2018.10.16

スペシャライズド「ツール・ド・おきなわ」チャレンジ Vol.1

スペシャライズドの社員3名がツール・ド・おきなわにチャレンジします。どのようにトレーニングし、どんな機材で走るのか、3回にわたりお届けします。

昨年、スペシャライズド・ジャパンの社員と販売店スタッフが「TEAM TARMAC(チーム・ターマック)」として市民210kmクラスに臨んだ、アマチュアサイクルロードレースの祭典にして最高峰である「ツール・ド・おきなわ」。
第1回は2017年の振り返りと、2018年の目標などについて聞いてみましょう。

昨年の記事はこちら
TEAM TARMAC Vol.1「ツールドおきなわ」で勝利を目指す。TEAM TARMAC見参! 私たちは何を目指し、何を得ようとしているのか?
TEAM TARMAC Vol.2 TEAM TARMACメンバーは新しいS-WORKS TARMACをどう評価しているのか?>
TEAM TARMAC Vol.3 S-WORKS TARMACにベストマッチなホイール&タイヤは何か、脚質や目標を踏まえて考える>
TEAM TARMAC Vol.4 シューズやサドルのこだわりについて>
TEAM TARMAC Vol.5 レース前の過ごし方と、レース本番の走りかた&補給について>

●2017年のチーム・ターマックはどうだったのか

ー今年も「ツール・ド・おきなわ」が近づいてきたわけですが、まずは昨年の振り返りを伺いましょうか。

昨年の「ツール・ド・おきなわ」には、新井康文さん(BIKE SHOP FORZA)、安藤光平さん(Bicicletta SHIDO)、藤岡徹也さん(シルベストサイクルみのおキューズモール店)、藤田勉さん(スペシャライスド新宿)、2名のTarmacユーザーさん、そして総監督として佐藤修平さん(スペシャライズド・ジャパン)の5名を主要メンバーとして、チーム・ターマックの名のもとに市民210kmに出場されましたね。

ー総監督として、どう振り返られますか?

佐藤「総監督というほどの仕事はできていないのですが、当日は本調子でなく悔しい思いをした人、自分のレベルに応じて楽しんだ人などそれぞれでした。残念ながら藤岡さんは集団落車に巻き込まれリタイヤされましたが、他のメンバーは完走することができました。昨年はチームとして臨んで補給スタッフも用意したのですが、これはとても効果的でしたね。物理的に水分を余分に補給できるだけでなく、知った顔が補給ポイントにいて、声かけとともに補給を渡してくれる。それだけでとても元気がわいてくるのを実感できました」

ー仲間がいるというのは、大事なことですね。チーム間の連携みたいなのは、あったのですか?

佐藤「残念ながらあまり連携は取れてなかったですね。自分が一番遅かったのですが、各自のアシが揃っていないというところが原因です。でも、そもそも戦略的にレース展開するというプロジェクトでもなかった。実は私自身は、藤田のペースで完走できればと思っていて、事前にそういう話もしていたんです。ところが、いざレースが始まると、いきなり藤田が飛び出してしまって。後から聞いた話では、前日に藤田が、彼なりに他の選手の情報収集をして、新井さんのライバルとなる選手に足を使わせるために出した答えだったらしいのですが、他の誰もその話を聞いていなかった(笑) ドラマチックなシーンではありましたけどね」

ー確かに、ドラマチックではありますね……。

佐藤「私自身も一瞬、藤田のアタックについていきそうになったのですが“いや、絶対にやっちゃだめだ”と言い聞かせて、やめました。というか出来ないわけですしね。個人的には、曇りで沖縄にしては涼しかったこと、終盤に知人に会って協調できたこと、そして補給で元気をもらえたことで完走できましたが。また、一般ユーザーとしてお二方がTEAM TARMACのサポートを利用されましたが、お二方とも私のもっと前でフィニッシュされているので、その点はお手伝いできて良かったと思います」

ー今年は社員チームとして、3名でのエントリーとなりますね。

佐藤「TEAM TARMACとして補給スタッフまで擁するのは、さすがに準備や運営が大変だったのも事実ですね。今年は原点に帰ると言うか、コンパクトな体制で行きます。それでもスペシャライズド・ジャパンから同じ市民140kmクラスに3名でエントリーするので、協調というよりは経験や情報を共有して完走を目指すというのが実体になると思います。おきなわはそこが重要だと思うんです。

●目標設定は三者三様
その3名のメンバーに本日はお集まりいただいたわけですが、昨年に引き続いて佐藤さん、そしてMTBの記事などで「コウジくん」としておなじみの渡辺孝二さん、さらにはスペシャライズド・ジャパン 代表の小松亮さんという顔ぶれ。全員が市民140kmクラスへの出場です。

ーまずは渡辺さんに今年の「おきなわ」に対する目標や意気込みなどをお聞きしたいのですが、今年で何回目のエントリーですか?

渡辺「3回目ですね。初めて出たときは何も分からず、安部の関門で終わりました。2回目は完走を目標に出場して、その目標は達成することができました。今年は、昨年を上回る順位とタイムでゴールするのが目標です。入賞を目指すというより、自分自身の達成すべき目標を超えるために走る感じでしょうか」

ーちなみに渡辺さんは、以前完走された際には「ALLEZ SPRINT」を使ったそうですね。

渡辺「バイクはALLEZ SPRINT、ホイールはCLX 64、タイヤはTURBO COTTONの26Cですね。アルミバイクのALLEZ SPRINTでも完走できるわけですから、バイクを快適性が高いS-WORKS TARMAC SL6にすれば、もっと良い結果が出せるのではないかと思います。もちろん、目標を達成するためにトレーニングも積んでいます」

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では、トレーニングやバイクの選択については改めて伺うことにしましょう。

ー佐藤さんは、210kmから140kmへクラス替えですね。

佐藤「私の場合、市民210kmは集団でレースメイクできるレベルではないので、どうしても後半は独り旅や小さな集団で、ツーリングペースになってしまうんです。ただ、ほぼドベですが完走という目標は達成しましたし、今度は可能なかぎりレースがしたいと思い、市民140kmを選びました。そして、パフォーマンスを向上させるために、今年はコーチングを受けているのが大きな変化です」

コーチングによって佐藤さんにどんな変化が起きたのかも、次回以降でしっかり伺います。

●初めての本格的ロードレースが市民140kmの代表・小松
ーそして最後に、小松代表です。小松さんはどうして「おきなわ」に出場しようとお考えになったんですか?

小松「トライアスロンの世界選手権にちょくちょく出場できていて、今年も当然そのつもりでいたのですが、予選となる大会で敗退を喫してしまいました。しかし、だからといって何もしないのではなく、今年は新しいチャレンジをしよう、と。そこで、ツール・ド・おきなわへのエントリーを決めました」
スペシャライズド・ジャパン代表 小松のIronman参戦記 in Philippinsを読む>

ー今まで、マスドロードレースの経験はあるのですか?

小松「今年の“富士チャレンジ200”が、初めてのロードレースでした。6月にトライアスロンの大会で敗退してから7〜9月はあまりトレーニングもできておらず、実は一発勝負に近いんです。しかし、私はふだん社員に“トライアスロンをやれ”と散々言っていて、そして誘われて初めてトライアスロンに出る人は、当日までたくさんの不安を抱えていると思います。それと同じような不安を、私も抱えることになるわけです」

ーその不安を、身を持って知る、と。

小松「市民140kmが、楽ではないことはわかっています。そして、未知への挑戦であり、まったく想像できないことがたくさんある。それが不安であり、同時に、チャレンジしていく楽しさなのかなと思っているところですね」

●それぞれの「おきなわ対策」は次回以降に
ー初めての人も何度目かの人もいるわけですが、それぞれのレースに向けた機材やトレーニング、レース本番の走り方や補給についての話は次回以降にお伺いしたく思いますが、ひとまず先に、皆さんバイクはどうされますか?

佐藤、渡辺、小松「TARMAC!」

ー全員TARMACですか? VENGEの人はいない?

佐藤「実は私は、まだ選択の余地があると思っています。TARMACもVENGEも両方乗っていますし、どちらで出るにしても、それぞれのバイクのセッティングについて悩む点は無いのですけどね。ひとつ言えることは、3人ともディスクブレーキのバイクで出るということです」

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THE NEW TARMACのテクノロジーについてはこちら>
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(つづく)

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昨年の記事はこちら
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TEAM TARMAC Vol.5 レース前の過ごし方と、レース本番の走りかた&補給について>

Photo:🄫Ryuta Iwasaki

佐藤 修平
スペシャライズドが提供する製品やサービスについて、その機能や特徴を販売店やエンドユーザーへと伝える「SBCU」のメンバーであり、フィッティングサービスを統括する。ツール・ド・おきなわでは、2014年に市民140kmを完走、2017年に市民210kmを完走。MTBやシクロクロスの経験が豊かで、生まれつきの「自転車バカ」を仕事にもっと活かしたい44歳。

渡辺 孝二
佐藤とともに「SBCU先生」として、販売店に向けて様々な商品説明やフィッティングの研修などを行う。いわばスペシャライズド・ジャパンにおける「知識の泉」のひとり。当ブログのMTB関連記事でも「コウジくん」として、たびたび登場。筋肉がつきやすいのが悩みで、今年はその点を意識したトレーニングに励み、効果が出てきたように感じる51歳。

小松 亮
スペシャライズド・ジャパン代表。一児と猫二匹のパパであり、サラリーマン社長であり、そしてアスリートと、三足のわらじを履く52歳。バイク180kmを含むアイアンマン・ディスタンスにチャレンジし、アイアンマン・ジャパンのエイジ優勝やハワイ・コナで開催されるアイアンマン世界選手権への出場経験をもつ。独走力には不安がないが、集団走行への慣れや補給が課題。

【筆者紹介】:須貝弦
万年ビギナー状態だが、それでも自転車で地元の里山をめぐることを心のヨリドコロとするフリーライター。「年に1度だけ、レースにも出ます」と書いていたが、今年は目標としていたレースが台風で中止になり残念。

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