伝うことでした。事前調査をして、友達からの情報を調べて確証したのち、のどかなダート、トレイル、そして「絶対に走っておきたい」道のある、私たちの興味を引いた各ポイントへと繋がるルートを決定しました。訪れたことのない場所でルートを設定するのは、これが初めてではありませんでしたが、私の知らない5人の女性をそのルートに晒すのは初めてでした。どのルートでも、必ず何かが起こります。道は地図上にはあっても、実際には存在していないかもしれません。舗装路は生い茂ったオフロードになっているかもしれません。未舗装路がスーパーマーケットになっているかもしれません。柔軟な対応が物を言うのです。お腹を空かせて疲れきったサイクリストの心理は怖くもあり、このグループがどう反応するかを私があまり心配していなかったと言えば、嘘になったでしょう。

ライドはモントピリア北部のうねったダートの丘から始まり、最初に止まることが計画されていたカボットクリーマリーへと向かいました。ここでは20種類ものチーズとメープルシロップソーダを味わえるのです。ペダルを回すにつれ、私たちはお互いの興味、趣味、走り方などを知り始めました。よりスムーズにお互いを知るための計らいなのか、ケイトリンに変速の不調が発生しました。彼女はシングルスピードで走らざるを得なくなったため、私たちは解決策を見出す必要がありました。彼女はまだ走行できたので、私たちはさらに道を下り、修理により適した場所を探したのです。私たちはジェネラルストアに到着し、エリカと私がペンチを探している間に、ベスとステファニーは手元のもので修理を試みました。危機を回避した私たちはライドを続行し、ハイウェイ112号線とバーモント州とニューハンプシャー州の州境に辿り着くまで、草の多いトレイルと砂地のオフロードを走り抜けました。

その日の遅くに、私たちは薄気味悪い古びたコンビニエンスストアで止まりました。ここで私たちの行き先に「大雨」が降っていると地元民から警告されたのです。不穏な雲が流れ込み、キンズマンノッチへと登る私たちのペースを押し上げました。食事と寝床があるノースウッドストックの素敵な街へと下りきる前に、その頂上で私たちはビーバーポンドにかかる景色を楽しんだのです。

Day 2 by エリカ・シュワンケ 

ニューハンプシャー州ノースウッドストック〜メイン州フライバーグ間
距離:63マイル/101km

標高:4600フィート以上/1400m以上

私たちは翌朝、どんよりとした空に目を覚ましました。ことわざの通り、完璧な計画もうまく行かないことが多く、これは、雨となってその日に現れました。地元の人々が私たちに警告した「大雨」が現実となり、それは実に酷いものでした。そして気温も下がりました。防水バッグに乾いたウエアを積めて走り出したその朝、誰もが密かに屋内に留まろうかと考えたに違いないですが、そのことは決して誰も口にだしませんでした。この日は他の日程よりも舗装路が多いとされており、いくばくかの安心感から、雨に打たれながらもありがたく思ったのでした。

この日、サラには大きな計画がありました。それはカンカマガスをまず登ること。これは「ザ カンク」と地元民から呼ばれており、単調な登りと息を呑むような景色で知られています。びしょびしょになって頂上へと脚を回している間、私たちが見たものすべてが霧と周辺の木々の下半分でした。それをネタに笑顔を作りつつ頂上に到着して、最高点を確認するまでしばらく留まり、そこからまったく動かない雲にがっかりしたあと、冷たく滑りやすいハイウェイを素早く下り、ディスクブレーキと後々目的地で知り合うこととなる旅人に安心させられたのでした。

しかし、まだ2つも登りが残っていました。寒いですが、バイクから降りている時間が長すぎるとさらに寒くなるだけということを知っていたので、私たちはコーヒーとおやつ休憩をし、濡れたグローブとシューズをウォーマーで覆いました。手は暖かくなり、空腹は満たされたので、その日一番の登りであるハリケーンマウンテンの前に、私たちは次の尾根へとペダルを回したのです。

2マイルのうちに1000フィートもの標高を獲得し、雨はまだ収まりませんが、各メンバーが山をジグザグに登り、暗い気分に陥りそうな状況から抜け出せるよう、素早くスペースを空けて散らばりました。20%の勾配により、登りは永遠に続くかのように思われましたが、頂上に到着すると、下りはあっという間で楽しく、その日最後の砂利道へと差し掛かった時に雨が止みました。私たちはメイン州へと辿り着き、心は健全なままでした。

ー 後半へ続く。

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