TEAM TARMAC Vol.1「ツールドおきなわ」で勝利を目指す。TEAM TARMAC見参! 私たちは何を目指し、何を得ようとしているのか?
「TEAM TARMAC(チーム・ターマック)」、最大の目標は「ツール・ド・おきなわ」おける勝利。何のためにチャレンジし、そして何を得ようとしているのか?
2017年に華々しいデビューを飾ったスペシャライズドの最高峰レーシングマシンのニューモデル「S-WORKS TARMAC」および「TARMAC」。この新しいTARMACをより多くの人に楽しんでもらうために立ち上がったコミュニティが「TEAM TARMAC(チーム・ターマック)」です。「大人の部活」を標榜しつつ、その最大の目標は、2017年11月に開催されるレース「ツール・ド・おきなわ」市民210kmクラスにおける勝利。このチームは、何のためにチャレンジし、そして何を得ようとしているのでしょうか。
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市民レースの最高峰にはロードライドのすべてが詰まっている。
2017年7月に日本国内でも発表された新型のTARMAC。そのプレゼンテーションの席上で発表されたのが「TEAM TARMAC(チーム・ターマック)」というコミュニティです。スペシャライズド・ジャパンのスタッフ、ショップ店長、そしてユーザーが参加するこのコミュニティは「大人の部活」をテーマに掲げ、市民レースの最高峰と言われる「ツール・ド・おきなわ」の市民210kmクラスへのチャレンジを表明ししています。
いったい、このコミュニティ、そしてチームは何を考え、ツール・ド・おきなわにチャレンジするのでしょうか。まずはTEAM TARMACの監督であり、「SBCU先生」のひとりでもある、佐藤修平さんに伺いました。
「メーカーがこのようなコミュニティを立ち上げて、レースに参戦すると謳う。そこには新しいTARMACを広めたいという狙いがあることは否定しません。しかし、それだけではないんです。レースにチャレンジすることによって、多くのことが得られるはずです。その知見を、TEAM TARMACというコミュニティを通じてみなさんにフィードバックしたいというのが、最大の狙いです」(佐藤)
TEAM TARMAC自体は、TARMACを購入し、そしてTEAM TARMACのジャージを購入することで一般ユーザーの方も参加できるとのことですが、立ち上げにあたって中核メンバーとなっているのは、佐藤さんに加えて、ショップ店長である新井康文さん(BIKE SHOP FORZA)と安藤光平さん(Bicicletta SHIDO)のおふたりですね。(※TEAM TARMACジャージの発売は10月末ごろを予定しております。発売に関する情報はFBおよび公式ブログで発表いたします。)
「メーカーとサイクリストのあいだをとりもつ存在であるショップの方といっしょにチャレンジすることで、ユーザーのみなさんにもより多くフィードバックすることができると思います。我々で成果を独り占めするのではなく、あくまでも、広めていきたい。また、ショップの店長というお仕事は多忙でもあり、その中でどうやってレースに挑戦し、結果を出していくのかというプロセスも、ぜひ皆さんと共有したいですね」(佐藤)
佐藤さん自身もスペシャライズド・ジャパンの社員ですし、中核メンバーの3人はいずれもフルタイムワーカーというわけですね。
「ここ数年、実業団のレースでサラリーマンレーサーの活躍が目立っていると感じます。それを眺めていて、自分自身チャレンジしてみたいという気持ちが湧いてきたのは確かですね。海外の選手にも憧れるけど、国内のレースの現場を見ると、強いサラリーマンレーサーも、私にとっては憧れの対象。そして同じように、フルタイムワーカーであっても本気で競技にチャレンジしたいという人も多いと思うのです」(佐藤)
それにしても、ツール・ド・おきなわの市民210kmです。新井さん、安藤さんともに豊富な参戦経験があるとはいえ、高いところに目標を置いているなと感じました。
「210kmというロングディスタンスのレースですから、準備からレース当日に至るまで、そこにはロードバイクライドのすべてが詰まっています。長い距離、高い運動強度と、バイクに対する高い負荷――すべてが、ある。さらに言えば、集団走行のマスドレースならではの紳士協定もあります。レースから得られるノウハウは大きいものがありますし、そこで学んだことはロードバイクのことに限らず、日常生活や仕事などに活かせるはずです」(佐藤)
なるほど。しかもそれを、自分たちの成果としてとどめておかずに、フィードバックする、と。
「得たものをみなさんにお伝えするということは、言語化するということですよね。そこに大きな意味があります。TEAM TARMACのメンバーが、それぞれの言葉で伝えていきたいと思います」(佐藤)
さて、先ほどもお名前が出ましたが、今回TEAM TARMACの中核メンバーとして参加されるのは、新井康文さん(BIKE SHOP FORZA)と安藤光平さん(Bicicletta SHIDO)。
新井さんはキャプテンだそうですが、経験もたくさんおもちですよね。今回TEAM TARMACとして、どのようにツール・ド・おきなわに臨まれますか?
「今はつくばのショップで店長をしていますが、もともと沖縄に住んでいまして。沖縄で自転車をやっていると、自然にツール・ド・おきなわに参加する流れがあるので、10回以上参加しています。沖縄県の選抜メンバーとして、国際レース(210km)にも出たことがあり、それ以来は市民レースも210kmに出ています。最初の頃は、市民210kmに出ても完走ギリギリといったところだったのですが、2年くらい前から、手応えを感じているんです。」(新井)
安藤さんも実業団のレーサーとして走られていて、ツール・ド・おきなわも参加されていますね。
「かつての所属チームが毎年出ていまして、210kmのレースを過去に5回、走っています。周りから声をかけられるとついつい乗ってしまうタイプでして、今回もそんな感じなのですが、レースの目標は、まずは完走ですね。レース当日に至るまでの準備や練習、そしてTEAM TARMACメンバーとのコミュニケーションを通じて、バイクをはじめとするさまざまなことに対するフィーリングを共有したり、自分一人では得られないような気づきが得られるのではないかと思います。そういった経験を、皆さんに伝えていきたいですね」(安藤)
そして、佐藤監督も腕を組んでいるわけではなく、実際に市民210kmに参加する。
「かつてツール・ド・おきなわに参加した際は、自分勝手に引きまくって見事にちぎれて、でも周囲にはよいペースを作っていたらしくて、レース後の居酒屋でいろいろな人に“ありがとう”とか言われて。今回は、弱いことは重々承知の上で市民210kmにチャレンジし、機材の力を借りて、集団の中でもしっかりコミュニケーションをとり、なんとか生き残って完走したいです」(佐藤)
そんなTEAM TARMACの使用機材は、もちろん新型TARMAC。今日集まっていただいた3名は、いずれもS-WORKS TARMACですが、よく見ると三者三様ですね。
「ULTRALIGHTの完成車からアレンジしたもの、S-WORKSのフレームセットから組んだもの、そして完成車に手を加えたものですね。バイクは揃ったばかりですが、各人のこだわりもすでに見えています」(佐藤)
そのあたりは次回以降、順を追って伺いましょう。
―つづく―
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新井康文(BIKE SHOP FORZA)
「BIKE SHOP FORZA」(茨城県つくば市)の店長にして、いま日本でいちばんS-WORKS TARMACを売る男。「ツール・ド・おきなわ」への参戦経験も豊富で、TEAM TARMACではキャプテンを務める。2016年のツール・ド・おきなわ 市民210kmクラスを16位で完走。32歳。
安藤光平(Bicicletta SHIDO)
「Bicicletta SHIDO」(東京都狛江市)の店長。実業団チーム「FIETS GROEN日本ロボティクス」に所属するJプロツアー参戦ライダーという顔も持つ。2015年のツール・ド・おきなわ 市民210kmクラスを106位で完走。シクロクロスも国内最高峰のJCXシリーズで走る。32歳。
佐藤修平(スペシャライズド・ジャパン)
スペシャライズドが提供する製品やサービスについて、その機能や特徴を販売店やエンドユーザーへと伝える「SBCU」のメンバーであり、フィッティングサービスを統括する。MTBやシクロクロスの経験は豊富だが、ロードレースはまだまだ未知の領域。「おきなわ」は3年前に140km完走。43歳。
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【筆者紹介】:須貝弦
万年ビギナー状態と言い続けて20年、それでも自転車で地元の里山をめぐることを心のヨリドコロとするフリーライター。年に1度だけ、レースにも出ます。
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