2019.10.24

スペシャライズド社員による「ツール・ド・おきなわ」チャレンジ 2019 その1 おじさんと若者、それぞれの目標

さあ、今年もやってきました、スペシャライズド社員による「ツール・ド・おきなわ」チャレンジ。今年も4人の社員が挑みます。

日本国内におけるホビーレースの最高峰と言われる同大会に、今年も4人の社員がチャレンジします。その抱負や本番までの調整方法、そして機材などについて、2回にわたってお伝えします。

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●若手メンバーを加えて臨む令和最初の「ツール・ド・おきなわ」

2019年のツール・ド・おきなわに挑戦するスペシャライズド社員は、4名。昨年に引き続き代表の小松亮、そして佐藤修平、渡辺孝二の3名に加え、入社2年目24歳の板垣響が参加します。今回は、小松・佐藤・板垣の3名に話を聞きました(渡辺は業務都合で不在)。

●今年も市民140kmにチャレンジ、今年こそレースがしたい佐藤

—まずは佐藤さんに伺いましょう。昨年は市民210kmから市民140kmにクラス替えをして臨みましたが、事前の体調不良もあって満足な結果ではなかったと思います。今年はどのクラスに、どんな目標を持って参加されますか?

佐藤「今年も市民140kmにエントリーしました。2017年に市民210kmを完走することができましたが、レースができたかというと、そうではない。市民210kmは、私のレベルだとどうしても距離に対してのチャレンジになってしまうのです。そうではなくて、集団の中での動き、かけひきといった、レースをやりたい。今年の目標は、市民140kmで30位以内に入ることです」

—今年はこれまでに、何かサイクルロードレースには参加されたのでしょうか。

佐藤「7月に開催された“ニセコクラシック”に参加しました。70kmのエイジ別(40-49)クラスで17位に入ることができ、思いのほか良い結果だった上に、途中しっかりレースに参加できたという手応えも得られました」

●今年は体調が良い小松は市民210kmにチャレンジ

—続いて、小松さん。フィットネスレベルという面では何の心配もなく、昨年は集団走行と補給が課題と言われていましたが、まさかの体調不良で昨年はDNF(途中リタイヤ)でした。今年のツール・ド・おきなわはどうされますか?

小松「昨年は事前に体調を崩してトレーニングできない時期が続き、DNFという結果になってしまいました。今年はトライアスロンのほうでも調子が良いので、体調を崩すことなくツール・ド・おきなわ本番を迎えたいですね。今年は、市民210kmにエントリーしました。完走を目標に走ります」

—え? 市民210kmですか?

小松「市民140kmは、スタート地点がメイン会場の名護から遠いんですよ」

—そういえば昨年は、スタート地点まで30kmほど自走されてるんですよね。ちなみに佐藤さんは体調を鑑みてタクシーで移動されてた。

※名護をメイン会場に開催されるツール・ド・おきなわだが、市民100kmと140kmは名護から30km離れた国頭村からのスタート。レース前日に名護で受付を済ませた後にシャトルバスで国頭村入りして前泊するか、当日朝に名護からスタート地点まで移動する必要がある。

小松「今も相変わらず集団走行に課題はありますけど、距離自体はトライアスロンと比べてそう長いわけではないんです」

—アイアンマンディスタンス(スイム3.8km・バイク180km・ラン42.195km)に出ている小松さんにとっては、確かに距離面で不安が出ることはなさそうですね。

●初めてのサイクルロードレースがツール・ド・おきなわ。しかも……な、板垣

—さて、初参加の板垣さん。どのクラスにエントリーされたんですか?

板垣「市民210kmですね」

—「市民210km!?」

板垣「市民210kmになってしまった—と言ったほうが正確かもしれません。市民140kmにエントリーしようとしたとき、ちょうど隣にコウジさん(渡辺さん)と小松さんがいて“どうせ出るなら210kmにしようよ”や“140kmはスタート地点が名護から遠いんだよ”などと言われ、気がついたら210kmになってしまっていました。ただ、私の場合は140kmでもレースをするというより距離への挑戦になると思うんです。であれば、いっそ210kmにチェレンジしようと思ったのは確かですね」

—ちなみに、現在の年齢とスポーツサイクル経験は?

板垣「年齢は24で、ロードバイク歴は8年あります。今はMTB中心で、エンデューロのシリーズ戦「ENS」(エンデューロ・ナショナル・シリーズ)に出場していますが、ロードレースについても経験を積みたいと思い、ツール・ド・おきなわへの参加を決めました」

●食生活を見直しパフォーマンスが良くなった佐藤

—それでは、皆さんがツール・ド・おきなわに向けてどんな対策をされているのか、まずはトレーニング面から伺いましょう。昨年はコーチングを受けて収穫もありつつ、レース前に風邪をひいてしまい残念でした。

佐藤「昨年のツール・ド・おきなわの後はモチベーションもなく、毎年出ていたシクロクロスもやらず、12月〜1月は通勤メイン、他には製品テストなども兼ねて、月に1,200kmほど乗りながら過ごしていました。そして今年の春先に多忙などでペースが乱れ、酒ばっかり飲んでいたり、週末は週末で子供と過ごすのが楽しくなってしまって、頻度も距離もだいぶ落ちました。7月のニセコクラシックも、エントリーはしてあったのですが、やめようかなと思うくらいで。ところがブログ担当社員から“ニセコ出るんですよね?”と釘をさすように言われて、半ば仕方なくニセコを走ってみたら意外なほど結果が良かったわけです(70km Men 40-49で17位)。とくに前半は積極的に動くことができて、先頭集団へブリッジしたりとか、レースを楽しめました。これが、モチベーションを回復させました」

—今年は、コーチングは受けていないのですか?

佐藤「今年は、受けてないです。昨年得たものをベースにしつつ自分なりにという感じですね。以前なら土日どちらも100km走や集団での練習をしていましたが、今は月1、2回。平日も通勤はせず、会社に来てから朝か昼、集中して乗るようにしています。練習内容も、距離を稼ぐよりも、パワートレーニングを重視しています」

—春先からあまり乗っていなかったというわりには、ニセコでのレースに佐藤さん自身で手応えを感じる走りができたというのは、どんな理由があるのでしょう。

佐藤「MTBライドやスイムなどで体を動かしていたこと、そして食生活を変化させたことが挙げられます。アスリートフードマイスターの資格をもつ家人から“根本を直しなさい”と言われたんです。私はコーヒーと菓子パンが大好きなんですが、まず菓子パンをやめなさい、と。それから、揚げ物ですね。とくに、冷めた揚げ物。お盆休みからそれを実行したら、体重が8月からだと3キロ、春からだと5キロ落ちました。あと、お酒も控えるようになりましたね。お酒で得られる高揚感は、MTBで代替できる(笑) もちろん、なんだかんだ言って冬場に月間1,200km乗っていたこと、夏場は距離を落とすことで調子が保てているとも言えるでしょう」

—このままいけば、今年はいけそうですか?

佐藤「数字だけ見てもFTPがアップしているし、タイム的にも、Stravaで練習のたびにパーソナルレコードが出たりするんです。思い込みではなく、数字に出てきたのがうれしいですね。直前の暑熱順化でうまくいけば、楽しめるのではないでしょうか。今年も機材はいいですし」

—機材のお話は、後ほどじっくり伺いましょう。

●人と乗る機会を増やしつつZwiftも始めた小松

—小松さんは昨年、目標としていたアイアンマンの出場権を得られず、しかも体調不良もありました。今年はここまで、いかがですか?

小松「昨年は6月でトライアスロンのシーズンが終わってしまい、そこからしばらく乗っていませんでした。今年は9月までしっかりとシーズンを戦い抜いて、フィットネスレベルを落とすことなく順調に過ごせていると思います。今はトライアスロンのシーズンが終わってリフレッシュしているところですが、10月に入ったらパワートレーニングを再開させたいと思っています」

—昨年はツール・ド・おきなわが事実上初めてのサイクルロードレースでしたが(事前に、雨で短縮された「富士チャレンジ」に出場)、心配されていた集団走行や、トライアスロンとは異なるレースの走り方など、今年のツール・ド・おきなわに向けて対策されていることはありますか?

小松「トライアスロンのシーズンがあるので、その後サイクルロードレースには出ていないのですが、練習時にはなるべく他の人といっしょに走るようにしています。冬場には、ロードレースのような強弱のあるトレーニングにも取り組みましたし、インドアでの“Zwift”も始めて、バーチャルでのレースにも参加しました。Zwiftでも、一定ペースで走るトライアスロンとは違った走り方ができるのは大きいですね」

—今年は体調も良いとのことで、市民210kmの完走をぜひ果たしたいところですね。

●出張が多い板垣はスキマ時間のランニングに取り組む

—いちばんの若手である板垣さんは、ふだんエンデューロレースのENSに参戦されているとのことですが、ツール・ド・おきなわに向けてどんな取り組みをされていますか?

板垣「実は、ツール・ド・おきなわへの参加を決めたのが、8月に入ってからなんです。エンデューロレースのスケジュールもあるし、11月初旬はちょっとな……と思っていたのですが、一方でロードレースに参加して経験を得たいという気持ちもあって。他の3人が出るということもあって、参加を決断しました」

—なるほど。では、現時点では取り組みも何も……というところでしょうか。

板垣「ロードバイクにまったく乗っていないというわけではないのですが、エンデューロ中心になるとどうしてもロードバイクに乗る機会は少なくなってしまいます。先日、週末に120kmほど乗ってみたのですが、100kmを超えてからが全然ダメでした。全然踏めないんです。それ以来、なるべく時間をみつけてロードバイクに乗るようにしています。また、土日は出張が多いので、なかなかロードバイクに乗ることができません。そんなときは、スキマ時間でランニングも行なっています」

—やはりMTBとはまったく感覚が異なりますか?

板垣「エンデューロレースは下り中心なので、ロードバイクとは動きは異なりますね。ただ、エンデューロでも傾斜がゆるい区間では“漕ぎ”を入れないと良いタイムが出ません。ロードバイクでトレーニングするようになってから、この“漕ぎ”がより楽にできるようになったという実感はあります」

—現時点で、何か心配なことはありますか。

板垣「やはり、集団走行でしょうか。ロードバイクでレースというと、ヒルクライムしか出たことがありませんので……」

佐藤「ショップの方たちが休みの日に行っている練習会に何回か参加するなどして、少しでも経験が積めると良いんじゃないかな」

—では、今回はここまでとして、次回は今年のツール・ド・おきなわで使用する機材の話を中心に伺っていきたいと思います。

佐藤 修平
スペシャライズドが提供する製品やサービスについて、その機能や特徴を販売店やエンドユーザーへと伝える「SBCU」のメンバーであり、フィッティングサービスを統括する。過去のツール・ド・おきなわでは、2014年に市民140kmを完走、2017年に市民210kmを完走。2018年は体調不良に苦しみつつも、市民140kmを182位で完走。2019年はニセコクラシック 70km Men 40-49で17位に入り、今のところ手応え十分?最近はMTBライドに傾きつつある45歳。

小松 亮
スペシャライズド・ジャパン代表。一児と猫二匹のパパであり、サラリーマン社長であり、そしてアスリートと、三足のわらじを履く53歳。バイク180kmを含むアイアンマン・ディスタンスにチャレンジし、アイアンマン・ジャパンのエイジ優勝やハワイ・コナで開催されるアイアンマン世界選手権への出場経験をもつ。2018年のツール・ド・おきなわは、事前の体調不良が響いてDNF。引き続き集団走行への慣れや補給が課題だが、アスリートとしてのレベルや独走力に関してはメンバー中、随一。

板垣響
スペシャライズド・ジャパンでSBCUチームの一員として業務に励みつつ、MTBエンデューロ競技シリーズ「ENS」に参戦する24歳。ロードバイクでのロングライド経験も豊富だが、サイクルロードレーストなると未経験。ツール・ド・おきなわのレース本番までに、どれだけ場数を踏めるかが課題。

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