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レース観戦をもっと楽しく!「勝者を当てようキャンペーン」 に応募してCreo SLを手に入れよう!観戦ポイント編

2020/08/28

レース観戦をもっと楽しく!「勝者を当てようキャンペーン」 に応募してCreo SLを手に入れよう!観戦ポイント編

ロードレース観戦をもっと楽しくする「勝者を当てようキャンペーン」。レースの見所、観戦ポイント、注目の選手などをご紹介します。

勝者を当てようキャンペーン
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レースの見所・楽しみ方
ツール・ド・フランス2020の特徴

ついにツール・ド・フランスが開幕する。
例年であれば7月、真夏のフランスで開催されるマイヨ・ジョーヌ(黄色いジャージの意。個人総合成績1位の選手に与えられるリーダージャージ)を巡って世界最高峰の選手達が火花を散らす世界最大の自転車レース。今年は世界的なコロナ禍の影響により、約1ヶ月後ろ倒しでの開催となった。

2020年は第107回大会となる。グランデパール(開幕地)は南仏ニース。地中海を臨む美しい観光都市からスタートする今年のツールは、非常に激しい展開が予想されている。フランスに存在する5つの山脈・山塊(アルプス山脈、ピレネー山脈、中央山塊、ジュラ山塊、ヴォージュ山脈)全てを巡るコースで、難易度の高い山岳が随所に配置されているからだ。


2020年のツール・ド・フランスはフランス国内で完結する。
ニースを出発し5つの山脈・山塊を縫うように走りながらパリにフィニッシュするコースが特徴。

全21ステージの総距離は3,484km、総獲得標高58,388m。
第2ステージから4,000mを駆け上がる山岳ステージが、第4ステージには早くも山頂フィニッシュが登場。その後も難関山岳が次々と現れ、息をつく間もない。グラン・コロンビエール(第15ステージ・距離17.7km/獲得標高1,495m )やメリベル(第17ステージ・距離18.6km/獲得標高2,301m )など破壊力のある山岳が続き、極めつけは第20ステージ。今ツール唯一のタイムトライアルステージは、2019年にも登場したラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ(距離6.0q/獲得標高1,038m) を走る。
翌第21ステージはパリ・シャンゼリゼに凱旋する最終日のため、第20ステージが実質上のマイヨ・ジョーヌ争い最終戦となる。しかし登り基調で最大勾配20%超の激坂を含む36qはこれまで選手達が築いてきたタイム差を一気にひっくり返す可能性を秘めており、予想もつかない波乱が巻き起こっても不思議ではない。


ツール・ド・フランスは約3週間をかけてフランス国内を旅するように走る。
選手達の戦いを見守る美しい大自然や歴史上の建造物もツール観戦の楽しみの一つだ。

なお今年は新型コロナウイルス感染対策のため、特別なプロトコルが設けられる※。定期的に行われる検査で陽性となった場合、その時点でツールを去らねばならない。例えマイヨ・ジョーヌを着用していたとしても、だ。更に一定期間内に関係者から2名以上の陽性者が出たチームは全員が撤退となる(一部メディアの報道によるとこのチーム撤退条件は緩和される可能性もあるようだ)。※2020年8月27日時点の情報。

今年のツールは、最後の瞬間まで誰が勝つかわからないツールになりそうである。

2つの戦い

ツール・ド・フランスでは大きく分けて2つの戦いが並行して行われる。21日間の「ステージ」ごとのステージ勝利争いと、全ステージ終了後の合計所要時間で決まる総合優勝争いだ。

例外はあるが、総合優勝または上位入賞を目指す選手はステージ勝利争いには参加しない。一方、ステージ勝利を狙う選手達は総合優勝争いに絡むこともあまりない。そもそも総合上位を目標にできる選手が各チーム1〜2名と少ないか、チームによっては1人もいないのである(多数の有力選手を抱えるチームも少数存在するが…)。そしてステージ勝利のために走ることができる選手の数も、実は多くない。


2020年のツール・ド・フランスは合計22チームから176名が参加予定。
しかし、勝者として記録に残る選手はほんの一握りだ。Photo:©Bettiniphoto

今年のツールには1チームあたり8名が参加するが、そのほとんどが総合上位またはステージ勝利を目指すエース達の「アシスト」なのである。アシスト達は毎日エースを大事に守り、ゴールまたは他チームのエースと直接対決を行う勝負どころへ送り届けるために走っている。
この「1人のエースを勝たせるためのその他大勢のアシスト」という図式が、ロードレースの特徴だ。空気抵抗を減らすためにエースの前を牽く、補給食やドリンクを届けるなど、自らの成績を捨ててエースに献身するアシスト達はまさに縁の下の力持ち。華やかな勝利を争うスター選手達の影に隠れがちな彼らにも注目すると、よりレース観戦が楽しめるだろう。

参考記事
ロードレース観戦基本のキ @ロードレースって、一体何をしているの?
ロードレース観戦基本のキ Aどんなレースがあるの?
ロードレース観戦基本のキ B実際にレースを観てみよう!前編
ロードレース観戦基本のキ B実際にレースを観てみよう!後編
縁の下の力持ち、アシスト特集

特別賞ジャージ

ステージ勝利と総合優勝に加えて選手達の栄誉となるのが特別賞ジャージだ。ツール・ド・フランスには4枚のスペシャルジャージが存在する。ステージ終了時点でジャージ毎に設定された条件に基づくランキング首位の選手が、翌日のステージで特別賞ジャージを着用できるルールだ。


Photo:© 2019 Getty Images

ジャージ名 デザイン 着用条件
マイヨ・ジョーヌ 黄色 個人総合成績首位(各ステージの所要時間の合計が最も少ない)
マイヨ・ヴェール 中間地点およびゴールの通過・着順により付与されるスプリントポイントランキングで首位
マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ 白地に赤水玉 等級が設定された山岳山頂の通過・着順により付与される山岳ポイントランキングで首位
マイヨ・ブラン 開催年において25歳以下の選手の中で個人総合成績首位

最終ステージ終了時点で特別賞ジャージを着用の権利を持つ選手が、その年のツールの特別賞という大きな栄誉を手に入れることになる。しかし、たった1日であってもこれらのジャージに身を包んで走ることは大きな意味を持つ。

選手やチームの狙いはステージ勝利、特別賞ジャージ、更には最も勇敢な走りを見せた選手に贈られる敢闘賞(翌ステージで赤いゼッケンを着用できる)など多岐に渡るため、ロードレース観戦を始めたばかりの方には少しわかりにくく感じるかもしれない。しかしその複雑さの中に面白さがある。様々な思惑が入り乱れる中で、選手達はしたたかにライバルを出し抜き、時にチームを超えて共闘し、最後は己の力を示して栄光を掴み取る。熱いドラマに期待してほしい。

注目選手

Tarmac SL7とShiv TT Discを駆りツール・ド・フランスに挑むスペシャライズドライダー達。今年もボーラ・ハンスグローエとドゥクーニンク・クイックステップの2チームが参戦する。ステージ勝利や総合上位入賞を狙うチームのエース達と、彼らを支えるアシスト陣を紹介しよう。

ペテル・サガン(スロバキア/ボーラ・ハンスグローエ)

ロードレース界のスーパースター。ツール・ド・フランスにおける最強スプリンターの証「マイヨ・ ヴェール(緑色のジャージの意)」を史上最多となる7度獲得しており、今年更にその記録を伸ばすことを期待されている。


7回のマイヨ・ヴェールは前人未踏。まさにアンストッパブル・グリーンジャージ・モンスターである。Photo:©Bettiniphoto

ステージ勝利を量産するというよりは、上手に立ち回ってスプリントポイントを積み重ねていくのがサガンのスタイル。対応できる地形が平坦から登りまで幅広く、ライバル達が取りこぼしてしまうような山岳のスプリントポイントを独占できるのだ。

「毎年ライバルがいるのは確実だ」と言うサガンが今年のマイヨ・ヴェール候補に挙げる1人がワウト・ファンアールト(ベルギー/チーム ユンボ・ヴィズマ) 。サガンと同じくスプリント力と登坂力を兼ね備えており、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネではアシストの役割を果たしながらマイヨ・ヴェールを獲得した。2015年から3年間ロード世界王者の座に君臨し続けたサガンに対してファンアールトは2016年から3年間シクロクロス世界選手権を連覇しており、今年はストラーデビアンケ、ミラノ〜サンレモなどロードのビッグタイトルも次々と獲得している。

果たしてサガンは8度目のマイヨ・ヴェールを最終日のパリで着用できるだろうか。2016年から毎年積み上げているステージ勝利も狙っていきたいところだ。昨年のツールでサガンとの絶妙なコンビネーションを見せたダニエル・オス(イタリア)がいれば百人力である。


スーパースターらしい振る舞いで常にファンを喜ばせてくれるサガン。
新しいレース様式で着用するマスクに書かれた「Why so serious?(なんでしかめ面してるんだ?)」という言葉は映画バットマンに登場するジョーカーの台詞で、サガンのお気に入り。
今年のツールではどんな姿を見せてくれるだろうか。Photo:©Bettiniphoto

二兎を追う者が二兎を得る―Tarmac Disc、Venge、Shiv TT Discで駆け抜けたツール・ド・フランス2019

サム・ベネット(アイルランド/ドゥクーニンク・クイックステップ)

ボーラ・ハンスグローエからドゥクーニンク・クイックステップへ、今季スペシャライズドサポートチーム間で移籍。乗り慣れたバイクで、2016年以来4年ぶりのツール・ド・フランスに挑む。
ベネットもサガンと同じくスプリントを得意とする選手。山がちな今年のツールに必要な登坂力もある程度備えている。


ベネットは昨年獲得したアイルランドチャンピオンジャージでツールを走る。
ジャージのデザインが違うので見分けやすい。Photo:© 2020 Getty Images

ベネット自身の勝負強さもさることながら、ドゥクーニンク・クイックステップのスプリントトレインが強力だ。スピードマン達が列車のように隊列を組んで高速で走行、好位置でエーススプリンターであるベネットを解き放つ。
トレインを形成するのは独走力のあるカスパー・アスグリーン(デンマーク)レミ・カヴァニャ(フランス)など独走力のある選手達。直近のナショナル選手権個人タイムトライアルでも勝利している彼らが
スピードを上げながらポジションを引き上げ、1人ずつ離脱しながら、最後は「リードアウトマン」と呼ばれるミケル・モルコフ(デンマーク)がフィニッシュラインに向けてベネットを発射する。
ゴールを狙うエーススプリンターの最高時速は80qにも達する。手に汗握るスピードバトル、スプリントトレインの妙技に注目してほしい。


世界屈指の強さを誇るドゥクーニンク・クイックステップのスプリントトレイン。
そのスピードと絶妙な位置取りに是非注目してほしい。Photo:© 2020 Getty Images

ジュリアン・アラフィリップ(フランス/ドゥクーニンク・クイックステップ)

2019年ツールの主役だったと言っていいだろう。ステージ2勝、更にマイヨ・ジョーヌを全21日間中14日間着用し続け、母国フランスのみならず世界を魅了した。


2019ツールではタイムトライアルステージを含む2ステージで勝利。
「マイヨ・ジョーヌ マジック」を体現した力走を見せた。Photo:© Getty Images

キレのあるアタックと爆発力のある走りが持ち味で、あらゆるコースレイアウトで活躍する「オールラウンダー」と呼ばれるタイプの選手である。ただしチームによると、今年は去年のようにマイヨ・ジョーヌを追い求めるわけではないようだ。しかし生粋のゴールハンターである彼のこと、積極的にステージ勝利を狙っていくに違いない。


逃げてよし、アタックしてもよしと勝利のパターンが多いのがアラフィリップの強み。
新しい相棒であるTarmac SL7で今季初勝利を狙う。Photo:© 2020 Getty Images

ミラノ〜サンレモ2位、フランス選手権3位と優勝争いには絡んでいるものの、今年のアラフィリップはまだ勝利を手にしていない。ドゥクーニンク・クイックステップは集団で狩りを行う「ウルフパック(狼の群れ)」を自称するチームだけあり、平坦牽引役の「トラクター」ことティム・デクレルク(ベルギー)を除く全員がステージ勝利を狙える布陣ではあるが、やはりそろそろ我らが「ルル(狼ちゃんの意。チームでのアラフィリップのニックネーム)」のガッツポーズが見たいところだ。ツールでの今季初勝利を楽しみにしたい。

2018年は山岳賞。2019年はスーパー敢闘賞。今年のツールのアラフィリップは、どんなアラフィリップだろうか。

狼達はマイヨジョーヌの夢を見るか―Tarmac Disc、Venge、Shiv TT Discで駆け抜けたツール・ド・フランス2019

エマヌエル・ブッフマン(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)

「ドイツの至宝」と呼ばれる実力派オールラウンダー。昨年のツールでは総合4位と総合表彰台に迫る好成績を収めた。
崩れることなく常に上位で走り続ける安定感が強みだが、今年は試練のツールとなる。直前に開催されたクリテリウム・ドゥ・ドーフィネで落車、負傷。出場を諦める程の怪我ではなかったのは不幸中の幸いだが、満足いく準備ができないままスタートラインに立つことになりそうだ。


前哨戦クリテリウム・ドゥ・ドーフィネでは積極的に攻撃を仕掛けるなど好調さが目立っていたブッフマン。
落車ダメージからのリカバリーがうまく行っていることを祈りたい。Photo:©Bettiniphoto

BORA - hansgrohe x Specialized RETUL FIT(リトゥール フィット)

総合上位を狙うブッフマンが戦うのは今年のマイヨ・ジョーヌ候補達、その筆頭は昨年ツール覇者のエガン・ベルナル(コロンビア/チーム イネオス)と今季既に5勝を上げ絶好調のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボ・ヴィズマ)である。しかし彼らもそれぞれ背中の痛みと落車によるダメージでドーフィネを途中棄権しており、ベストコンディションでツールに臨んでくるかはわからない状況だ。他のライバル達も落車等でダメージを負っていたり、ツールに向けたピーキングに疑問符が付く走りを見せていたりと、開幕前から総合争いは混沌としている。

「どこまでできるか、やってみるしかない。今の僕にできるのは、1ステージ1ステージに立ち向かうことだけだ」と語るブッフマン。同じくクリテリウム・ドゥ・ドーフィネで落車、負傷したグレゴール・ミュールベルガー(オーストリア)も痛みに耐えながらブッフマンを山岳で支える予定だ。ドーフィネと同時期に開催されたイル・ロンバルディアで交通事故に遭い鎖骨を骨折したマキシミリアン・シャフマン(ドイツ)も回復が間に合ったようで、チームからツールへの参加が許可されている。


ドーフィネのクイーンステージを勝ったレナード・ケムナ(ドイツ)、昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで好アシストを見せたフェリックス・グロスチャートナー(オーストリア)は故障もなく好調な走りを見せている。頼れるアシストとして大いにブッフマンを助けてくれるだろう。「Band of Brothers(絆で結ばれた兄弟)」というチームスローガンを体現するようなチームプレイを期待したい。


パリ〜ニース総合優勝、ストラーデビアンケ3位と絶好調だったシャフマン。鎖骨骨折から驚異の回復でツールに乗り込む。
今年もドイツ選手権での勝利を目指していたが、出場ならず。ツールにはチームジャージで参戦する。Photo:©Bettiniphoto

ボーラ・ハンスグローエの選手達は昨年に続きツールをスペシャルジャージで走る。
白基調で、背中には「Band of Brothers(絆で結ばれた兄弟)」というチームスローガンがデザインされている。

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【筆者紹介】
文章:池田 綾(アヤフィリップ)
サイクリングライター。今年もツール・ド・フランスが開催される、その喜びを噛みしめながら書きました。今年のツールは山、山、山!昨年のような標高のある山岳こそ多くはないものの、手強い山岳だらけ。選手にとっては地獄のようなコースですが、観戦する側にとっては非常に面白いと思います。
選手達の活躍と無事を祈りながら、21日間のドラマを堪能しましょう。勝者を当てようキャンペーンへの応募もお忘れなく!

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