レース終盤に独走でタイム差を拡大!「S-Works Venge Disc」でツール・ド・おきなわ市民210kmを制した紺野さんに独占インタビューを行いました!
11月に開催された市民レースの最高峰「ツール・ド・おきなわ 市民210kmレース」で、見事に優勝を果たしたのが、サイクルショップ「SBC湘南藤沢店」のスタッフであり、ショップチーム「SBC Vertex Racing Team」に所属する紺野元汰さんです。
今年のおきなわでスペシャライズドのディスクブレーキ搭載エアロロード「S-Works Venge Disc」を駆り、紺野さんが自ら掲げた目標を達成したのと同時に、このバイクに国内のビッグタイトルをもたらしました。そんな紺野さんに、今年のレースの振り返り、そしてS-Works Venge Discについてたっぷりとお話を伺いました。
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●高岡さんの連覇を止めるのは自分と決めて挑んだ今年の「おきなわ」
ーレースの前にこのブログで紺野さんの機材についてお伺いした際に『高岡選手(高岡 亮寛さん)の連覇をストップさせると同時に、自分が優勝すること』とお話しされていましたが、見事に有言実行となりましたね。おめでとうございます。
紺野「高岡さんは、個人的にものすごく尊敬している方。尊敬しているからこそ、連覇を止めるのは自分だと決めてトレーニングに取り組んできました。昨年は少なくとも着には絡めるだろうと思っていましたが、やはり甘くはなかった(19位)。今年は周囲の期待もあり、それがよいプレッシャーになったと思います。ツール・ド・おきなわの市民210kmで勝つということは、とても大きく、その称号がほしい人はたくさんいます。それを成し遂げられたということは、自分の中でもとても大きな意味をもちますね」
—18歳から23歳までJプロツアーに参戦されていたとはいえ、現在はフルタイムワーカー。自転車店勤務とはいえ営業時間は自転車には乗れませんよね。トレーニングはどのようにされていたのですか。
紺野「週に3回は、1日につき200km乗れるようにしていました。今年のおきなわのように狙っているレースがあるときは、朝練をするなどして距離や乗る回数を増やしています。例えば毎週日曜日にはショップのトレーニングライドがあるのですが、その前に朝練をして、ショップのライドも行い、夜練もしていました。そしてレース本番の1週間前から、練習量を落として備えました」
●Tarmacの魅力も理解しつつVengeで参戦、そのエアロ性能は発揮されたのか!?
—事前にもお伺いしましたが、今回紺野さんはS-Works Venge Discで走りましたね。実際に乗ってみていかがだったでしょうか。
紺野「選択に間違いはありませんでしたね。ベストマッチだったと思います。S-Works Venge Discの性能の高さをツール・ド・おきなわの場で示すことができて、本当によかったです」
—事前にはTarmacと悩まれていました。最終的にVengeを選び、それが正解だったと感じたのはどういった理由でしょうか。
紺野「今年のレースの展開も、大きく作用したと思います。もう少し登りでしかける人がいて、レーススピードが激しくアップダウンするようなことがあれば、Tarmacがよかったかもしれませんが、今回は流れるようにレースが進んでいきました。そしてレース終盤、羽地ダムで単独になったという展開も大きかったです。独走になったことで、Vengeの巡行能力の高さを活かすことができました」
—羽地ダムを過ぎたところで、確信があったわけですか。
紺野「羽地の登りでアタックして、平坦に出るまでに30秒の差がつかなければ集団に戻ろうと思っていたのですが、36秒差がつきました。集団には、スプリントに強い寺アさん(寺ア武郎さん)がいる。白石さん(白石真悟さん)は強い方だと伺ってはいましたが面識もなく、スプリント力があるのかどうかもわかりませんでしたが、とにかく走り方がうまくて、ただものではないのは明らか。彼らに勝つには、行くしかないと。その結果、最後の平坦区間でさらに差を広げることができました」
©︎Kenji Hashimoto/bicycleclub.jp
—VengeとTarmacとでタイム比較をして、最終的にVengeを選んだその決断も、実ったわけですね。
紺野「独走能力を活かした走りをする選手であれば、Vengeがぴったりでしょう。瞬発系を活かして登りが得意な選手であれば、Tarmacが合うのではないでしょうか。僕もどちらが性に合うかというとTarmacだとは思うのですが、今年のおきなわに向けたトレーニングによって、どっちも行ける脚質になってしまったという感じです。であれば、展開を考えるとVengeかなと」
—紺野さんの場合は登坂を含むコースで比較して、Vengeのほうがトータルタイムに優れるというお話でしたね。
紺野「ヒルクライムなど斜度のある登り1本を比較すれば、Tarmacでしょう。しかし、勾配が緩い登坂であったり、下りや平坦を含むコースでトータルタイムを比較すると、Vengeのほうが速かったんです。実際、下りの速さは尋常じゃないと感じますね。乗っていて気持ちがよいし、緩い下りで他の選手が必死に回しているところを、さーっと抜いていくことができる。“今の時代、どんなバイクに乗ってもそんなに差なんて出ないでしょ”と僕も思っていましたが、Vengeの下りと平坦の速さは突出していますね。一方、登りの切れ味を求めるならTarmacが向いてるでしょう」
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●絶対的な制動力よりも低重心化やスルーアクスル化のメリットが大きい
—今回はディスクブレーキのロードバイクを使用しての勝利でもありました。ディスクブレーキの恩恵を感じることは、ありましたか?
紺野「ロードバイクの場合、絶対的な制動力はディスクブレーキもキャリパーブレーキも変わりません。では何がメリットかというと、やはりディスクブレーキとあわせてスルーアクスル化されていることが効いていると感じます。下りのコーナリングにおける安定感が、クイックリリースのロードバイクとは違います。コーナリングのラインがぶれないので、抑え込む必要がないんです。下りが得意な自分にとっては、メリットを感じます。低重心にもなっているし、ダンシングのときなども、もっさりした感じがない。ディスクブレーキ化の影響は大きいですよ」
—これから、ホビーレースでディスクブレーキのロードバイクは浸透していくでしょうか。
紺野「ホビーレーサーは、今のタイミングでディスクブレーキのロードバイクに乗り換えても問題ないのでは。とくにスペシャライズドのバイクは、TarmacにしろVengeにしろ、ディスクロードの完成度が高いです。今年のおきなわをディスクロードで勝つことができたので、流れを作ることができたらいいなと思います。ニュートラルサービスの対応なども、よい方向へ進んでくれたらうれしいですね」
—この度は貴重なお時間ありがとうございました。今後のご活躍も期待しております。
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©Makoto.AYANO/cyclowired.jp
[紺野さんのツール・ド・おきなわ使用機材]
フレーム:S-Works Venge Disc(2019モデル)
ホイール:Roval CLX50 Disc クリンチャー
タイヤ:Roval Cotton24C ※Roval Cotton 24Cは限定テスト販売で完売しています。
ヘルメット:S-WORKS PREVAIL II
シューズ:S-WORKS 7 ROAD SHOE
紺野 元汰(こんの げんた)
「SBC湘南藤沢店」スタッフ。18歳〜23歳までJプロツアーに参戦の後、一度は自転車から離れて自動車ディーラーに勤務。2017年4月よりSBC湘南藤沢店に勤務し、SBC Vertex Racing Teamにてレース活動を再開。ツール・ド・おきなわでは、2011年にジュニア国際ロードレース140km2位、2017年に市民210kmレースで19位。そして2018年の市民210kmレースで念願の優勝を果たした。2018年ニセコクラシック140kmで総合2位。25歳。
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