イギリスの広大なトレイルを探検する旅。地球の息吹を感じるけもの道を抜け、集落に立ち寄り、伝統と革新を重んじるローカルライダーと楽しみをシェアしました。
世界中の最高に楽しいトレイルをライドする「Destination Trail(デスティネーション・トレイル)」。今回のエピソードでは、マーシャル・ミューレンと彼のCamberがイギリスへと渡り、地元のライダー、クリスチャン・フェアクローと共に隠されたトレイルの広大なネットワークを発掘する様子に密着しました。
イギリス南部からスタートしたこの2人組は、サリーヒルズのローム層のトレイルを走り、スコットランドのフォートウィリアムズとハイランド地方のキンロックリーバンに立ち寄って、徐々に北へと移動します。その道中、彼らはトレイルライダーの数が住民を上回っていると思われる古風な村落に立ち寄り、巨大なダートパークをいくつか訪れました。この地に根付くマウンテンバイク文化とその理由を体験します。
マーシャルがちょうど13歳になったとき、彼はカリフォルニア州マリブにある家の、広大な裏庭でジャンプを造り始めました。彼が16歳になる頃には、子供の頃の遊びが、ライフスタイルとなっていたのです。彼の現在の興味は、ムービーのプロデュース、コースデザイン、新製品の開発における成功と、そして彼がやると決めたマウンテンバイクに関するものすべてを実現することです。
DHライダーのブレンダン・フェアクローを兄に持つクリスチャンは、歩けるようになって以来、マウンテンバイク界に身を置いてきました。ジュニアレーサーとしてキャリアを始めたクリスチャンは、今や製品のテストライダー、製品デザイナーそしてディストリビューターと、まさに自転車漬けの生活をおくっています。
およそ422平方キロメートルに広がるイギリス南部のサリーヒルズは、1958年に特別自然美観地域(ANOB)として指定されました。その最高地点は海抜294メートルであり、数字だけではトレイルライドに最適となりません。しかし、その制約の中で、サリーはトレイルネットワーク、短い登り、高速の激しい下りを補う以上の体験を、訪れるライダーに提供します。その好例がピーズレイクの小さな村落です。人口は少なく、そこに行き着くのは未舗装路のみ、そしてその丘の中心にあるこの小さな可愛い村は、この地域のトレイルライドの中心地となっています。この村から走り出したライダーは、サリーヒルズに点在する村同士を繋ぐ、中世の歩道を利用したローム層のトレイル・ネットワークを利用します。ここでのライディングはテクニカルかつ高速で、Camberのようなバイクには完璧のフィールドなのです。
フォートウィリアムズはスコットランドのハイランド地方で最も人口の多い町の1つであり、これはその素晴らしい立地によるものです。この町はインヴァネスからフォートウィリアムまで100km続く谷であるグレートグレンの南端に位置します。ここはまた、スコットランドで最長の湾の1つであるリニ湾の最奥部に位置しており、そしてもちろん、ハイランド地方に属しているということは、この町が緑豊かで美しい山々に囲まれていることを意味します。
実際、フォートウィリアムはブリテン諸島で最も高い、標高1344メートルのベン・ネビス山から車でわずか数分の位置にあります。また、ここにはワールドカップ開催中およびその前後で多くのライダーが訪れる、世界的に有名なダウンヒルコースもあります。全体的に見て、広大なトレイルネットワーク、その土地に根付いたサイクリング文化、そして高い山々により、フォートウィリアムはイギリスを楽しみたいライダーなら誰にとっても、真の目的地となるのです。
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