2016.04.06

地獄に、気軽に、出かけてみよう

この週末、私たちは真夜中に、石畳を走り抜ける選手を大はしゃぎで応援します。「北の地獄」を体験したい!... 本当に?なら探してみよう!

どこにでもある地獄

4月11日、私たちはきっと真夜中にアラームをセットし、石畳を走り抜ける選手に釘付けになるでしょう。ライダーが苦痛に顔をゆがめ、それでも栄光に向かって突進し、今年も誰かがレースを制するのです。彼らの体は、奮闘というノイズ信号を放送します。

私たちはその様子をソファー、ベッド、あるいは近くのスポーツバーで観て「パリ-ルーベ」の石畳の上で震える、すごくもあり過酷なダンスに夢中になるのです。アーレンベルグの森を彼らが突き進むにつれ、疲れ果て、ボロボロになった石畳の兵隊たちを心の中で敬い、バイクの上であれほど激しく、タフで不屈になった自分自身を思い描くのです。

そして、レースを見終えると、アドレナリン全開となり、走りたくてウズウズするのは間違いありません。しかし、アーレンベルグの石畳に行けない場合は、どうするのが最良の方法でしょうか? 簡単です。自分のパリ-ルーベを、近くに見つければ良いのです。

アーレンベルグを例にとりましょう。ここは評価が5段階中5の、3つある区間の1つ(モン・アン・ペヴェルとカルフール・ド・ラルブルが残りの2つ)で、パリ-ルーベの花火がよく上がる場所です。標高2400m、からまり合ったギザギザの石の歯が、タイヤに噛みつきます。この区間を脱すると、ビロードの上を走っているような感覚になるでしょう。

お近くにこんな通りはありますか?もしある場合は、ご自身やお友だちの記憶に残るライドができそうです。でも、評価が5以上の区間を設けないようにしましょう。パリ-ルーベですら、石畳は全体の2割を占めているだけなのです。バランスよくルートを設定しましょう。「どこにでもある地獄」は、楽しさと苦しみが同じ割合で存在しなくてはならないのです

ルート設定にあたり、いくつかのオススメ要素をご紹介します:

ひび割れた舗装

いつもなら、くぼみのあるスイスチーズそっくりの道路は避けますよね? そう、この道を敢えてルートに取り入れるのです。「凹凸あり」という標識のある交通量の少ない道路を見つけられたらしめたもの。バイクの操作能力が試されます。ライド仲間に、ご自身がまだ走ったことのない道路を知っているか聞いてみましょう。仲間に尋ねることほど、ルートの優れた調べ方はありません。そしてもちろん、インターネットにも頼りましょう。

石畳はある?

石畳をあなたのルート選択から完全に外す前に、本当にないと言い切れますか? 石畳や荒れた舗装路が未だにある街も存在します。「線路の近くに…」とまで言うつもりはありませんが、確認は済んでいますか? 街の歴史的地域あるいは昔の工業地帯を確認しましょう。例えばアメリカでは、ニューヨーク州マンハッタンの食肉加工業が栄えた地域に荒れた舗装路があり、ウォーターフロント近くのダンボ地区にもあります。

グラベル(砂利道)とは、なんて響きの良い言葉でしょう。石畳がなくても、グラベルが挑戦しがいのあるルートの代役となります。砂利の裏道や荒れた田舎道では、舗装路が断続的に現れるので、まるでパリ-ルーベのようです。プロトンは終始滑らかなビロードのような舗装路から骨まで痺れる石畳へと飛び移り、またその逆へと飛び移るからです。少なくとも2回は路面が変わるよう、ルートを設定しましょう。

ジープロード

ダートと言えば、ジープロード。ぜひ、「どこにでもある地獄」に付け足すと良いでしょう。たいてい斜度が急で荒れていて、轍、木の枝、倒木などの障害物がすでにあることが多く、運が良ければ小川を渡ることもあるはずです。お近くのジープロードを走るにあたり、合法性はしっかりと確認してから計画しましょう。

その他、考慮すべき事柄

近所を通るダート道、簡単なシングルトラック(ドロップや激しすぎるロックガーデンを除く)、橋、トンネル、裏道、廃線など、ルートを面白く、または難しくするものなら何でも検討しましょう。基本的に、わずかばかりの苦しみを、たっぷり楽しいライドに加えるものすべてです。本物そっくりにするなら、線路を越えるルートはどうでしょうか? 

適切なバイクを選ぼう

機材の選択はとても重要です。石畳とスムーズな道路を常に行ったり来たりするということは、舗装路で速く、かつ石畳で快適なバイクが必要ということ。要は、1台で複数の路面状況に対応するものです。

スペシャライズドのラインナップでは、やはりRoubaix(ルーベ)が「北の地獄」では活躍します。お近くの地獄でもきっと、心強い仲間となるはず。Roubaixをはじめ、カーボンロードバイクがさらにお求めやすくなる「Spring Special」を実施中です。

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お近くの「地獄」でも同様、ルートに合わせてバイクを選びましょう。ジープロードと小川越えがあるなら、Cruxに太めのタイヤ(トレッド付きのシクロクロス用タイヤ)を履かせると良いかもしれません。舗装路とダート道を行ったり来たりなら、ロードバイクに26Cより太いものを付けると良さそうです。

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地獄への秘密の処方箋

パリ-ルーベでバイクを任されるチームメカニックが 、石畳で使う裏技がこちら。きっとあらゆる荒れた路面でのライドに役立つでしょう。

  1. 裏技1:バーテープの二重巻き。バイクを通って手へと伝わる振動に効果的です。たとえば、エラストマーゲルを裏打ちし振動減衰効果が高いS-Wrap Roubaixバーテープはそのままでも十分なパフォーマンスを発揮しますが、二重巻きにしてさらなる快適性を得るのもひとつの案です。

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  1. 裏技2:ボトルケージ内側に滑り止めテープを貼る。荒れた路面を走ってもボトルが落ちなくなります。パリ-ルーベのようなレースでは、水分補給が不可欠ですが、ボトルが落ちてしまったら、戻って取りに行くことはできません。

  1. 裏技3:ちょうど良いあんばいのタイヤ空気圧を見つけましょう。舗装路では速く、荒れた路面ではスムーズとなる空気圧です。低すぎるとリム打ちパンクが発生し、高すぎると石畳が地獄のように感じられます。

石畳入門講座

プロが教える、あるいはプロに聞いた「パヴェ(石畳)」を上手に走るコツをお教えします。お近くの「地獄」で、気軽に試してみましょう。

■ コツ1: 速く走ろう

石畳区間に突入するとき、加速こそが相棒となります。スピードを維持するようにすれば、凹凸の上で「浮かぶ(笑)」役に立ちます。信じられませんか? トム・ボーネンはどのように走っているでしょうか?

「石畳はバイクにへばりつくような効果がある。スピードが奪われるので、凹凸に差し掛かるときは必ず、乗り越えるエネルギーが必要となるんだ。速度を上げるのが楽になればなるほど、最終的に楽になる。誰よりもエネルギーを残しておけるのさ」

■ コツ2: 正しいラインを選ぼう

最も隆起した場所を走りましょう。これは、自動車(パリ-ルーベではトラクター)による路面への損傷が最も少ない道路の真ん中のことです。真ん中の状況も悪ければ、終始ラインを変えて、ベストのものを探す必要があります。ここでアスタナのラース・ボームに、石畳でのライン選びに関する知恵を少しだけ教えてもらいましょう。

「集団内にいるときは、前を走るライダーの動きを常に注視している。彼らの体がわずかに上下に動いたときは、穴か石畳の区間が見えるんだ。ライダーに動きがあるときは、必ずそれに従うようにする。穴があれば少しジャンプする。常に石畳に合わせて調整するのさ」

■ コツ3: 内なるシクロクロス魂を呼び起そう

さらにボームは、常なる進路変更をシクロクロスのレースに例え、それが石畳で役に立っていると考えます。「特に泥の中でシクロクロスのレースをするときは、常に進路を変えなくてはならない。僕が石畳での走行に自信があるのは、シクロクロスはバイクで常に戦い、石畳もそのような状況に似ているからだよ」

エティックス-クイックステップのズデネク・シュティバルは、この意見に賛同し、こう付け加えます。「本当にデコボコだけど、シクロクロスのおかげで慣れっこだよ。もしかしたらそれが理由で、ゴールのためにエネルギーを節約できるのかもね」

プロがルーベですること--正しいライン選び、適切な速度と推進力の維持、高いバイク操作技術で障害物を回避--は、私たちが普段走る環境にも適用できます。石畳は、荒れた路面の極端な例でしかないのです。

仕上げのチェックリスト

2種類以上の路面を含むルートを設定すること。パリ-ルーベではパヴェと舗装路が常に交互に現れます。両者を混ぜることで、面白いルートにしましょう。少なくとも1つの難所を設定すること。急な登り坂? 小川越え? 評価が5相当のものを採用してください。難しさ、凹凸路面、とてつもない楽しさを含むよう、ルートの長さを調整すること。覚えておきましょう。辛さと同じ分だけ、バイクに乗る楽しみが必要です。ご自身の作るルートが苦しみを報いる最高の形で終わるようにしましょう。

また、おバカなライドは友だちとやってこそ。ぜひ参加者を増やしてください。あなたのモットーを『フォリ・ア・ドゥ(2人狂い)』にしましょう。フォリ・ア・トロワ(3人)ならなお良く、フォリ・ア・サンク(5人)なら最高です!パリ-ルーべは消耗戦ですが、あなたのルートが脱落者を出さないようにしましょう。写真を撮り、楽しんで走ることをお忘れなく。

さぁ、週末が待ち遠しいですね!

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