2017.12.27

ニーガードについて、世界一熱く語ろう!!

ハードなペダリングでもズレにくい最新思想のニーガード、Atlasが、あなたのヒザと人生を救う。

あなたはMTBに乗るとき、ヒザのプロテクター、ニーガードをつけるだろうか。

僕はドジでよくコケるので、つける。オフロードを走るとき、何か特別な理由がない限り、だいたいつける。つけないときも、長ズボンだったりして生ヒザむき出しではほとんど乗らない。これまで30年間、転がり続けたオレの生きざま、から学んだ、マウンテンバイキング・リスクヘッジである。

もし、今この瞬間、あなたが転んでいるならば。

まずあなたは無意識のうちにヒザを地面につこうとしているはずだ。まあ大体において、ヒザとヒジで顔や胴体を守ろうとするのは人の摂理。人はヒザから下に落ちるなら、まずヒザを守っておきたい。諺も言っている、「備えあれば、うれしいな」。言ってるな、うれしいよな。

そのニーガードで、大切なことはなんだろう。守る力か、確かにそうだ。でも一番じゃない。一番は、「ズレないこと」だ。

敬愛する伊丹十三の監督映画『タンポポ』に、「フランス料理とは、焦げ味との戦い」といった文脈のセリフがある。これに習うと、「ニーガードとは、ズレとの戦い」となる。

ニーガードはズレる。マウンテンバイキングは漕ぐからだ。バンドで締めたり、ネオプレーンで全体を覆ったり、いろんなことして膝にぴったりさせようとするのだが、ペダリングの動作が結果としてニーガードを、下へ下へと押し下げる。

ズレたプロテクターは意味がない。漕ぎにくく動きにくいだけじゃない。

おっとズルッと転けたよ! さあニーガードの役立つときが来た! のに!

いて欲しい時に、君はいない。一番働いて欲しいとき、君は下にズレててヒザにいない。生ヒザ地面に直撃だ。なんてこった、意味がない。

結論から先に言うとプロテクターは、立っているときに試着して、「うんうんフィットするね」みたいな選び方じゃ本当はいかんのだ。ペダリングしているときにこそ、膝が曲がっているときフィットすることに、そしてズレないことに、マウンテンバイク用ニーガードとしての本質がある。

そこに登場したスペシャライズドのニーガード、このAtlas(アトラス)を見て欲しい。

「マウンテンバイク用のニーガードは、ペダリング性を最重要視しなければいけない」。

これに真っ向取り組んだ結果だ。その形からして違って立体的だ。基本思想からして、まさにヒザそのものの形である。

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素材にも、存分に気を使っている。メイン素材はメッシュ、裏地はより薄手のメッシュ。衝撃吸収用のフォームも細かく分断し、ヒザを曲げた時に、フォームが変に曲がって膨れ上がらないようになっている。つまり見た目ごついのに、意外に薄手なのだ。上にジーパンを履きたい方でもOKだ。

ニーウォーマーのような筒状なので、着け外しは、シューズを脱いで行う。あまり脱ぎ履きするものではないが、履いたまま1日中いても違和感は少ない。

ガード部の表地は丈夫なケブラー系の繊維。そして、表面が布地であるということが大切で、布地であれば例えばジーパンの下に履いて転んでも、結果として上のジーパンは破けにくいのである。なんでかは知らないが、経験上そうなのだ。

フィット感としては、全体をふくらはぎの上でホールドするような印象。裏のしなやかなメッシュ素材は伸びがよく、ふくらはぎが太めの方でも締め付け感は少ない。なおサイズはXS、S、M、L、XLの5サイズ、税込み9,180円。ガッチリタイプのコウジくんでも、Mサイズでぴったりだった。
ガッチリタイプのコウジくんの体型・・・身長168cm、体重74kg、胸囲94cm、胴囲85cm

そんなことよりペダリングだ。この脚が回る感じは、まるでニースリーブのようだ。ものすごい防護性があるのに、すごいよく動く。なるほど、またスペシャのMTB開発チームは、そんな本質を額にあるのだろう第3の目で見い出した。

唯一の欠点は立っている時だ。立っている時、なんかヒザ周りがモハっとする。違和感があるが問題もない。だったら座れよと、サドルに座って乗っていけよと。そんな在り方なのである。

このニーガードが一番活躍するのは、エンデューロレースだ。履いたまま長く登って、それでもズレずに安心感とともに下れる。そしてもちろんトレイルライドも。

最近、クロカンレースの後に、ヒザからダラダラと血を流しているライダーをよく見かける。いるんだよ、なぜか。あなたがなぜその「レーサーらしい」ロードレーサーのような生ヒザで、クロスカントリーレースを走りたいのか、僕には正直わからない。経験上ヒザから落ちて血が出るほどヒザに穴が開くと、2週間は気持ち悪いし、当分まともに自転車にも乗れなくなる。そんなこと分かり切ってるはずだ。

もし僕が再びXCレースに出るのなら、ドジなので、これを履くだろう。ペダリングし続けていればフィットするニーガードなら、ペダルを回し続けるXCレースに最高に使えるじゃないか。ドジのなのにイキがって、そのくせ転けてヒザから血を流して、その後のQOL(生活の質を)下げるなんて、これ以上僕の人生には必要ないからだ。

「XCレースにニーガード? そんなのするわけないじゃん」しかしながらコウジくんは言う。OK、あなたの自転車への美学はよくわかった。しかし僕は、あなたがその美学を全うする以上に、あなたにケガをして欲しくないのだ。

生ヒザでレースを走るのと、ニーガードをつけてレースを走るのと、どっちが50を超えた大人として正しいだろう。もうとっくに21世紀だぜ、コウジくん。考えてみて欲しい。

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筆者紹介:中村浩一郎
スポーツ自転車に関する物を書いたり、翻訳や通訳、英語で東京自転車ツアーガイドなんかもしているが、本職はずっと、25年ぐらいマウンテンバイカー。突然だけどニーガードは3つは持ってたいね。自分で使う用、人に貸す用、そして人にあげる用。「このニーガード、使い古しだけどあげるからさ、お願いだから走る時は、ニーガードして走ってね♡」

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