これは事件だ。競泳界のトップスター、瀬戸大也が九十九里でトライアスロンデビュー!なぜ今? なぜトライアスロン?独占インタビューをお届けします。
東京2020での活躍が期待される現役選手の“異種目”挑戦は異例中の異例。なぜ今? なぜトライアスロン? デビュー戦となる九十九里トライアスロンの約2週間前、 瀬戸さんの愛車となる「Allez Sprint Comp Disc」の納車日、スペシャライズド新宿店でお話をうかがった。
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人生初のロードバイク。初ライドはすごく楽しかった!
——まずはご自分のロードバイクを手に入れた感想を。
瀬戸さん(以下敬称略) すごく爽やかなカラーリングでいいですね。ああ、これで戦うんだっていう感じでワクワクしてます。もう、早く乗りたいっす!
2019年モデル Allez Sprint Comp Discの詳細はこちら>
—ロードバイクの経験は?
瀬戸 全然ないんです。自転車はママチャリしか乗ったことがない。先日、元プロトライアスリートの益田大貴さんにスペシャライズド銀座店でフィッティングをしてもらった後に、試乗車をお借りしてちょっと乗ったんですけど、それが人生初のロードバイク。クリートで足を固定して乗るのも初めて。とりあえず、コケないで乗れました(笑)。でもすごく楽しかった。これから練習していって、自転車に慣れていくともっと楽しめそうですよね。
——スペシャライズドに乗ることになった経緯は?
瀬戸 僕のマネージャーさんの友人が益田さんと知り合いで、それでスペシャライズドを知りました。トライアスロン挑戦への全面サポートをしてくれて、本当にありがたいです。自転車は初心者なので、いろいろ勉強させてもらえてすごく心強いです。
——水泳は身体ひとつでやるスポーツですが、その点で自転車は対極ですよね。
瀬戸 そうなんです。自転車が自分の身体の一部になった状態で戦うスポーツなんですよね。だからしっかり使いこなせるようにならないと。今の所、どのギアを使うかとか、回転数とか、全然わからないんで、益田さんに教えてもらいながらやっていきたいなと思ってます。
左が元プロトライアスリートの益田コーチ
益田コーチ率いる『スペシャライズド・トライアスロンチャレンジ』について>
パンパシ直前にトライアスロン挑戦を決意。思いついたらやってみないと気が済まない。
——ところで、なぜ今このタイミングでトライアスロンをやろうと?
瀬戸 最初は家からトレーニング場まで通うのに自転車が欲しいなと思ったんです。それでロードバイクを買おうかなと思っているうちに、どうせならトライアスロンやりたいなと。
彩湖でのデュアスロン練習。愛車での実走はこの日1回のみ。ロードバイクのスピード感を満喫中。
——トライアスロンに対するイメージって何か持ってました?
瀬戸 めちゃめちゃカッコいいスポーツっていうイメージ。水中も陸上も全部じゃないですか。実は小学生の頃に、アクアスロンに出て優勝したことがあるんですよ。本当はトライアスロンをやりたかったんですけど、親に言ったら「自転車は高いからダメ」と言われて(笑)。3年生ぐらいだったかな、豊島園でやっていた大会なんですけど。当時スイミングの試合って記録会ぐらいで、大きな大会はなかったんですね。でも、その大会はいろんなところから集まってくるって聞いてて、そこで1番とれたのがすごく嬉しかった。大会新記録だったんですよ。
——具体的に決心したのはいつ頃?
瀬戸 パンパシの直前ですね。自転車を買って佐渡*に出ようって思いました。
[*佐渡国際トライアスロン大会。国内屈指の人気レースで、スイム4km/バイク190km/ラン42.2kmのAタイプと、その約半分の距離のBタイプがある。]
——佐渡!あれはロングとミドルの大会ですが、距離に抵抗とかはなかった?
瀬戸 周りに「それは強行すぎる!」って止められて、ショートの九十九里*にしたんです。
[*九十九里トライアスロン。スイム1.5km/バイク40km/ラン10kmのオリンピックディスタンスに加え、今年からスイム1.9km/バイク90.1km /ラン21.1km のミドルが加わった。]
——それにしてもパンパシの直前とは・・・大事な試合の前に普通そういうこと考える?(笑)
瀬戸 僕は思いついたらすぐやりたいタイプ。待てない(笑)。やってみないと気が済まないんです。でも、そういうことが自分にとってプラスに働いてると思うので。パンパシやアジア大会中も「よっしゃ!これが終わったらトライアスロンだ!」って思ってましたから(笑)。トライアスロンをやるっていうのは僕にとっては刺激的なことで、だからもう、本当に楽しみでしかないんです。
——周囲の反応は?
瀬戸 怪我だけはしないでくれって、あらゆる人に言われました。それは当然。でもコーチも賛成してくれました。「すごくいいじゃん!」って。なかなか競泳界にそう言ってくれるコーチはいないと思うので、ありがたいですね。もちろん「怪我だけは気をつけろよ」とは言われてますけど。
——周りは相当心配してるみたいですね。自分ではそこのところのリスクをどう考えてますか?
瀬戸 もちろんリスクはあるし、そこはちゃんと気をつけてやろうと思ってます。やらなければ確かに怪我のリスクは減りますけど、それを言ったら車の運転だってリスクはある。どこでどうなるかなんてわからないわけで、もし、大切な時期に何かあったとしたら、それはもう、運命だと思うんで、ハイ。もちろん、何もないのが第一ですけど。
彩湖でのトレーニング。バイクからシューズを履き替えて500mダッシュ。
いつもと違う身体の使い方をすることで競技にも新しい感覚を持ち込めたら。
——トライアスロンをやることで、水泳の方にはどんな影響があると思っていますか?
瀬戸 一番の狙いは持久力です。それと、いつもとは違う身体の使い方をすることで、運動神経の刺激というか、何か新しい感覚を持ち込めたらと。陸でしっかり身体を使えるようになれば、水に入った時にも、自分が思うイメージ通りの泳ぎがもっとできるようになると思う。あとは脚。僕はキックが苦手で、この夏の大会でも自由形で最後のキックが入らなかったりしたので、トライアスロンをやってバイクやランで脚を鍛えることによって、その苦手意識をなくせるのかなと。そこも狙いです。
——ご自身の種目も個人メドレーで、4つの泳法をやらなければならない。トライアスロンとの共通点があるような気がします。
瀬戸 関係してます。僕はかなり飽き性なので、いろんな種目があった方がいいんです。トライアスロンも3つ種目があるのがいい。
大会当日、スタート直前。
——九十九里大会での目標は?
瀬戸 表向きには “怪我なく完走”ですけど、やっぱりスイムはダントツ1番で上がって来たいし、バイクもランもがんばって、それなりに上位にいけたらなって、つい思っちゃいますね(笑)。でも、本当にバイクとランは身体がついてくるかどうか全くわからないです。難しいですよね。でもそれがいいんです。未知の分野に挑戦していくチャレンジャーな感じが好きなんです。水泳でも、自分の専門種目じゃないところで勝てたりするのが楽しい。それと似てます。
言葉通り、スイムは17分41秒でダントツトップ!
——トライアスロンは今後も続けていきたい?
瀬戸 生涯スポーツとしてずっと楽しめるものだと思うんで、ずっと続けたいです。いずれは奥さんと一緒にやりたい。夫婦で同じ趣味を見つけられたらって思っていて、それがトライアスロンになったら最高だなって。日本全国、いろんな地方の大会に出て、おいしいものを食べて帰ってくる。そんな「トラ旅」を夢見てます。
トラ旅といえば、各国を巡っているアンバサダー松葉桂二さん!レポートはこちら>
——ありがとうございました。
【瀬戸選手コメント】
今回初めてスペシャライズドのロードバイクを乗ってみて凄く速かったしこんなにスムーズに進むんだなと思いました。 また色も爽やかでカッコよくて気に入ってます。 今後もっと乗りこなしていけるようになりたいなと思います!
【益田コーチコメント】
九十九里トライアスロン出場にあたり、瀬戸選手とどのバイクに乗ろうか話をしたところ、『性能とかは分からないので所属先のカラーであるブルーが良い』というリクエストを貰いました。そこで新しく発表された2019年モデルAllez Sprint Comp Discが 瀬戸さんの初めてのバイクとして相応しいと思い選びました。 私はこれからバイクに乗り始める方には、Discブレーキは絶対に外せないポイントで、まずはお手頃な値段のバイクで慣れてから、高性能なバイクに移行するのが良いと思っています。 もちろん何事も格好から入るのも良いと思いますので、いきなりS-WorksでもOKです。しかしパワーがある人でもテクニックがないと、S-Works のスピード域は危険です。瀬戸さんの場合テクニックがまだ初心者の段階なので、Allez Sprint Comp Discで 一年くらい走り慣れてきてから、S-Worksに移行するのが理想だと思います。そしてもちろん今回はDHバーは無しでいきました。 瀬戸さんは周囲に、『とりあえず完走が目標』と言っていましたが、やっぱりアスリートですので順位は気になりますよね。 少しでも良い順位で完走して欲しいという思いから、レース当日はホイールをエアロ効果の高いカーボンホイールCLX50に変えました。完走おめでとうございました!
公式記録は2時間50分4秒でフィニッシュ!お疲れ様でした!
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【Allez Sprint Comp Disc】
Allez Sprintらしい耐久性、空力性能、走りのクオリティーに制動力や操作性に優れたディスクブレーキを組み合わせ、あなたの走りをしっかりと支えます。
■Allez D'Aluisio Smartweld Sprintテクノロジーで溶接されたE5高品質アルミ合金製フレーム。溶接部の位置を見直し、戦略的に必要な部位にのみより多くの溶接材を使用することで剛性と乗り心地を高めつつ、軽量化も実現しました。
■スペシャライズドのトップランクであるS-Works FACTカーボンファイバーフォークが驚くほどの剛性とフロントエンドのステアリングレスポンスを実現し、同時に路面からの振動を効果的に吸収。
■高い制動力と秀逸な操作性を誇るシマノ 105 油圧ディスクブレーキ。
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【インタビュアー】東海林美佳
一般女性誌からスポーツ誌まで幅広いジャンルで活躍するエディター&ライター。アイアンマンハワイをはじめ、海外レース、海外選手の取材を多数手がける。
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