新しいTarmac SL7でRetul FITを受けたスペシャライズドアンバサダー笹原右京選手。レースやトレーニングについてお聞きしました。
2020年シーズン、SUPER GT500の他、全日本スーパーフォーミュラ選手権にも出場した笹原右京選手。2021年シーズンもSUPER GT500クラスにTEAM Red Bull MUGENより参戦しています。
スペシャライズドアンバサダーである笹原選手は、サーキット内での移動やコース下見、日頃のライドではTurbo Vado SL 5.0を使用されており、フルモデルチェンジを果たしたTarmac SL7を高強度のトレーニングライドに乗車されることになりました。SBCU担当の板垣によるRETÜL FITを受け、笹原選手の身体と一体化するようなバイクセッティングに仕上げていきます。フィッティングの合間に笹原選手にレースやトレーニングのことを伺いました。
スペシャライズドアンバサダーになったことで反響はありましたか?
ー『Tarmacいいぞー!』とアンバサダーになってから周りに言われることが多くなり、必然的にTarmac SL7に乗りたい気持ちが増えました。
2020年はコロナ禍により厳しい状況が続いていましたが、笹原選手にとってどのようなシーズンでしたか?
ー個人的には自分のベストをある程度は尽くせたシーズンだったと思います。それぞれいろいろな状況があり当然すべて良い結果で終えられればベストですが、そういう状況ではない時でもその中でのベストを尽くせたと思っています。SUPER GTではチームとしては復帰以来初の表彰台を獲得することができましたし、急遽参戦することになったSUPER FORMULAでは望んでいた結果ではありませんでしたが、自分たちが置かれた状況の中ではベストなリザルトだったと思いますし、後半戦は随所にスピードを見せることができたのは非常にポジティブに捉えています。
Photo:©︎Sho Tamura
どのようにモチベーションを維持されていたのでしょうか?
ーいつレースが開催されてもいいように準備は常に進めていました。当然先が見えないとモチベーションを保つのは難しく思えますが、自分ではどうすることもできない状況だったので、まずは冷静に物事の状況を見て今自分に何ができるのか?何をしなければいけないのか?をより考えていけるようになりました。逆にチャンスと捉えてフィジカル面はもちろん、マシンのことやタイヤのことなどレースに関わることすべてに準備を注いでいたのでモチベーションは常に保っていました。
Photo:©︎Sho Tamura
レーシングドライバーは極限状態の中でレースを行っていると思います。集中力を保つ秘訣はありますか?
ーレースウィークが始まる前までにいかに準備ができているか、が集中力を保つ秘訣だと思っています。ドライバーは速く走ることは当然ですが、マシンのセットアップをエンジニアと共に作り上げていかないといけないですし、予選や決勝では状況が全く変わるしコンディションや様々な条件変化が早いスピードで進んでいるので、そういったことの想定や疑問や雑念を無くすために、日頃の準備が重要と考えています。
オンオフの切り替えはどのように行っていますか?リフレッシュ方法は?
ー基本的には365日レースのことを考えて生きてきたので、ふとした時に物事をレースと結びつけていたりイメージするのであまりオンオフはないかもしれませんが、温泉が趣味なのでよく入りにいきます。あと今まであまり食事に対する興味が薄かったのですが、最近は美味しい食べ物や好きなものを食べたりするのもリフレッシュの一つになっているかもしれません。そういった時もリラックスしつつ良い意味でレースに関する色んなアイデアや発見があったりして自分にとっては良い時間になっていると思います。
Photo:©︎Sho Tamura
車に求めるもの、こだわりは何ですか?また、それはバイク(自転車)とも共通しますか?
ーサーキット1周回ってとにかく速く走れるマシンであれば、といった感じです(笑)直線でタイムを稼げることも多いですが、基本的にはコーナーをいかにロスなく速く抜けられるか、その時に自分の手足のように扱えるマシンのセッティングかどうかはこだわりますし、それがタイムに直結するので妥協は一切しないですね。ちょっとしたギャップを通過するときのマシンの挙動やグリップ感などそういった意味ではバイク(自転車)と共通する部分は多いかもですね。
今、多くのレーシングドライバーが普段のトレーニングでロードバイクを取り入れていますね。どのような点にメリットを感じますか?
ー心肺機能を鍛えられる点や他のトレーニングアイテムの中ではスピードが出しやすいのでスピード感覚を養えること、タイヤが2つしかないのでバランス感覚は自然と身に付きますし、バイクでコーナーを駆け抜ける時はバランスも重要ですが、いかに前後のタイヤのグリップを最大限活かせるか、感じ取れるか、そういった点にもメリットを感じています。
バイクトレーニングの際に気を付けていることはありますか?
ー基本は1人でトレーニングしています。トレーニング中に怪我してしまっては意味がないので、安全には気をつけています。路面状況や車の往来、信号など基本的なことを徹底して注意しています。ビンディングシューズがペダルから外れなかったりすると転んでしまうので、信号が多かったりするところは早い段階からシューズを外したり、車に気をつけたりしています。冬場はインドアでできるZwiftにハマっていました。世界中の人と走れるのは面白いですし、レースの世界でもシミュレーターが実車との感覚がどんどん近くなってきてる時代なのでZwiftにも同じようなものを感じています。
バイクをトレーニングに取り入れる前後で、実際のレースにどのような変化がありましたか?
Allez Sprintはアルミ、今回のTarmac SL7はカーボンバイク。変化を感じていれば教えてください。
ー持った感触からとにかく軽い。見た目にもエアロ重視というか、空気の抵抗をなるべく受けないような設計のフレームになっていると感じました。またギアに関しても今までよりもよりスピーディーな領域で使えそうな印象でした。カーボンなのでかっちりしてギャップとかの吸収性がダイレクトすぎるのではないか?というイメージもありましたが、実際にローラー台でペダリングしてみて、それを感じさせないフィーリングでした。早く乗りたいです(笑)
笹原選手が乗るTarmac SL7 Flo Red/Red Tint/Tarmac Black/White
Vado SLは乗り始めてもう少しで1年ですね。どのようなシーンで活用されていますか?
ー日頃のジムへの移動であったり、近くに車で行っていたところをVadoに置き換えています。バイク自体がバッテリーやモーターがついていても軽量なので動きがシャープ、乗り心地も非常に良いです。程よくアシストが効いてくれるので違和感なく自分のペダリングで走れるし、欲しい部分でアシストしてくれるので便利です。
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バイクでコースチェックをすることのメリットは?
ー時間の短縮と体力の温存だと思います。ミーティングなども多いのでできる限りコースチェックは素早く簡潔に済ませたい。レースウィークでのコースチェックはコーナーをよく観察したり路面状況を見るのでストレートが多いところではなるべく早く次へ移動したいのでその点では非常に便利ですね。なるべく身体にストレスをかけたくないので早く移動できて楽にチェックできるのはポジティブです。あとは人力で一番早く走れるし、コースをバイクで走れる機会がないので気分転換や切り替えにはぴったりだと思います。
Mission Controlアプリは使用してますか?
ーはい、レースでのデータロガーもそうなのですが、記録を残して分析するのが好きなタイプなのでどこを走ってきたか、アシスト度合いを調整したりしてます。
今回RETÜL FITを受けてポジションに変化はありましたか?
ーフィッティングを受けてみて目から鱗でした。ポジションは細かく調整してもらい、今までよりも楽にパワーを出し切れるストレスのないポジションへ変化しました。レーシングカートでもフォーミュラカーでも、シート合わせであったり操作性を向上させるためにシャーシやマシン側の調整も含めて綿密に進めていくわけですが、まさにバイクもその通りで、きちんとフィッティングをするとこんなにも違いがあるのか!と今更ながら実感しているところです。
僕は単に趣味でありトレーニングの一環ですが、競技をされている方々にとってはフィッティングなどの調整次第で発揮できるパフォーマンスが向上し、それこそコンマ1秒の争いに勝つかもしれないわけですから、当たり前といえば当たり前なのですが、すごく大事なことがよく理解できて良かったなと思っています。
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最後にファンの方にメッセージをお願いいたします。
ーいつもたくさんの応援ありがとうございます。今シーズンもSUPER GT500クラスにTEAM Red Bull MUGENより引き続き参戦させていただくことになりました。昨年よりもさらにレベルアップした内容とみているファンの皆さまが楽しめるようなレースを展開したいと思っております。引き続き応援のほど宜しくお願い致します!
Photo:©︎Sho Tamura
※Tarmac SL7の品薄状態が続いており、ご迷惑をお掛けしております。モデルやサイズによっては正規取扱店に在庫があるものもございます。各店舗へお問い合わせください。
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