寿司ドラゴンこと小林 海(まりの)選手、スペシャライズドのRETUL FITを体験!

2019/12/23

寿司ドラゴンこと小林 海(まりの)選手、スペシャライズドのRETUL FITを体験!

RETUL FIT(リトュールフィット)を受けに来られた小林海選手。フィッティングやレースのこと、そして気になるプライベートまで、たっぷり語っていただきました。

■はじめまして、寿司ドラゴン!
「寿司ドラゴン」というユニークなニックネームと陽気なキャラで知られる小林選手はスペイン人の父、日本人の母を持つ千葉県浦安市出身の25歳。2016年U23ロード・TT全日本王者であり、2017年・2018年はNIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ(当時)、2019年からはルーマニア籍のUCIコンチネンタルチーム、ジョッティヴィクトリア・パロマーに所属している。
ヨーロッパのレースを走る数少ない日本人の一人である小林選手は、短いオフシーズンの真っ最中。日本に帰国し、来季に向けたトレーニングに励んでいる。そして更に、バイクを乗りこなすためにスペシャライズドのフィッティング「RETÜL FIT」を受けることを決めた。RETÜL FIT当日、スペシャライズド本社を訪れた小林選手のインタビューをお届けする。

■「RETÜL FIT」とは
インタビューの前にスペシャライズド独自のフィッティング、「RETÜL FIT」について紹介しよう。
フィッティングとは、乗り手の身体を評価して、それに合わせて自転車をセッティングすることである。一方、乗り手のスキル向上やトレーニングを要する範ちゅうはコーチングである。RETÜL FITでは両者を明確に分けて位置づけ、サービスを提供している。正しいポジションで自転車に乗ることで、乗り手の力を効率よく自転車に伝え、より速く走ることができるようになる。また、怪我や痛みなどのトラブル回避にも繋がる。だからプロの自転車選手はもちろん、一般のライダーにもフィッティングは欠かせない。


フィッティングにあたって、フィッターはライダーの体の可動域や柔軟性などを細かく確認していく。


スペシャライズドのRETÜL FITは、人間工学に基づいた医学的な見地と、医療用グレードのLED受光器をもとにした3Dモーションキャプチャーによって精密に計測されるデータを高い次元で融合させたフィッティングメソッドだ。実際にフィッティングを行うのはトレーニングを受けたプロのフィッター。関節の可動域を評価し た後、乗車中の可動域をパソコン上でモニタリング、再現しながら、最終的にライダーとのコミュニケーションを通じてポジションを一緒に作り上げていく。



3Dモーションキャプチャーシステムで、3軸方向からペダリング中のライダーの体の動きをリアルタイムで測定。身体評価(アセスメント)をサドル上で再現できているかが基本的なプロセス。その上で一人ひとりに最適なポジションを導き出していく。

プロ選手から一般のライダーまで、これまで計測したデータは全てシステムに蓄積されており、スペシャライズドのバイクやサドル、シューズなどの開発にも役立てられている。RETÜL FITは「ライダーファースト(乗り手最優先)」を掲げるスペシャライズドの根幹をなすシステムとも言えるだろう。

RETÜL FIT実施店舗をチェックする>
RETÜL FITについて詳しく>
RETÜL.comはこちらから>

■小林海 meets RETÜL FIT
―フィッティングお疲れ様でした!早速ですが、今回RETÜL FITを受けられたきっかけを教えていただけますか。
―昨シーズンから今年にかけてあまり調子が振るわず、落車で何度か大きな怪我をしてしまいました。自転車に対する不安要素があり、そのことを競技全般と活動をサポートしてもらっているコーチの武井きょうすけさんに相談して、フィッティングを受けることを決めました。
ヨーロッパでは日本よりフィッティングが盛んで、元プロ選手がフィッターをしたりしています。みんな結構受けていますよ。プロ選手はフィッティングを大事に考えていますね。特に僕は計測してデータを取るのが好きなんです。


フィッティングはフィッターとライダーとの共同作業。じっくりコミュニケーションを取りながら進めていく。
 

―フィッターと一緒に綿密にポジションを確認されていましたよね。どんな変化がありましたか。
―サドルを変えて、位置を後退させて…ハンドルも高くなったと思います。クリート位置も変えました。
それから今回のフィッティングで提案してもらったこのサドル、いいなあと思っています。すごく好きですね。
機材は大きく変えたいわけではないですが、信頼している人が薦めてくれるものは試すようにしています。柔軟に対応していきたい。こだわりがあるのは軽さですね。全てにおいて軽い方がいいです。



小林選手がお気に入りだというPhenom Expertはマウンテンバイクにも使われるモデル。ペダリング効率と快適性を両立し、小林選手こだわりの軽さにも優れる。ドゥクーニンク・クイックステップのファビオ・ヤコブセン(オランダ)やカスパー・アスグリーン(デンマーク)など、ワールドツアーチーム選手も愛用する逸品だ。

―スペシャライズドのサドルを気に入っていただけて嬉しいです。今回のフィッティングでチューンナップしたバイクには、いつから乗られる予定ですか。
―100%忠実に、フレームサイズも変えて…となるともう少し先ですが、明日には乗り始める予定です。
荒川サイクリングロードを結構走っていますよ。トレーニング量を増やして乗り込むときは埼玉の方に行きます。


―荒川や埼玉は一般のライダーの方も多く走られるスポットですね。赤いFOCUSを見かけたら、それは小林選手かもしれませんね!

―機材の話をもう少し続けますね。プロレースでもディスクブレーキが普及してきましたが、小林選手はディスクブレーキモデルのロードバイクには乗られたことはありますか。また、何かディスクブレーキに対するイメージなどはありますか。
―チームがリムブレーキを使用しているので、ディスクブレーキのロードバイクに乗ったことはないんです。ヨーロッパのコンチネンタルチームはメカニックの人数も少ないですし、導入はもう少し先になると思います。
僕自身はディスクブレーキには前向きです。シクロクロスバイクはディスクブレーキですが、結構いいですね。


オフシーズンにはシクロクロスを走る小林選手。Raphaスーパークロス野辺山でも熱い走りを披露した。Photo:© Aya Ikeda

■自転車選手としてのスタートと、これまでのキャリア
―小林選手が自転車競技を始めたきっかけは、2つあると聞いています。1つはダイエットのため。もう1つはスペインの新聞に書いてあったのですが、2009年、15歳の時父親と観に行ったツアー・オブ・ジャパン最終ステージでインスピレーションを受けたと。
―そんなことが新聞に書いてあったんですか。確かに父親が自転車レースをやっていたので、自転車は身近で、好きだったし面白いなと思っていましたね。
でも、ちゃんと乗り始めたのはダイエットのためです。ある期間で太ったんですよ。ヤバイ、これじゃあダサいなと思って(笑)
17歳の終わりくらいから乗り始めて、食事管理とウェイトトレーニングも一緒にやって、3〜4ヶ月くらいで20sくらい痩せました。ダイエットを達成した後、近くで真面目にやっているチームを探して、競技として自転車を始めたんです。

―そこからスペインに行かれたんですよね。19歳の時に2ヶ月滞在されたんでしたっけ。
―U23の1年目の夏に行きました。父親の親戚の家に泊まって、知り合いに助けてもらったりしながらレースに行って…そこで打ちのめされました。もう、打ちのめされるどころじゃないですね。全然レベルが違うんです。



フィッターがシステムにデータを入力している様子を真剣な表情で見守る小林選手。自転車に向き合う姿勢は真剣そのもの。
 

それで、僕はもうスペインでやるしかないと思って、U23の2年目から本格的に移住しました。
スペインでは自転車がメジャー競技なので、すごく層が厚いんですよ。プロに上がっていく強い人が多い。そういう人達とレースを走りました。勝てるようになったのは、U23の3、4年目くらいからです。大きなステージレースでも結構いい成績で走ることができて、4年目には日本ナショナルチームにも呼ばれるようになりました。
実はU23の4年目序盤は不調だったんです。骨折もして、でも復帰戦で全日本を勝ちました。その後も好調で、それでNIPPOのトレーニーになったんです。

―2016年はU23全日本U23ロード・タイムトライアルのWチャンピオン、その後NIPPOへのトレーニー加入と、とても印象的なシーズンでした。スペインでの経験が活きたのでしょうか。
―スペインでは周りが強かったから、もう必死でした。僕にとっての基準がそこだったので、引き上げられたというのはありますね。ヨーロッパって、日本人にとってはアウェイじゃないですか。だから居心地のいい日本人同士で固まってしまったりすることもあると思うんです。でも僕は単身でスペインに渡ったから、周りはヨーロッパの強い人ばかり。そういった輪の中にいたからうまくいったんだろうな、とは思っていますね。



フィッティング後にインタビューに応じてくれた小林選手。SNSでおなじみのコミカルなキャラも魅力的だが、インタビューでは熱く真摯に語る姿を見せてくれた。
ちなみにニックネームの「寿司ドラゴン」は友人同士の真夜中のテンションの中で生まれたそう。

 

―日本人がヨーロッパで自転車選手として戦い、結果を出していくのは大変なことだと思います。言語の問題もあるのでしょうか。
―実は僕、スペイン語をちゃんと勉強したことはないんです。喋れるだろうと思われるかもしれませんが、家で父親と喋っているのと、現地で話すのとは全然違います。言葉遣いが全く違うんですよ。例えば外国で日本語を勉強してきた人が日本に来て、僕が友達と普通に喋っている言葉を聞いたら、何にもわからないと思うんですよね。それと同じです。
だから言語は覚えられたらいいとは思いますが、それよりも人の輪に入っていくことの方が大事ですね。

―小林選手は人の輪に入っていくのが上手そうですよね。今のチーム、ジョッティヴィクトリア・パロマーはどんな雰囲気なんですか。コミュニケーションは英語でしょうか。
―いえ、チーム内のコミュニケーションはイタリア語です。スペイン語と似ていますし、今はイタリアに住んでいるので、だいぶ覚えました。
僕はチームの雰囲気と成績は直結すると思っていますが、うちのチームはすごく良い雰囲気ですね。
監督は頭が良く、そして良い意味で放任主義。今の時代、選手には個々にトレーナーやコーチが付いていますから、みんなで集まって練習というのはあまりしない。でも、レースの時にはうまく戦略を立ててくれます。僕らとのコミュニケーションを通じて、選手の状況を把握しているんですね。

―小林選手にもトレーナーやコーチがいらっしゃいますもんね。SNSでよく拝見するオフバイクのトレーニングについて教えて下さい。どんなことをされているんでしょうか。トレーナーさんと一緒にされているのですよね。
―全身のウェイトトレーニングと、それとパワーマックスという固定の自転車みたいなやつで、個別のメニューをやっています。今まではウェイトの後にパワーマックスでしたが、来季に向けてパワーマックスが先、ウェイトが後になりました。それがもう、すごく辛いです…今日もこれから行きますが、トレーナーの土居先生にいじめられると思うと気分が憂鬱です(笑)

全力トレーニングの様子をSNSでアップしてくれる小林選手。激しい追い込み具合にプロのトレーニングの厳しさが垣間見える

―聞いているだけで大変そうなトレーニングです!トレーニングをすることによって、変化はありましたか。
―ちょうど1年前くらいから始めたんですが、筋肉がしっかり付いたと思います。体は少し重くなりましたが、出力も増えていますし、体重が減りすぎてシーズン中に息切れしてしまうようなこともなく、全体的なパフォーマンスとしては良かったですね。これからも続けますよ。

■今後の目標、そして気になるプライベート
―来年の目標について伺います。今年初出場で総合8位だったツアー・オブ・ジャパンには、来年出場されるのでしょうか。
―来年、ツアー・オブ・ジャパンで総合表彰台に乗りたいです。全日本は勝ちたい。絶対に勝ちたいです。

―それは楽しみです。応援しています!他に、これから出てみたいレースはありますか。
―新しく出てみたいレースはあんまりないかな。何回か出たレースにもう一度戻って、きちんと結果を出していきたいですね。
これまで走って好きなレースは結構あるんですよ。プロとして最初に走ったブエルタ・ア・ブルゴスは、コースもいいし、よくオーガナイズされているところが好きですね。アムステルゴールドレースもいいですね。僕、オランダのああいうくねくねした道とアップダウンがあるコースが好きなんです。
それから、イタリアのジロ・デ・エミリア。すごく好きです。HCカテゴリですが、サンルーカの登りの周回、観客を含めたあの特別な雰囲気はワールドツアーにも負けません。歴史も含めて、素晴らしいレースだと思います。


小林選手お気に入りのジロ・デ・エミリア名物サンルーカ聖母教会への登りは、今年のジロ・デ・イタリア初日の個人タイムトライアルのコースとしても使用された。回廊に詰めかけた観客達の熱気が伝わってくる。© 2019 Getty Images

―目標つながりの質問になりますが、目標とする選手、尊敬している選手はいますか。
―目標とする選手は特にいないですね。人は自分とは違うので、目標にしても…という感じです。尊敬している選手は難しいですが、国内の選手だと増田成幸選手(宇都宮ブリッツェン)ですね。長い期間にわたってモチベーションを保ち、自分の足りないところを改善して、年々強くなって、そして今も本当に強い。僕は選手として、1日ごと、1年ごと、きちんとした結果を残していきたいと考えていますが、それを実現しているような選手だと思うので、リスペクトしています。

同じくリスペクトしているのは小石祐馬選手(チーム右京)。僕より1歳上で、U23の時アジア選手権や全日本のTTも勝っています。NIPPOでチームメイトでしたし、日本では一番の仲のいい選手です。日本にいる時は毎日ほぼ一緒に練習しています。お互いトレーニング好きなので、情報交換も結構していますね。

―自転車から少し離れますが、レースを離れて気分転換する時は、どんなことをされますか。お気に入りの本や映画があれば教えて下さい。
―映画だと、大好きなのはロード・オブ・ザ・リング。もう、何回も観ましたね。観ると色々思い出します。競技を始めた頃のこととか…初心に帰るって感じですかね。

それからこのネックレス、ロード・オブ・ザ・リングと同じ文字が入っているんですよ。常に人は誘惑されているってことを忘れないように付けています。もう、誘惑に負けまくっているので(笑)
あっ、シーズン中はちゃんとしていますよ!飲みに行くのも大好きですが、メリハリをつけて飲みます。



4〜5年身に付けているというネックレスはロード・オブ・ザ・リングの指輪を加工したもの。曲を聴いただけで映画のどの場面がわかって、泣ける程大好きな映画だそう。
 

―ロード・オブ・ザ・リングがお好きというのは初耳でした!最後に、小林選手と同じく世界を目指す若い日本人ライダーと日本のファンの皆さんに一言お願いします。
―あまり人にアドバイスする立場でもないですが、プロの自転車選手を目指すなら、自分で考えることが大事ですね。人によって何がいいかは違いますし、誰かに何か言われた時、自分にとっていいことなのか、向上するために必要なことなのか、しっかり考えるのがいいんじゃないかと思います。
あとは、焦らず、楽しく。みんな、好きで競技をやっていると思うので。本当に嫌になったらやめちゃえばいいですから(笑)
ファンの皆さんとは普段レース会場で会ったり、SNSで交流したりしていますが、こうやって改まると難しいですね…良い時も悪い時も、変わらず応援して下さい。ありがとうございます。このくらいですね。

―ありがとうございました。小林選手はレース観戦もお好きだということで、タイミングが合えばスペシャライズドのお店でファンの皆さんとの交流を兼ねてライブビューイングの解説をお願いしたいです(笑)
これからのご活躍を応援しています!頑張って下さい。

 

質問ひとつひとつに丁寧に回答して下さった小林選手。SNSで拝見するコミカルなイメージとは一味違う、真摯でストイックな受け答えが印象的でした。
来季に向けてモチベーションは十分。RETÜL FITを味方につけて、更なる活躍を見せてくれるはずです。

RETÜL FIT実施店舗をチェックする>
RETÜL FITについて詳しく>
RETÜL.comはこちらから>

【文章協力】池田 綾(アヤフィリップ)
サイクリングライター。小林選手とは今年のジャパンカップで少しだけお話する機会があったのですが、SNSで拝見する通りの気取らないナイスガイでした!クレバーかつ熱い一面も魅力的な選手です。

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2019/12/23

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RETUL FIT(リトュールフィット)を受けに来られた小林海選手。フィッティングやレースのこと、そして気になるプライベートまで、たっぷり語っていただきました。

寿司ドラゴンこと小林 海(まりの)選手、スペシャライズドのRETUL FITを体験!

■はじめまして、寿司ドラゴン!
「寿司ドラゴン」というユニークなニックネームと陽気なキャラで知られる小林選手はスペイン人の父、日本人の母を持つ千葉県浦安市出身の25歳。2016年U23ロード・TT全日本王者であり、2017年・2018年はNIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ(当時)、2019年からはルーマニア籍のUCIコンチネンタルチーム、ジョッティヴィクトリア・パロマーに所属している。
ヨーロッパのレースを走る数少ない日本人の一人である小林選手は、短いオフシーズンの真っ最中。日本に帰国し、来季に向けたトレーニングに励んでいる。そして更に、バイクを乗りこなすためにスペシャライズドのフィッティング「RETÜL FIT」を受けることを決めた。RETÜL FIT当日、スペシャライズド本社を訪れた小林選手のインタビューをお届けする。

■「RETÜL FIT」とは
インタビューの前にスペシャライズド独自のフィッティング、「RETÜL FIT」について紹介しよう。
フィッティングとは、乗り手の身体を評価して、それに合わせて自転車をセッティングすることである。一方、乗り手のスキル向上やトレーニングを要する範ちゅうはコーチングである。RETÜL FITでは両者を明確に分けて位置づけ、サービスを提供している。正しいポジションで自転車に乗ることで、乗り手の力を効率よく自転車に伝え、より速く走ることができるようになる。また、怪我や痛みなどのトラブル回避にも繋がる。だからプロの自転車選手はもちろん、一般のライダーにもフィッティングは欠かせない。


フィッティングにあたって、フィッターはライダーの体の可動域や柔軟性などを細かく確認していく。


スペシャライズドのRETÜL FITは、人間工学に基づいた医学的な見地と、医療用グレードのLED受光器をもとにした3Dモーションキャプチャーによって精密に計測されるデータを高い次元で融合させたフィッティングメソッドだ。実際にフィッティングを行うのはトレーニングを受けたプロのフィッター。関節の可動域を評価し た後、乗車中の可動域をパソコン上でモニタリング、再現しながら、最終的にライダーとのコミュニケーションを通じてポジションを一緒に作り上げていく。



3Dモーションキャプチャーシステムで、3軸方向からペダリング中のライダーの体の動きをリアルタイムで測定。身体評価(アセスメント)をサドル上で再現できているかが基本的なプロセス。その上で一人ひとりに最適なポジションを導き出していく。

プロ選手から一般のライダーまで、これまで計測したデータは全てシステムに蓄積されており、スペシャライズドのバイクやサドル、シューズなどの開発にも役立てられている。RETÜL FITは「ライダーファースト(乗り手最優先)」を掲げるスペシャライズドの根幹をなすシステムとも言えるだろう。

RETÜL FIT実施店舗をチェックする>
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■小林海 meets RETÜL FIT
―フィッティングお疲れ様でした!早速ですが、今回RETÜL FITを受けられたきっかけを教えていただけますか。
―昨シーズンから今年にかけてあまり調子が振るわず、落車で何度か大きな怪我をしてしまいました。自転車に対する不安要素があり、そのことを競技全般と活動をサポートしてもらっているコーチの武井きょうすけさんに相談して、フィッティングを受けることを決めました。
ヨーロッパでは日本よりフィッティングが盛んで、元プロ選手がフィッターをしたりしています。みんな結構受けていますよ。プロ選手はフィッティングを大事に考えていますね。特に僕は計測してデータを取るのが好きなんです。


フィッティングはフィッターとライダーとの共同作業。じっくりコミュニケーションを取りながら進めていく。
 

―フィッターと一緒に綿密にポジションを確認されていましたよね。どんな変化がありましたか。
―サドルを変えて、位置を後退させて…ハンドルも高くなったと思います。クリート位置も変えました。
それから今回のフィッティングで提案してもらったこのサドル、いいなあと思っています。すごく好きですね。
機材は大きく変えたいわけではないですが、信頼している人が薦めてくれるものは試すようにしています。柔軟に対応していきたい。こだわりがあるのは軽さですね。全てにおいて軽い方がいいです。



小林選手がお気に入りだというPhenom Expertはマウンテンバイクにも使われるモデル。ペダリング効率と快適性を両立し、小林選手こだわりの軽さにも優れる。ドゥクーニンク・クイックステップのファビオ・ヤコブセン(オランダ)やカスパー・アスグリーン(デンマーク)など、ワールドツアーチーム選手も愛用する逸品だ。

―スペシャライズドのサドルを気に入っていただけて嬉しいです。今回のフィッティングでチューンナップしたバイクには、いつから乗られる予定ですか。
―100%忠実に、フレームサイズも変えて…となるともう少し先ですが、明日には乗り始める予定です。
荒川サイクリングロードを結構走っていますよ。トレーニング量を増やして乗り込むときは埼玉の方に行きます。


―荒川や埼玉は一般のライダーの方も多く走られるスポットですね。赤いFOCUSを見かけたら、それは小林選手かもしれませんね!

―機材の話をもう少し続けますね。プロレースでもディスクブレーキが普及してきましたが、小林選手はディスクブレーキモデルのロードバイクには乗られたことはありますか。また、何かディスクブレーキに対するイメージなどはありますか。
―チームがリムブレーキを使用しているので、ディスクブレーキのロードバイクに乗ったことはないんです。ヨーロッパのコンチネンタルチームはメカニックの人数も少ないですし、導入はもう少し先になると思います。
僕自身はディスクブレーキには前向きです。シクロクロスバイクはディスクブレーキですが、結構いいですね。


オフシーズンにはシクロクロスを走る小林選手。Raphaスーパークロス野辺山でも熱い走りを披露した。Photo:© Aya Ikeda

■自転車選手としてのスタートと、これまでのキャリア
―小林選手が自転車競技を始めたきっかけは、2つあると聞いています。1つはダイエットのため。もう1つはスペインの新聞に書いてあったのですが、2009年、15歳の時父親と観に行ったツアー・オブ・ジャパン最終ステージでインスピレーションを受けたと。
―そんなことが新聞に書いてあったんですか。確かに父親が自転車レースをやっていたので、自転車は身近で、好きだったし面白いなと思っていましたね。
でも、ちゃんと乗り始めたのはダイエットのためです。ある期間で太ったんですよ。ヤバイ、これじゃあダサいなと思って(笑)
17歳の終わりくらいから乗り始めて、食事管理とウェイトトレーニングも一緒にやって、3〜4ヶ月くらいで20sくらい痩せました。ダイエットを達成した後、近くで真面目にやっているチームを探して、競技として自転車を始めたんです。

―そこからスペインに行かれたんですよね。19歳の時に2ヶ月滞在されたんでしたっけ。
―U23の1年目の夏に行きました。父親の親戚の家に泊まって、知り合いに助けてもらったりしながらレースに行って…そこで打ちのめされました。もう、打ちのめされるどころじゃないですね。全然レベルが違うんです。



フィッターがシステムにデータを入力している様子を真剣な表情で見守る小林選手。自転車に向き合う姿勢は真剣そのもの。
 

それで、僕はもうスペインでやるしかないと思って、U23の2年目から本格的に移住しました。
スペインでは自転車がメジャー競技なので、すごく層が厚いんですよ。プロに上がっていく強い人が多い。そういう人達とレースを走りました。勝てるようになったのは、U23の3、4年目くらいからです。大きなステージレースでも結構いい成績で走ることができて、4年目には日本ナショナルチームにも呼ばれるようになりました。
実はU23の4年目序盤は不調だったんです。骨折もして、でも復帰戦で全日本を勝ちました。その後も好調で、それでNIPPOのトレーニーになったんです。

―2016年はU23全日本U23ロード・タイムトライアルのWチャンピオン、その後NIPPOへのトレーニー加入と、とても印象的なシーズンでした。スペインでの経験が活きたのでしょうか。
―スペインでは周りが強かったから、もう必死でした。僕にとっての基準がそこだったので、引き上げられたというのはありますね。ヨーロッパって、日本人にとってはアウェイじゃないですか。だから居心地のいい日本人同士で固まってしまったりすることもあると思うんです。でも僕は単身でスペインに渡ったから、周りはヨーロッパの強い人ばかり。そういった輪の中にいたからうまくいったんだろうな、とは思っていますね。



フィッティング後にインタビューに応じてくれた小林選手。SNSでおなじみのコミカルなキャラも魅力的だが、インタビューでは熱く真摯に語る姿を見せてくれた。
ちなみにニックネームの「寿司ドラゴン」は友人同士の真夜中のテンションの中で生まれたそう。

 

―日本人がヨーロッパで自転車選手として戦い、結果を出していくのは大変なことだと思います。言語の問題もあるのでしょうか。
―実は僕、スペイン語をちゃんと勉強したことはないんです。喋れるだろうと思われるかもしれませんが、家で父親と喋っているのと、現地で話すのとは全然違います。言葉遣いが全く違うんですよ。例えば外国で日本語を勉強してきた人が日本に来て、僕が友達と普通に喋っている言葉を聞いたら、何にもわからないと思うんですよね。それと同じです。
だから言語は覚えられたらいいとは思いますが、それよりも人の輪に入っていくことの方が大事ですね。

―小林選手は人の輪に入っていくのが上手そうですよね。今のチーム、ジョッティヴィクトリア・パロマーはどんな雰囲気なんですか。コミュニケーションは英語でしょうか。
―いえ、チーム内のコミュニケーションはイタリア語です。スペイン語と似ていますし、今はイタリアに住んでいるので、だいぶ覚えました。
僕はチームの雰囲気と成績は直結すると思っていますが、うちのチームはすごく良い雰囲気ですね。
監督は頭が良く、そして良い意味で放任主義。今の時代、選手には個々にトレーナーやコーチが付いていますから、みんなで集まって練習というのはあまりしない。でも、レースの時にはうまく戦略を立ててくれます。僕らとのコミュニケーションを通じて、選手の状況を把握しているんですね。

―小林選手にもトレーナーやコーチがいらっしゃいますもんね。SNSでよく拝見するオフバイクのトレーニングについて教えて下さい。どんなことをされているんでしょうか。トレーナーさんと一緒にされているのですよね。
―全身のウェイトトレーニングと、それとパワーマックスという固定の自転車みたいなやつで、個別のメニューをやっています。今まではウェイトの後にパワーマックスでしたが、来季に向けてパワーマックスが先、ウェイトが後になりました。それがもう、すごく辛いです…今日もこれから行きますが、トレーナーの土居先生にいじめられると思うと気分が憂鬱です(笑)

全力トレーニングの様子をSNSでアップしてくれる小林選手。激しい追い込み具合にプロのトレーニングの厳しさが垣間見える

―聞いているだけで大変そうなトレーニングです!トレーニングをすることによって、変化はありましたか。
―ちょうど1年前くらいから始めたんですが、筋肉がしっかり付いたと思います。体は少し重くなりましたが、出力も増えていますし、体重が減りすぎてシーズン中に息切れしてしまうようなこともなく、全体的なパフォーマンスとしては良かったですね。これからも続けますよ。

■今後の目標、そして気になるプライベート
―来年の目標について伺います。今年初出場で総合8位だったツアー・オブ・ジャパンには、来年出場されるのでしょうか。
―来年、ツアー・オブ・ジャパンで総合表彰台に乗りたいです。全日本は勝ちたい。絶対に勝ちたいです。

―それは楽しみです。応援しています!他に、これから出てみたいレースはありますか。
―新しく出てみたいレースはあんまりないかな。何回か出たレースにもう一度戻って、きちんと結果を出していきたいですね。
これまで走って好きなレースは結構あるんですよ。プロとして最初に走ったブエルタ・ア・ブルゴスは、コースもいいし、よくオーガナイズされているところが好きですね。アムステルゴールドレースもいいですね。僕、オランダのああいうくねくねした道とアップダウンがあるコースが好きなんです。
それから、イタリアのジロ・デ・エミリア。すごく好きです。HCカテゴリですが、サンルーカの登りの周回、観客を含めたあの特別な雰囲気はワールドツアーにも負けません。歴史も含めて、素晴らしいレースだと思います。


小林選手お気に入りのジロ・デ・エミリア名物サンルーカ聖母教会への登りは、今年のジロ・デ・イタリア初日の個人タイムトライアルのコースとしても使用された。回廊に詰めかけた観客達の熱気が伝わってくる。© 2019 Getty Images

―目標つながりの質問になりますが、目標とする選手、尊敬している選手はいますか。
―目標とする選手は特にいないですね。人は自分とは違うので、目標にしても…という感じです。尊敬している選手は難しいですが、国内の選手だと増田成幸選手(宇都宮ブリッツェン)ですね。長い期間にわたってモチベーションを保ち、自分の足りないところを改善して、年々強くなって、そして今も本当に強い。僕は選手として、1日ごと、1年ごと、きちんとした結果を残していきたいと考えていますが、それを実現しているような選手だと思うので、リスペクトしています。

同じくリスペクトしているのは小石祐馬選手(チーム右京)。僕より1歳上で、U23の時アジア選手権や全日本のTTも勝っています。NIPPOでチームメイトでしたし、日本では一番の仲のいい選手です。日本にいる時は毎日ほぼ一緒に練習しています。お互いトレーニング好きなので、情報交換も結構していますね。

―自転車から少し離れますが、レースを離れて気分転換する時は、どんなことをされますか。お気に入りの本や映画があれば教えて下さい。
―映画だと、大好きなのはロード・オブ・ザ・リング。もう、何回も観ましたね。観ると色々思い出します。競技を始めた頃のこととか…初心に帰るって感じですかね。

それからこのネックレス、ロード・オブ・ザ・リングと同じ文字が入っているんですよ。常に人は誘惑されているってことを忘れないように付けています。もう、誘惑に負けまくっているので(笑)
あっ、シーズン中はちゃんとしていますよ!飲みに行くのも大好きですが、メリハリをつけて飲みます。



4〜5年身に付けているというネックレスはロード・オブ・ザ・リングの指輪を加工したもの。曲を聴いただけで映画のどの場面がわかって、泣ける程大好きな映画だそう。
 

―ロード・オブ・ザ・リングがお好きというのは初耳でした!最後に、小林選手と同じく世界を目指す若い日本人ライダーと日本のファンの皆さんに一言お願いします。
―あまり人にアドバイスする立場でもないですが、プロの自転車選手を目指すなら、自分で考えることが大事ですね。人によって何がいいかは違いますし、誰かに何か言われた時、自分にとっていいことなのか、向上するために必要なことなのか、しっかり考えるのがいいんじゃないかと思います。
あとは、焦らず、楽しく。みんな、好きで競技をやっていると思うので。本当に嫌になったらやめちゃえばいいですから(笑)
ファンの皆さんとは普段レース会場で会ったり、SNSで交流したりしていますが、こうやって改まると難しいですね…良い時も悪い時も、変わらず応援して下さい。ありがとうございます。このくらいですね。

―ありがとうございました。小林選手はレース観戦もお好きだということで、タイミングが合えばスペシャライズドのお店でファンの皆さんとの交流を兼ねてライブビューイングの解説をお願いしたいです(笑)
これからのご活躍を応援しています!頑張って下さい。

 

質問ひとつひとつに丁寧に回答して下さった小林選手。SNSで拝見するコミカルなイメージとは一味違う、真摯でストイックな受け答えが印象的でした。
来季に向けてモチベーションは十分。RETÜL FITを味方につけて、更なる活躍を見せてくれるはずです。

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RETÜL FITについて詳しく>
RETÜL.comはこちらから>

【文章協力】池田 綾(アヤフィリップ)
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