2020.11.27

Enduro(エンデューロ) 、乗ったら世界の見え方が変わること間違いなし。

発売当初からEnduroに乗っているフリーライダー板垣 奏男さんによるEnduroレビューをご紹介いたします。

国内外で高い評価を得ているEnduro(エンデューロ)。170mmトラベルを前後に備え、そのトラベル量からは考えられないほどの操作性と登坂性能が持ち、ゲレンデからトレイルまでエンジョイできるバイクです。ゲレンデコースに行けば険しい傾斜や路面状況でも余裕をもって走れる「ミニダウンヒルバイク」に、トレイルでは登りでもバイクが進み、安定したダウンヒルが楽しめる「トレイルバイク」になります。リフトアップのゲレンデから自分の足で登るトレイルまであらゆるダウンヒルを楽しみたい方へおすすめのバイクです。

『Specialized Enduro』がベスト・エンデューロバイク!(海外MTBメディアから)

今回はそのEnduroに発売当初から乗っている、フリーライダーの板垣 奏男さんがEnduroについて語ります。なぜ彼がEnduroを選んだのか?どこが気に入っているのか?などなど、長期間乗ったからこそ分かるバイクの性能や特徴をお伝えします。

板垣 奏男(いたがき かなお)さんプロフィール

東京サイクルデザイン専門学校卒業後、マウンテンバイクのライディングとトレイルビルディングを学ぶためにカナダに留学。2シーズンダウンヒルの聖地のウィスラーで、1シーズンをトロントの世界有数の屋内バイクパーク「Joyride 150」で過ごす。帰国後は、白馬岩岳、ふじてん、フォレストバイクなどでライディングレッスンやトレイルビルディングに携わるかたわら、フランスグローブメーカーのグローバルアンバサダーも務める。レースのタイムよりも魅せるライディングに全力投球するフリーライダー。

インプレッション
まずEnduroというバイクを紹介するにあたって、私がどんな乗り方をしているかを紹介した方がイメージしやすいと思うので、そこから始めます。

MTBを始めたのは地元の山道でした。当たり前のように自転車で登り、下ってくるというトレイル遊びから入ったので、今でも冬になると地元のトレイルで走っています。シーズン中はふじてん、白馬岩岳のようなMTBフィールドでダウンヒルやジャンプを楽しんでいます。その合間、ENS(エンデューロ・ナショナル・シリーズ)やミニダウンヒルレースにも出場しています。

なので、私がMTBに求めるスペックは、大きく3つです。

  • ・見た目がカッコいいこと
  • ・下りが安心して、なおかつ楽しく下れること
  • ・登りもしっかり登ること

それを踏まえた上で、Enduroを紹介していこうと思います。

ルックス

やっぱり自分が乗るバイク。自分の感性に合うバイクに乗った方が、ライディングしたときの興奮もより大きくなります。ルックスに関しては、これに関しては個人の好みもあり、かなり意見の分かれる所ではあります。私はEnduroリンクの複雑さと、マッシブなフロントがたまらなく好きです。

機械が好きならこのガシャガシャ感(というのが正しいかわかりませんが)好きですよね?さらに、個人的にはこのメカメカしい感じがツボです。

下りでのスムーズさ

このリンクですが、もちろん見た目だけではありません。スペシャライズドの頭が良く、激しくMTBに乗る「ライダー」が作っています。研究開発者もライダーなので、見た目だけの訳がありません。詳しいことはスペシャライズドのEnduroストーリーページに記載があるので省きますが、体感としては「スムーズ」に限ります。

Enduroについてもっと詳しく>

44秒からの根っこが多いセクションでのスムーズな走りに注目。

とにかく路面が荒れていようが根っこがあろうがスルスルとバイクが進んで行きます。この秘密はリンクによるホイールの動き方が障害物を避けるように一度、自転車の後方に逃げてから上に動くという所にあります。それに加えて、リアショックが完全に自転車のねじれから隔離されているので、自転車が多少ねじれてもリアショックがしっかり働いてくれます。初めて乗った時のこの走破感の衝撃はすごかったです。

高い登坂性能

そして、このリンクはなんと、登りでも仕事をします。

ひと昔のバイクでは考えられないくらい、ペダリングをしても全くと言っていいほどサスペンションが動きません。でも、下りだとちゃんと動くんです。すごく不思議。リアショックにロックアウトが付いていますが、ほとんど使ったことがありません。そのくらい登ります。それに加えて、このバイク、本当に「どこでもペダリング」できます。レースだと結構、荒れた路面をフラットペダルで漕いで、バイクがバタバタした経験がありますよね?Enduroだと、どこでも、どこまででも漕げます。体力が続くまでですが(笑)。ふじてんで例えるなら、ルーツジャンクション(根っこが多くドロップの続くコース)の最初でこげます。本当です。ここまでくると、もう何がどうなってこうなるのか、考えが追いつかないほど秀逸なことがこのリンクの中で行われています。

操作と安定のバランスの取れたジオメトリー

不思議といえば、ジオメトリー。


 

 

ジオメトリーについて少しでもかじったことがある方は多分Enduroのジオメトリーを見た時に、「ヘッド寝てるな」「チェーンステー長いな」ということを読み取ったと思います。「いままでなら」ここから読み取れるのは、直線番長で、コーナーが曲がりづらく、マニュアルができないバイク。自分も、ジオメトリーを見たときはそう思っていました。でも、このバイクにまたがり走り出すと、コーナーをひらひら曲がり、とても安定した、マニュアル(漕がずに前輪を上げる技)のできるバイクなんです。これに関してはいくら語っても、乗ることでしかわからないので、乗れる機会があれば、是非とも体験していただきたい。

調節機能

それに、Flip ChipというBBの高さを7mmとヘッド角度を0.4度が変えられる調節機能のおかげで、バイクの味付けもガラッと変えられます。

Lowモードならダウンヒルバイクのような安定感を、Hiモードならフリーライドバイクのようなコントロール感を味わえます。なので、レースのときはLowモード、トレイルやジャンプをするときはHiモードという切り替えもあり。ちなみに自分はHiモードで乗っています。(一つ、アドバイスとしてはHi/Lowを切り替えるときはハンドルの高さも5mmほど変えるのがおすすめ。)

まとめ

総括すると、トレイルやダウンヒルを難なく楽しめ、レースでも活躍でき、登りまでこなせ、その安定感からフリーライドまでできてしまうという、あらゆるダウンヒルが楽しくなるバイクです!

29インチということもあり、走破性はとんでもないです。本当にどこでも走れるように感じるので、トレイルでの目線が変わります。いろんなラインが見えるようになります。「あそこも走れそう!」「あそこは飛べそう!」なんて思えるくらいダウンヒルに余裕ができるので、MTBがさらに楽しくなることは保証します!

Enduro 、

乗ったら世界の見え方が変わること間違いなし。

Photo:©Ryuta Iwasaki

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