初級者こそブルベを走ろう!そう助言する6つの理由
初級者こそブルベを走ろう! 一人前の自転車乗りになる近道です。
「ロードレーサーに慣れてきたから、そろそろ本格的に走ってみたいな」
そう思い始めたら、ブルベ(Brevet)にエントリーしましょう。
ブルベとは、「認定」という意味のフランス語。その名の通り、規定の距離を制限時間内に完走すると認定がもらえます。基本は200キロ、300キロ、400キロ、600キロ。1年に4つの距離を完走すると「シューペル・ランドヌール(SR)」と認定されます。
最古の歴史を持ち、もっとも有名なブルベは、パリ郊外を出発してブレストまで往復する「パリ・ブレスト・パリ(PBP)」です。もとは1891年に始まった1,230キロをノンストップで走るレースで、今は制限時間80〜90時間のブルベとして4年に1度、世界中のSRを集めて開催されます。
超長距離『トランスコンチネンタルレース』を2019年新型Roubaixで日本人で初完走した忠鉢真一さんの記事はこちらから>
距離に尻込みしがちですが、ロードバイクに乗り始めたのが3年前、44歳のときだった私でも、昨年のPBPを87時間で無理なく走り切ることができました。
私は体重が90キロ超級。練習量は人並み以下で、何週間も自転車に乗らないことがよくあります。コーチも師匠もいません。それでもブルベの経験をもとにPBPを走れるまでになりました。
自転車の経験の浅い人こそブルベを走れ。そう助言できる理由が7つあります。
1. 安全が身につく
車道の左端を走り、信号を守り、交差点は2段階右折が当然。ヘルメット灯か尾灯を常時点灯し、視認性の高い反射ベストを着るのもルール。自動車の運転者とはアイコンタクト、自転車同士はハンドシグナル。一緒に走る先輩たちが、身をもって示してくれます。
2. ペースがつかめる
ブルベはおおむね平均時速15キロで走り続けると制限時間内にゴールできるようになっています。山が苦手でもアップダウンでペースは相殺されます。コンビニストップも戦略のうち。時間と体力の配分を計算しながら走っていると、狙った距離を、狙った時間で走るコツがつかめます。
3. コースの情報が増える
走りやすいコースや、攻略しがいのあるコースは、ブルベ以外でもまた来たいと思います。車や鉄道で通って知っていたつもりの地域でも、こんなにきれいだったのかと感動することがあります。
4. 機材や持ち物の勉強になる
コースは主催者が用意したキューシート(指示書)を紙に印刷しておくか、GPSに入れておくか、それとも自分の記憶を信頼するか。必要な荷物はリュックか、サドルバッグか、背中のポケットか。緊急時や雨の対策はどこまでやるか。参加者の自転車も様々。その手があったかと、うなることがしばしばあります。
5. 「体力も大事だが、マネジメント力がもっと大事」と知る
準備不足も計画倒れも致命的です。体力を消耗するとマネジメント力が落ちることも体感できます。
6. ブルベは人生そのものだと悟る
途中棄権(DNF)や認定外完走もブルベのうち。進むべきか、やめるべきか、後悔しないように、自分で決めなければなりません。小さなことが分岐点になります。
【筆者紹介】:ちゅうばち・しんいち
ブルベ中に参加者同士で会話が弾むようになったことが最近の成長。「その体でよく登りますね」と言われ、ほめられているのかな、と悩む。1969年生まれ。
超長距離『トランスコンチネンタルレース』を2019年新型Roubaixで日本人で初完走した忠鉢真一さんの記事はこちらから>
関連記事:
90時間で1,230qを走る、長距離サイクリングイベント「パリ・ブレスト・パリ」を追う(2015年9月2日)
はじめてのロードバイクの選び方。エンドウ商会店長に聞いてきた vol.1(2016年5月27日)
- カテゴリ
- キーワード