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ロードレースの“戦闘服”   Evade Skinsuitで完走を目指す

2018/11/22

ロードレースの“戦闘服” Evade Skinsuitで完走を目指す

トッププロ選手がスピードを求めてレースで使用するワンピース型のウエア。ツール・ド・おきなわで”Evade Skinsuit”のメリットを確かめました。

多くのプロ選手が、ワンデー、ステージレースで使用するワンピース型のウエア。そのほとんどがオーダーウェアで、メリットは知っていてもなかなか縁遠いかもしれませんね。でも、スペシャライズドなら誰でも手に入る通常ラインナップに”Evade Skinsuit”があります。ツール・ド・おきなわでその効果を試しました!

TTスーツとかワンピースと呼ばれるこれらのウエアは文字どおり、タイムトライアルのようなコンマ1秒を争う競技で真価を発揮するものですよね。でも、最近では多くのプロ選手が、ワンデー、ステージとレースの形態を問わず使うことが増えているようです。

スペシャライズドは2015年に本格的なワンピース型のロードウェア、Evade Skinsuit(以下Skinsuit)を発表しました。この時はVenge ViASのデビューイヤーで、バイクと並行して開発した用品を身に着けて走ると、40qの距離を走行するとトータルで約5分のタイムセーブができるという触れ込みでした。Skinsuitは単独で約96秒のセーブができ、バイク以外では最もタイムセーブの時間が大きい製品です。

また、「40qの距離を走行すると96秒のタイム短縮」ということは、ゆっくり走れば走るほど得られるタイム短縮は大きくなります。つまり、ロードレースでは単独で走行する状況に強いということになるでしょう。集団からドロップした場合、ブリッジ出来なくとも、少しでもペースを維持したい。それが機材で解決できるなら、これを見逃す手はないでしょう。今回「ツール・ド・おきなわ」市民140qクラスで実際に使ってみようと思ったのは、そんなところにきっかけがありました。 

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S-WORKS EVADE GC SKINSUIT

本番前に実際の距離に近い練習で、まずは試してみました。冬場はシクロクロスをやっている関係で、ワンピース着用に対する“免疫”はあるのですが、正直なところ体形を隠す余白のないワンピースを公道で使い、コンビニやカフェに入ることに抵抗がありました。さらに、シルエットもさることながら、財布やスマホを入れる背面ポケットがないので、いわゆる普段使いしづらいところも敬遠しがちなポイントです。 

ところがSkinsuitは製品名に、GC(General Classification)、つまり総合順位を意味する単語がついています。これは背面に通常のセパレート型のジャージのようにポケットがついているという機能を表しているのです。このおかげで公道練習でも財布やスマホを持ち運べますし、もちろんレースでは補給食やボトルを携行できます。 


左:従来型のセパレート(RBXジャージ)、右:Evade Skinsuitを後方から比べた場合
©Makoto Ayano, Cyclowired 

本番を想定した練習では、ジェルタイプの補給食を8パック用意して、3つあるポケットのうち左右それぞれに4つずつ収納。中央のポケットに財布とスマホを入れました。実際は中央に22オンスのボトル1本を入れる予定です。中身がないと1枚の布に見えるポケット部分ですが、背面と同じ素材を用いてほとんど縫い目のない構造をもっており、収納時も皮ふに刺激が少なく、外側の形状もなめらかになります。


ポケットの裏面は熱圧着のシールで補強ずみ 

ポケットは空力を追求した結果、一般的なジャージより腰寄りにあります。エアロ効果はもちろんのこと、ポケットに手が届きやすいメリットもあり、これはレース後半の疲労時でも補給食を落とすことなく取り出すことが出来、とても役に立ちました。じつは上肢(肩甲骨や腕部)に柔軟性の制限がある僕にとって、ジェルなどが取り出しやすいのです。 

もうひとつ公道で重要になるのはトイレ! Evade Skinsuitはワンピースに見えますが、上半身はフルジッパーで観音開き出来、パンツ部分を下げるだけで小用は足せます。一体ですが上下が切り分けられているので、「大」のときにも脱ぎ着がとても楽です。きっと女性にも受け入れていただけるでしょう。 

また、ワンピ未経験者にとって、あのペラペラで寒くないのか、という疑問もあるでしょう。実際、当日の予報は最高気温が27度で、地元の方によると「かなり暑くなる」というものでした。まず、ペラペラ感による冷え、風の侵入は意外なほどありません。20分ほど登り続ける普久川ダムではジッパーを5センチくらい下げ、下りにはいると完全にジッパーを上げて体温を調整しました。


写真は羽地ダムの上り。この後の下りでジッパーを下ろしても風でバタつくことはありませんでした。 ©Makoto Ayano, Cyclowired 


ジッパーのタブは上方向にするとロック解除なので、布地を軽く引くだけで開閉が力をいれずに可能です 

暑さという点では、実はSkinsuitの黒い素材はCold Fabric Technologyという、表面温度を抑える特殊な素材が使われており、路面の照り返しを含めると相当暑かったはずですが、そのテクノロジーのおかげで体感的には非常に快適でした。素材全体にDeflect UV50という紫外線をから肌を守る機能も使われており、これらが5時間超という走行時間に起こるストレスを緩和してくれたように思います。 

さらに、ワンピースは使用する生地も糸も量を減らせますし、Evade Skinsuitは熱でファブリックを圧着しているので、セパレートよりも格段に軽くなります。これも着心地の向上、長時間での快適性につながっているでしょう。同時に、各パネルのカットパターンを多い立体的なカーブで構成している点も着ごこちに貢献しています。 


すそはヒートカッターによる切りっぱなしに、裏はシリコン処理で滑り止めを施してあります。

 
そでは折り返して圧着することでほつれを防止 


そでの裏は複雑なカットパターンを採用して、できるだけパネル点数を減らしています。太ももも同様 

特にレース中に感じたのは、汗が素材にとどまらず、すぐに乾くという点。従来ですとジャージがビショビショになる印象がありましたが、Evade Skinsuitではこれを心配しなくてもよいのです。 

ちなみに、サイズ表記で「Tall」とあるのは、胴体部分が長いサイズになります。普段、ビブショーツの肩ベルトが短く感じる方や、肩の突っ張り感が強い場合は、Tallをおすすめします。そして、願わくば、長そでの早期ラインナップ化を望むとともに、来年の「おきなわ」もSkinsuitで走るつもりです。 

総じて、エアロ機能であったり、インパクトある見た目に注目が集まってしまうワンピースですが、Skinsuitならまさに第2の皮ふとして、長距離のレースで選手のちからになるはず。確かに価格はまさにS-WORKSですが、それに見合うパフォーマンス向上をもたらすことは間違いないでしょう。賢いオトナはEvade Skinsuitでご自身のゴールに近道していただければと思います。

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背中から腰へかけてのなめらかな空気の流れがイメージできる横からのカット ©Makoto Ayano, Cyclowired 

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筆者紹介:佐藤 修平
スペシャライズドが提供する製品やサービスについて、その機能や特徴を販売店やエンドユーザーへと伝える「SBCU」のメンバーであり、フィッティングサービスを統括する。ツール・ド・おきなわでは、2014年、18年に市民140kmを完走、 2017年に市民210kmを完走。MTBやシクロクロスの経験が豊かで、生まれつきの「自転車バカ」を仕事にもっと活かしたい44歳。

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