日本の自転車界にその名を轟かすライダー、竹谷賢二氏が最近乗り込んでいるアルミロードバイクAllezの魅力を聞いてみた。
マウンテンバイク日本代表としてアテネオリンピックに出場するなど数々の輝かしい実績を持つ、スペシャライズド契約アドバイザー竹谷賢二(たけや・けんじ)氏。実力も実績もS-Worksのハイエンドカーボンバイクがぴったりな竹谷氏がいま、好んでSpecializedのアルミバイクAllez(アレー)に乗っているという。いったいなぜ?
2019年モデル ALLEZ ELITEをチェックする>竹谷さんが現在乗られているバイクはAllez Sport(アレースポーツ)ですか?
「はい。間違いないですね」
どうしてまた低価格のアルミバイクを?
「Allez Sportは10万円前後の自転車で、自分は普段はS-Works、いわゆるハイエンドばっかり乗っているんですよ。だから舌が肥えているというとヘンですけど、普段はおまかせの寿司ばかり食べている人間なんです(笑)。そんな人間が“松”とか“竹”の寿司を食べたらどう思うのかなという興味はまず持っていました。で、半年くらい前に撮影を兼ねたフリーライドという感じで、たまたまそこでAllez Sportに乗る機会があったんです」
なるほど。しかし竹谷さんがS-Worksに乗らなければ誰が乗るんだという感じですが(笑)。
「じっさい乗ってみると案外悪くないというか、え?この値段でここまでやるの?という驚きがあって。もしかしてこれは大化けするのかなっていう可能性を感じたんですね。でもちょっと乗っただけじゃ、ネガティブなことってあまり気にならなかったりするじゃないですか。だからそこらへんを確かめたくて半年間乗り続けました。北は北海道から南は石垣島まで、いろんなところを走りましたよ。真夏に数千メートル級の山を登ったりしましたし」
そのフィーリングを具体的にお伺いすると?
「加速、コーナリング、上り、下り。どのような状況でも確実に淡々と答えてくれるんです。さすがにS-Worksのようなドヒャーッていう感じはないんですけど、シャキシャキしたペダリングへの反応と、素直でかっちりしたバイクコントロール。カーボンに切り替わる前の2000年代アルミフレーム全盛期における、30~40万円クラスの乗り味に近い。だけど値段は4分の1なんです」
すごいコストパフォーマンスですね。一方で、アルミバイクは安くて頑丈だけど乗り心地が「硬い」という定説があります。
「たしかにカーボンと比べれば硬いんだけど、以前のアルミに比べればはるかにこなれてますよね。多少硬いぶん、レスポンスが正確というメリットもありますし、パワーをかけられればかけられるだけよりよく進みます。逆に硬いから、乗り方がヘタだとそのぶん路面からの衝撃は受けやすい。キチンと乗れないと“かてーよ”ってなります(笑)。でもそれはあなたの動きが硬いんですよっていうのを教えてくれるバイクでもあるんです」
もしAllezで硬さを感じなくなったら?
「相当うまいですね。カーボンのハイエンドバイクだと誰が乗っても一定の乗り心地は保証されるし、気持ちよく走れます。でもそれは本当にあなたの実力ですか、と。それよりもカーボンの“いなし”のないAllezをスムーズに乗りこなせる人の方が“うまい”といえるんじゃないでしょうか」
う〜む。Allezおそるべし。筆者の耳が少々痛くなってきたところで、竹谷さんがより本気でAllezに向き合った次回〜カスタマイズ編〜に続きます。
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【筆者紹介】:成田ケンイチ
インタビュー後、真剣にセカンドバイクとしてのAllez購入を考えてしまった中級者。小学館自転車部所属。
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