ブエルタ・ア・エスパーニャが閉幕。 アスタナ サイクリングチームのファビオ・アルが初のグランツール総合優勝を果たしました。
アルは、21ステージ中6ステージでレッドジャージを着て優勝しました。また、ラファウ・マイカもアルから約1分半の遅れで総合3位となり、表彰台に上りました。
ヴィンチェンツォ・ニバリやペーター・サガンらが早々に姿を消す波乱に満ちた2015年最後のグランツールは、若手選手の活躍が目立ちました。
(9月15日追記:上の動画を追加しました)
この70回目のブエルタ・ア・エスパーニャは、総走行距離が3,358.1kmになり、昨年大会と比べて118.2km長く、またスプリンターにとってはチャンスの少ない、山岳ステージに重きが置かれたレースとなりました。上りの総距離は、昨年よりも約44km長い390kmと過酷なものになり、獲得標高は46,000mとなりました。
以下の分析(CLIMBS LAST WEEK)は主に、第18と20ステージの登りに着目したものです。正確に比較するため、両ステージの勾配が緩い最初の区間は除き、最終5kmの坂のみが考慮されています。
これらの登りでの差はごく僅かとなりました。プエルト・デ・ラ・ケセラでは、ファビオ・アルとトム・デュムランの絶え間ないアタックにより、高速かつなかなかの登り平均速度となりました。対するプエルト・デ・コトスでは、選手はより徹底的に乗りました。残り50kmでのAstana Pro Teamによるアタック後、キンタナとマイカが最速ペース(時間)で走ったライダーとなりました。
次のグラフは個人タイムトライアルを比較しています。ステージ優勝したデュムランのタイムを各区間での基準とし、これら区間での他の優勝候補とのタイム差を示しました。
デュムランがどの区間でもライバルに勝っていたのは明らかです。最初の2区間でのタイム差は大きいですが、1kmの登りとなった最後の区間では、登りの得意な選手が優れた追い上げを見せています。
しかし、ファビオ・アルーに着目すれば、第1区間で44秒遅れ、第2区間で60秒遅れとなったものの、第3区間では8秒遅れまで追い上げました。上りから平地まで、多様なコンディションで他を圧倒できるだけの能力を持つアルの強さが伺えます。
熾烈な争いとなったブエルタを振りかえる、キーとなる数字はこちら:
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