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The best team in women's cycling ―女王たちのチームSDワークス

2021/01/15

The best team in women's cycling ―女王たちのチームSDワークス

スペシャライズドがサポートする女子チーム、SDワークスをご存じですか。おそらく今、世界で一番強いロードレースチームです。

スペシャライズドがサポートするチームは、強い。レースで勝つ。ロードレースをご覧になる方は、ドゥクーニンク・クイックステップとボーラ・ハンスグローエの活躍をよくご存じだろう。
この法則は女子チームにも当てはまる。9年間、勝利を重ね続けてきたボエルス・ドルマンス。2021年からはベルギーの人材ソリューション企業SDワークス社をタイトルスポンサーに迎え、「チームSDワークス」として活動する。

とても強いチームだ。世界最強と言っていい。その強さの秘密を、紐解いていこう。

スペシャライズドがサポートするチームの活躍について>

勝利が彩る最強の女子チーム

このチームがスペシャライズドバイクに乗り始めたのは2014年から。2015年以降は毎年2桁勝利を上げ続けてきた。
特筆すべきはロード世界選手権で、2015年・2016年・2017年・2018年、そして2020年を勝っている。世界女王を戴き続けてきたチームなのだ。男女を問わず、こんなチームは他にない。

現世界女王はアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)。
世界チャンピオンの証である虹色のジャージを着るのは2018年に続き2年ぶり2度目。彼女のためのスペシャルバイクも2台目だ。

世界チャンピオンのためのスペシャルバイクのメイキング映像。
2020年は男女ともにスペシャライズドライダーが勝利している。虹色のTarmac SL7をお見逃しなく。

パンデミックの影響でレースの延期や中止が相次いだ2020年シーズンも、彼女たちは勝ち続けた。世界選手権とナショナル選手権を含めて13勝。昨年の最多勝利チームである。

13勝のうち7勝はアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)が上げている。「オールラウンダー」とは彼女のためにあるような言葉だ。ヒルクライム、ダウンヒル、タイムトライアル、どんな場面でも強い。
最多勝利チームの最多勝利選手であるファンデルブレッヘンなくしては、SDワークスは語れない。まずは彼女の話をしよう。


ファンデルブレッヘンの真骨頂は、アタックの上手さだ。然るべきタイミングで仕掛けて勝つことができる選手というのは、実は少ない。当然だ。徹底的にマークされるからである。有力選手であればある程、アタックは潰される運命にある。
ライバルを全員引きちぎるようなジュリアン・アラフィリップ(フランス/ドゥクーニンク・クイックステップ)の力強いアタックを動とするなら、ファンデルブレッヘンのアタックは静だ。時間が来たから、行かなくちゃ。彼女はいつもそんな風に、なめらかに飛び立っていく。ここで彼女を行かせたらレースが決まってしまう、全員が考えるその時を逃さない。

アタック巧者のファンデルブレッヘン。Tarmac SL7で軽々と飛び立っていく。Photo:©Tornanti_cc

ファンデルブレッヘンはTarmac SL7に乗り始めてから更に強くなったように思う。特に急坂での加速は、彼女にだけ重力が働いていないのではないかと疑ってしまうほどだ。軽やかで、鋭い。バイクの剛性と反応の良さも影響しているに違いない。

独走も得意だ。なにしろ彼女はタイムトライアルスペシャリストでもある。Shiv TTとともに、昨年は初めて個人タイムトライアルで世界一の称号を手に入れた。


2015・2017・2018・2019年は2位だった世界選手権個人タイムトライアル。 2020年は初優勝を飾った。
昨年はヨーロッパ選手権個人タイムトライアルも勝っており、ヨーロッパチャンピオンジャージに世界チャンピオンジャージを重ね着する。Photo:©Cyclingimages

41qを独走してロードレース世界女王になったのは、その2日後だった。ぶどう畑が広がる丘陵地帯、ひときわ勾配のきつい坂で飛び出した。
迷いのないペダリングにTarmac SL7が応えて、彼女を前へと連れて行く。ライバルも、仲間もいない。晴れた空と道の間で、ファンデルブレッヘンは孤高を貫いた。勇敢な走りの先に、世界の頂点が待っていた。

Tarmac SL7について詳しく>
Tarmac SL7 男女ともにロードレース世界選手権を制す>

世界選手権でのファンデルブレッヘンとTarmac SL7のランデヴー。速さとは、美しさだ。

ファンデルブレッヘンは個人タイムトライアルとロードレース、2つの世界女王のタイトルを手に入れた。ジロローザでも総合優勝、さらに世界選手権直後のフレーシュワロンヌも勝っている。昨年、彼女のはにかんだ笑顔と、控えめに喜びを滲ませるガッツポーズを何度見たかわからない。
しかしロードレースはチーム戦だ。一人で勝つことはできない。世界選手権ではオランダチームが彼女を支えた。SDワークスにも、頼もしい仲間がいる。


2019年ヨーロッパ選手権を勝ったアミー・ピーテルス(オランダ)、2017年世界女王のシャンタル・ブラーク(オランダ)はアシストの枠に留まらない選手だ。時にファンデルブレッヘンのために集団を支配し、時に自ら勝利を狙う。

ファンデルブレッヘンが6連覇中のフレーシュワロンヌなどで絶妙なアシストを見せるピーテルスは勝利請負人。
要所で良い仕事をする彼女のような選手がいると、チームが締まる。

ファンデルブレッヘンがアシスト役に回ることだってある。ロンド・ファン・フラーンデレンではファンデルブレッヘンが2019年世界女王アネミエク・ファンフルーテン(オランダ/当時ミッチェルトン・スコット)をマークし、ブラークが飛び立った。世界一危険なファンフルーテンを、世界女王のファンデルブレッヘンが抑え込んだ。


「キング・オブ・クラシック」ロンド・ファン・フラーンデレンを勝利したブラークはチームのセカンドエース。
Tarmac SL7はあらゆる地形に対応する。石畳の急坂を含む厳しいコースで14qを独走。Photo:©Tornanti_cc

彼女たちはファンデルブレッヘンがいなくとも勝つ。ヘント〜ウェヴェルヘムではヨリーン・ドール(オランダ)が見事なスプリント勝利を上げた。皆が勝ち方を知っているチームは、強い。

チームとしての強さが際立ったヘント〜ウェヴェルヘム。
ピーテルスとともに先頭集団で走り、最後はドールがライバルを発射台にしてスプリントで勝利。

女王たちの2021年

SDワークスは女王と従者のチームではない。女王たちのチームだ。彼女たちは時々に応じて模様を変えながら、勝利を編み上げていく。全員がしなやかで、したたかな糸なのだ。
時間をかけてチームを作ってきた。才能のある人材を見つけ、育ててきた。どうすればファンやスポンサーの支持を得られるか、考えてきた。小さな努力と工夫を積み重ねて、現在の地位を築き上げてきた。
チームを構成するメンバーが変わっても、チームの芯は変わらない。

2021年は新しい女王が加わる。アシュレー・ムールマンだ。個人タイムトライアルとロードレースの南アフリカ女王であり、昨年ZWIFTで開催された第1回Eスポーツ世界選手権初代チャンピオンでもある。

2020年ZWIFTで開催されたレースで猛威を振るったムールマン。強力なライバルから頼れる味方へ。

ファンデルブレッヘンは東京五輪で五輪2連覇を目指す。そう、彼女はリオ五輪の覇者でもあるのだ。 2019年のテストレースの時にオランダチームとして来日し、コースの下調べも済んでいる。そして最高の形で選手としてのキャリアを終えたいと願っている。2022年からはSDワークスの監督・コーチに就任する予定だ。
選手が監督やコーチになることは、男子チームにおいてはそう珍しいことではない。だが女子チームでは稀だ。彼女が新しい立場で活躍することは、SDワークスだけでなく女子ロードレース界全体にポジティブな影響を与えるだろう。ブラークも2022年春でバイクを降り、ファンデルブレッヘンと同じ道へ進む

注目したいのは2021年初開催となる女子版のパリ〜ルーベだ。2020年は残念ながら中止となった、世界で一番過酷な「クラシックの女王」、恐るべきパヴェ(石畳)セクションが連続する「北の地獄」。その勝者には、初代女王の称号が与えられるのだ。女王たちのチームにぴったりの栄冠ではないか。パリ〜ルーベを勝ち続けてきたスペシャライズドのRoubaixも、新しい勝利で彩られる日を待っている。

Roubaix - 『北の地獄』を征したバイク

シーズンインを前に、SDワークスの選手たちはスペインでトレーニングキャンプを行っている。新しいメンバーとの信頼関係の構築。距離を乗り込んでいくこと。自分とバイクのポテンシャルを引き出す調整。勝つためには、入念な準備が必要だ。

トレーニングの成果を最大化するため、そしてサドルの上での快適性とパワー効率を向上させるためにフィッティングは重要。
スペシャライズドはRetul Fitでチームをサポートしている。Retul Fitはホビーライダーにも大きな恩恵があるので、気になる方は是非チェックを。

Retul Fitについて詳しく>

SDワークスは新しいチーム名とともに、オレンジ色からビビッドパープルとピンクのユニフォームに着替えて、2021年シーズンを戦っていく。
目指すのは、昨年を超える勝利。女王たちには、表彰台の高いところがよく似合う。

トレーニングキャンプ中の風景。シーズンインはもうすぐだ。

Tarmac SL7
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※Tarmac SL7の品薄状態が続いており、ご迷惑をお掛けしております。モデルやサイズによっては正規販売店に在庫があるものもございます。各店舗へお問い合わせください。

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【筆者紹介】
文章:池田 綾(アヤフィリップ)
サイクリングライター。サガン、アラフィリップ、そしてファンデルブレッヘン。スペシャライズドサポートチームのエースは皆強く魅力的です。ファンデルブレッヘンは控えめで、強さとのギャップがたまりません。ライドフォームが非常に美しく、こっそりお手本にしています。

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