初心者がトライアスロンに挑戦する上でどんな準備が必要なのか。トライアスロン歴12年、エンデュアライフ松田航介さんに話を聞きました。
スイム、バイク、ランを連続して行うトライアスロン。最後にフルマラソンを走る「アイアンマン」の過酷なイメージが強く、「運動が得意な人にしかできないもの」と思われがちです。でも、短い距離のスプリント・ディスタンスやリレー形式のレースなど、初心者でも楽しめる大会はたくさんあります。完走を目指す人から、タイムを縮めたい人まで、それぞれのペースで達成感が得られるのがトライアスロンの魅力。「今年こそはトライアスロンに挑戦してみたい」という初心者がトライアスロンに挑戦する上でどんな準備が必要なのか。トライアスロン歴12年の、スペシャライズド本厚木本社のラウンジディレクター・松田航介(エンデュアライフ)さんに話を聞きました。
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1.バイクをはじめ、必要アイテムの準備からスタート
トライアスロンには「ストイックなアスリートがやるもの」というイメージがありましたが、今では女性や年配の方も多く挑戦するなど、生涯スポーツとしての人気が高まっています。初心者の方から「トライアスロンに挑戦するためにバイクを購入したい」と相談を受けることも増えてきました。
トライアスロンを始める上で、大きなハードルは準備するアイテムの多さにあります。特にバイク初心者の場合、自分に合ったバイクをどう選ぶかが重要になります。
僕が考える一番の近道は、バイクショップに足を運び、専門的な知識を持った店員さんに相談すること。自宅の近くにあるショップでもいいですし、好きなブランドの専門ショップを回るのもいいでしょう。自分のサイズに合ったバイク選びができるかで、その後のパフォーマンスは大きく変わってきます。
できれば、バイクポジションを正確に測定してサドルなどを最適な位置に調整する「バイクフィッティング」ができるといいですね。スポーツバイクは身体に合った位置で乗りこなし、扱いを身につけること。これが、効率的に速く走れるようになる重要なポイントです。フィッティングを正しく行うことは、ペダルにかけた力を無駄なく「前に進む力」に変え、最小のパワーで最大のパフォーマンスを出すことにつながるのです。
【トライアスロン初心者が用意すべきアイテムと費用の目安】バイク本体 | 20万円弱 |
ヘルメット、バイク用シューズ、ウェア、ゴーグル、パンク修理のためのアイテムなど | 5〜10万円弱 |
トライアスロンウェア | 3〜5万円 |
ウェットスーツ | 3〜5万円 |
スイム用ゴーグル | 数千円 |
ランニングシューズ | 1〜2万円 |
※バイクフィットは3万円ほど。
トライアスロンウェアとは、3種目すべてに対応した専用ウェア。スイム、バイク、ランそれぞれのウェアを用意し、着替えてもいいのですが、最近はトライアスロンウェア着用を義務付けている大会も増えています。また、海や川、湖など自然環境でのスイムでは、ウェットスーツ着用の義務がありますが、プールで行う大会ではウェットスーツ着用は不要。大会によって準備するものが異なりますので、出場したいレースがあれば事前にチェックしておくといいでしょう。
「BODY GEOMETRY FIT」ってそもそも何ですか?>
2.苦手種目はどう克服すべき!? 3種目の練習の進め方
大人になってから新しいスポーツを始める際、楽しく続けるポイントは、
「コミュニティ(仲間)を作る」ことと、
「基本のフォームを正しく学ぶ」ことです。
練習においては、基礎をしっかり身につけ変なクセをつけないことが大事。とくに、多くの初心者が苦手意識を持っているスイムは、一度ついたクセを直すのにとても苦戦します。トライアスロンで必要なのは、少ないパワーで長距離を泳ぎ続ける泳力。スイム教室を設けているジムやプールは多くありますので、家の近くで探してみましょう。仕事を持つ人向けに、早朝レッスンを開講しているところもあります。
ラン、バイクは、日常生活でも馴染みのある動きゆえ、つい我流で練習しがち。ただ、こちらもしっかりとフォームを学び、自分がかけた力が無駄なく推進力につながるように身体の動かし方を習得できるといいでしょう。
では、実際にどんな練習メニューを組んでいくといいのか、後編で詳しく紹介していきます。
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【松田航介さんについて】【インタビュアー・筆者紹介】田中瑠子
ライター・編集者。スポーツからビジネスまで人物インタビューを多く手がける。2016年9月に九十九里トライアスロンでオリンピック・ディスタンスデビュー。クロールが苦手なため平泳ぎを貫き、無事完走。
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