個人的な感想ですが、ロードバイク用MTB用ともにスペシャライズドのグローブは最高です。Body Geometry グローブについて、SBCU先生に聞いてみた!
「Body Geometry(ボディージオメトリー)・グローブ」は、ロードバイク乗り、マウンテンバイク乗り、あるいはサイクリングを楽しむライトユーザーを含むすべての自転車ラブな方にとって、もっとも手軽に導入できるBody Geometryプロダクツと言えるでしょう。知識の泉であるSBCU先生こと、渡辺孝二(わたなべ・こうじ)さんにネホリハホリ聞くシリーズですが、今回はSBCU先生が出鼻をくじく元も子もない発言!?――いいえ、そこに本質があったんです。
SBCU先生とは? >
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個人的な話で申し訳ないんですが、私が初めて購入したBody Geometry製品が、グローブだったんです。もう、十数年前の話です。以後、いくつも購入してきて、その都度「あ、前より良くなってる!」と感じるんです。足りないところがあると感じるわけでもないのに関わらず、です。
「そうですか、ありがとうございます!実は私、個人的にはあまりグローブって使わないんですよ」
はい?
話を聞いていたマーケティング担当者も『渡辺さんは本当にグローブしないですよね〜。先日だって寒かったのに』と言うではありませんか。
まぁ、でもプロのレースとか見ていても素手の選手って見かけますよね。
「理想を言えば、グローブを使わなくてもライドできるほうが良いんです。落車時の手の保護といった面は別として、ですが」
確かに転んでケガするのを防ぐという目的を除けば、素手で済めばそれがいちばん良いようにも思いますが、そうも行かないのが現実じゃありません?
「確かに、人間の体はバイクに乗るためにできているわけではありませんから、バイクに乗るための特有の姿勢をとった際、圧力により血流と神経が圧迫される場所があります。それを考えて作られたのが、パッド入りのBody Geometry Gelグローブなんです」
そのパッドにも、いくつか種類があるようですね。
「ハンドルで体重を支える傾向がある人の場合は、尺骨神経をサポートする大きめのパッドが入ったグローブがおすすめです。一方で、ハンドルに手を添える程度の姿勢が取れる人であれば操作性を優先して、かかる圧力を均一にするイコライザーパッドを採用したグローブがおすすめです」
これがイコライザーパッド。
大きめのパッドを使用した、GELグローブをチェック >
かかる圧力を均一にするイコライザーパッドを使用した、GRAILグローブをチェック >
かかる圧力を均一にする、ですか。そうすると操作性が向上するのですか?
「手のひらのくぼみを埋めるようなかたちで、パッドが装着されているんです。ハンドルを握るとき、人は手のひらのくぼんだ部分を押し付けるようにしています。くぼみを埋めることで、押し付ける操作が減るわけです。そのためのパッドは、多ければ良いというものではなく、必要にして最小限であることが重要ですね」
なるほど、ただパッドが厚ければ快適というわけでもなくて、ライディングスタイルによって必要なパッド量が違うんですね。
「ロードバイクとマウンテンバイクでも、求められるものは違います。ロードバイクでは上体の動きはそれほど大きくなくて、決まった姿勢が続くことが多いです。つまり、特定の箇所に圧力がかかり続けるということです。一方でマウンテンバイクの場合は、路面状況の変化があって、その時々の操作も細かくなりますので、手のひらが敏感であることが求められるので、薄めのパッドが好まれます」
バイクを操作する上では、手から得られる感覚も大事で、そのためにはSBCU先生が冒頭で言ったように、素手が「理想といえば理想」ということになるわけですね。その理想の感覚を妨げないことが、グローブにも求められる、と。
メンズグローブをチェック >
ウィメンズグローブをチェック >
スペシャライズドのグローブは、冬物も独特の使い心地がありますよね。ゴワつくこともなく、モコモコしすぎることもなく、なんというか、絶妙の塩梅を感じるのですが。
「防風性を持たせるために常にベストな素材を用いていますし、保温性能に関しても、どこに保温素材を入れて、どの部分には入れないか、空気の入る余裕をどうやって作るか……などを追求しています。細かいことですが、縫い目をどこに持ってくるかも、グローブの使い心地を決める大事な要素。ユーザーニーズに立って、ひとつひとつ課題をクリアしながら作られているんです」
Body Geometryは話を聞けば聞くほど、本当に深くて、しかも色々な要素が絡み合っています。そんな中でBody Geometry グローブは、手軽にその思想を感じ取ることができる製品のひとつ。Body Geometryを知る最初のきっかけとしておすすめです。
【筆者紹介】:須貝弦
万年ビギナー状態だが、それでも自転車で地元の里山をめぐることを心のヨリドコロとするフリーライター。年に1度だけ、レースにも出ます。