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30年間もスタンダードであり続けるそのプライド。MTBタイヤ「GROUND CONTROL」

2016/10/03

30年間もスタンダードであり続けるそのプライド。MTBタイヤ「GROUND CONTROL」

MTB用オールラウンドタイヤ、「Ground Control」(グラウンドコントロール)というのは、スペシャライズドにとって、ちょっと特別なタイヤだ。

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1986年に登場、そろそろ30周年を迎えようかという超ロングセラーのタイヤである。さまざまなタイヤが登場してはその役目を終えていくなかで、時代時代に最高の技術でその製造方法を練り直し、しかしその基本コンセプトは全くに変わらないのだ。そんな、スペシャライズドが大切にし続ける、シグネチャーとも言えるタイヤである。

グラウンドコントロールの、その変わらぬコンセプトは常に明快だ。オールラウンドに使えるMTBタイヤであること。その基本的なブロックパターンである、『キャラメルパターン』、すなわちキャラメルのようなブロックを、均等に並べる方式は、昔から今も変わらない。このキャラメルパターンは、まんべんないトラクションと、素直なコーナリング性能、そして高いゴムノブによる耐パンク性を合わせ持つ、MTB登場初期に多用され、今に至るまでもスタンダードなパターンだ。

しかしながら、当節のスペシャライズド・アイテムはすべからくコンピュータ解析技術の恩恵に預かっているのであろう。例えばこのグラウンドコントロールが発表になった時の資料であろう画像をウェブから引っ張ってみた。

まず、そのキャラメルパターンは健在、しかしながらそのブロックは特殊な形状を示し、路面をつかむ場所(つまりタイヤを倒している状況)によって、グリップ力が適したものになりそうである。

さらには、ブロックそれぞれへ施された細かな溝のサイピングと3次元造形だ。FEA(有限要素解析)というカーボンフレームの開発にも使われる技術を使用し、コンパウンドに頼らずにノブのグリップ力をコントロールしている。昔じゃ到底できなかった「最新機材使って思いつくことは全部やってみた」という、近年のスペシャライズドMTBチームらしい、イケイケの物事の進め方である。

その乗り心地だが、もちろん文句のつけようもない、スタンダードなMTBタイヤだ。どこでもグリップするし、ある程度攻め込めばずるっといい感覚で滑りだす。先に紹介したオールラウンド用「パーガトリー」、スピードXCレース用「ファストトラック」の、ちょうど中間ぐらいの性能(すこしパーガトリーよりかな)だと思っていい。しかし、舗装路やハードパックを走る時の転がり感には、あまりゴロゴロしたものも音も感じない。毎日の移動で履き続け、週末に里山で走る、とズボラな使い方にはもってこいである。

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また、ケーシングのしなやかさも、近年スペシャタイヤの特徴だ。これももちろん例に漏れることなく、空気圧の調整でさまざま表情を変える。加えてタイヤサイズも、650b、29インチも共に2.1(下写真左)と2.3(下写真右)というスタンダードなサイズを揃えている。ここはまず2.3サイズの太めを試してみたいところである。もちろん昨今流行りの650b x 3.0 もある。これもグラウンドコントロールならではの役目だ。

グラウンドコントロールは、長い歴史のタイヤだ。タイヤにもずっと本気であり続けるスペシャライズドが、時代に合わせアップデートしながらも、グラウンドコントロールという在り方、その時代におけるスタンダードを提供するタイヤだ。トレイルライドからロングランまで、幅広く対応する性能を備えている。

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【筆者紹介】:中村浩一郎
長年マウンテンバイクのライダーをしており、中村パンソニの名でぼんやり物書きもしています。物書きを始めたのは24年前、MTBタイヤのインプレ連載でした。その時にグラウンドコントロールを紹介しました。キャラメルブロックについて同じように熱く語っていました。

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