ロングライドを楽しく走る女性のためのプログラム、いよいよ最終回。快晴の安曇野、果たして私たちは120kmを楽しく走りきれるでしょうか。
ロングライドを楽しく走る女性のためのプログラム、第10回。丸山八智代さんによるレポートです。
「はじめてのロングライド 目指せ!AACR120km」は、2017年5月に開催される「緑のアルプスあづみのセンチュリーライド」(以下、AACR)の120kmクラスを楽しく走りきることを目標にした、女性のためのロングライドサポートプログラムです。
ガイドを務めるのは、スペシャライズドアンバサダーの丸山八智代さん。スタッフだけでなく参加の女性達からも"やっちゃん"と呼ばれ、親しみやすいレッスンが人気です。そんなやっちゃんによる、イベントレポートをお届けします。
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女性のためのロングライドサポートプログラムを2016年10月よりスタートして半年が経ちました。
私たちの目標は「アルプスあづみのセンチュリーライド(以下、AACR)」120kmを走ること!でした。とは言え、そのコミットメントはレッスン開始当時、敢えてあまり期待しないで、まずは楽しくロードバイクを乗りましょう、そしてロングライドを楽しもう!という気持ちでスタートを切ったのでした。
しかしレッスンを重ねるたびに、参加者の女性たちはみるみるうちに生活スタイルが変わり、身体が締まってきたりと、変化が訪れます。
それと同時に私も、彼女たちの挑戦をなんとか良い形にもっていけるようにしなくては!っと強い使命が生まれました。半年前にスタートしたこのドラマはいよいよ最終回を迎えます。どんなストーリーになったのでしょうか?
AACR前日、プログラム参加の女性10名が大会会場のスぺシャライズドブースに集合しました。
今回、初めて安曇野を訪れたという方がほとんどで、都会〜安曇野までの変わりゆく景色に感動している様子が伺えました。
そしてプログラム内でもレクチャーした輪行。遠征方法は様々でしたが一人でも、ちゃんと輪行して来場する姿をみると半年前のことを懐かしく思いました。
ブース内では明日の本番を想定したコース解説と注意諸々、最終確認を行いました。
この週末は30℃近い夏日になり、日差しも強く、熱中症対策にも注意を払う必要がありました。マップを手にメモを取る参加者たち。AACRの地は私Ya-chanの地元なので、マップに書かれてない細かな勾配などをお教えしました。
が、しかし...... レッスンで見せるいつもの元気な笑顔は、そこにはありません。
みんな!どうしたっ!! 「昨日から眠れませんでした」、「ちょっと緊張しています」。大きな挑戦を翌日に控える緊張感をヒシヒシと感じます。
今まで頑張ってきた事を全部出せた良いイメージで、マップを片手にシュミレーション(イメージトレーニング)をして、あとは体力温存に努めて、明日に備えましょう!
そして迎えたAACR当日.....
オレンジ色の太陽が昇って東の空を元気に照らしだす朝6時、ピリっとした緊張感の中、スぺシャライズドブースにメンバー全員、そしてアテンドするスタッフが全員集合しました。
ちょうどその頃、160kmの出走者たちが、MCの「いってらっしゃい!」の掛け声とともにで元気に走りだしていました。
次は私たちの番だと思うと、ドキドキワクワクします。
お揃いのジャージ、爽やかなグラデーションがキレイです。素敵な色ですねっ、とたくさんの方から声をかけていただきました。
出発前におなじみのバックボードの前で全員で集合写真! 美しい日本のロングライドAACRを楽しみましょう!
120km完走を目標に走り出した私たちは、3つのグループに分かれました。全体を通して私Ya-chanは、参加者全員とふれあえるよう、エイド毎にチームを転々として走りました。
みんなの成長を感じられ、スタート直後から感動しっぱなし。巡行速度も以前より格段に上がっています。
どのグループもウィメンズチームのスタッフ、そして経験値豊富な男性スタッフが帯同しました。万全のサポート体制の中でライドできたことで、みんな安心されたのではないかと思います。
この写真はあづみの公園、堀金穂高地区へ向かう途中。常念岳が美しく見えました。
最初のエイドでは、安曇野市の名店「Sweet」特製安曇野産米粉パンに、たっぷりジャムを乗せてたべます。そして人気のホワイトチョコレートがコーティングされたフワフワケーキ銘菓あずさ。朝食を食べた直後のはずなんですが…. 食べれちゃいます。
最高のロケーションにあるあづみの公園 穂高エイド。実はここ、いつもは自転車の乗り入れができません。今日だけの、AACRを走るライダーだけの特権。天気が良いので常念がくっきり見えました。
あづみの公園大町松川地区。 次の大町エイドへはおよそ20kmの道のりでした。
アップダウンを制覇してたどりつく頃には、脚を休めたいですね。そしてAACRで有名なアレ。楽しみにしている女性達も多かったです。
今年は季節の野菜コーナー。シャキシャキレタス止まらない美味しさでした。
そしてAACR鉄板メニュー、有名な“季節のかわり味噌おにぎり”です。定番だったネギ味噌に加え、ふきのとう含む4種類の味噌をぜいたくに塗っていただきました。大変美味しゅうございます。
もうひとつ食べたいな〜っと目で会話する私たち。はい、もちろんお代わりしました。
最近は低糖質が流行りですが、私たちにはエネルギーが必要。食べて、走る!
そして「スポーツアロマコンディショニングセンター」のトリートメントが大町エイドでも受けられました。ここまでのアップダウンで疲労した筋肉をほぐして、後半に備えます。オイルの清々しい香りが良いですね。
エイドが充実していてちょっと長居しちゃいました。 さあさあ出発しますよ!
次の大町木崎湖エイドまで距離は10km程。強い日差しで気温がグングン上昇する中、まだまだペダリングにも力があります。北アルプスがどんどん近くなってくるのを感じながら北へ向かいます。
エイド食が楽しみになっています。次はなんだろう?
そろそろ甘味が欲しいなと思っていた矢先、大町の美味しい水で作った水ようかん。やさしい甘さに思わず笑顔。
エイドのボランティアスタッフのおねえ様との会話も楽しいです。各エイド本当に素晴らしいホスピタリティーです。
こちらで頂いたのは、信州寒仕込みのひやむぎ。暑い日だったのでノド越しよくて美味しかった。
半年前に出会った頃からは想像がつかないくらいタフになっています。でも、エレガントさは失わず。これがウィメンズチームの目指す所です。まだまだ笑顔いっぱい!後半戦も頑張っていきましょう!さて、大町美麻エイドは120kmコースの折り返し地点。スタート直後、北にうっすらと見えた北アルプスがこの地点では目の前にそびえ立っていましたね。
そして、大町木崎湖エイドからは5km程走ると、今までの道のりがボディーブローのように脚を効きだした頃...... なんとウィメンズライド参加者のだんな様(160kmに参加していました!)がここで出会うという、素敵なストーリーも。会えた嬉しさに笑顔になるお二人、私たちもキュンとしました。
太陽はテッペン。まだ5月とは思えない暑さが体力を奪っていきます... が、エイドでは体温を下げるには最高のチョイス!
地場大豆の豆腐冷ややっこと美麻の蕎麦うす焼きが用意されていました。口の中にいっぱい広がる大豆の甘味。ヒンヤリ感が気持ち
良かったです。
なんだかずっと食べてばかりいるようなレポートですが...... 走って、食べて、景色を眺めての3拍子。人気のロングライドイベントになる訳ですね。
この大町美麻エイドを過ぎると、今回のエイド同士の区間が一番長くおよそ35km。次の安曇野エイドまで、北アルプスを背にフラット基調で進みました。
高瀬川の脇を軽快にペダリングをする彼女たちを後ろからみると、だいぶ強くなったなぁと嬉しく思いました。レッスン開始当初の姿を重ね、感慨深い時間でした。私も彼女たちからたくさん影響を受けました。
女性ライダーの良いロールモデルとして、ライドの楽しさと、そしてスペシャライズド・ウィメンズチームの活動をたくさんの女性たちに広めてくれたらと思っています。そんなことを考えながら、ペダルを回し続けました。
暑い日差しの下、無心にペダルを回すと、思ったより早く安曇野エイドに到着しました。このエイドでは、冷えた安曇野産りんごジュースと漬物をゲット。漬物をパンにはさんだ斬新なアイデア、これが美味しいんです。
芝生エリアも広いし、碌山公園研成ホールの一部屋を休憩エリアにしていただきました。ゆっくり足を休めて、ラストスパートに臨めた参加者も多いはず。さあ、ここまで来ればゴールまであと少し!
この区間で自己最長ライドを更新した女性もいました。祝、グループで100km越え!!その瞬間に立ち会えて幸せでした。大きな笑顔があふれ、私はうれし涙がでちゃいそうでした。
ペダルを回せばゴールが近づいてきます。リンゴ畑エリアでは半年前を回想しながら走っていました。
この「はじめてのロングライド」企画が始まってから、この日を目標にレッスンやライドを重ねました。
企画に参加してから、彼女たちの生活は激変したと聞きました。そして、毎週末が待ち遠しい、と。
彼女たち走りを後ろから見ていると、本当に自転車が楽しくて、ライフスタイルの一部になったんだな、と思いました。そして、ライドや身体を動かすことが特別ではなく、当たり前になってきているんだなぁと感じる事ができました。
それはまさに、私Ya-chanが勧めるライフスタイルです。本当にうれしい!!
ゴールのスペシャライズド・エアゲートが視界に入ってきたら、途端に目頭が熱くなりました。もちろん汗ではありません。彼女たちの目にも、嬉しさが込み上げます。
先に到着したグループが、仲間を出迎えます。MCの「おかえりなさーい」の声!! 10名の参加者全員が完走できたのです。
感動のゴールがそこにはありました。
寒かった2月の練習や、雨の中でのライドなど、一緒に目標に向かって頑張ってきた仲間。本当によく頑張りました。おめでとう!! すごく格好いいと思いました。
完走証を持ってみんなでパチリ! 花まる二重丸です! みんなよくできました。
聞くところによると、1週間経った後、AACRロスでぽっかり穴が空いた参加者もいるとか......。じゃあ、次は160kmやりましょうか!?
ロングライドや旅など自転車の使い方は色々。この企画に参加したみんなが、エレガントでマナーあるロードバイク女子として、たくましくしなやかに走り続けてくれたらいいなと思っています。
私たちにとっても大きなチャレンジでした。でも、みんなが100%の完走をしてくれて、ホッとしています。
それも最高のメンバーがいたからこそです。Women’s teamのみんなも本当にありがとう!!またどこかの道で、ライド中にすれ違うかもしれません。自分を磨ける素晴らしいアイテムを見つけた、彼女たちの今後も気になります。 Your ride your rules.まさにこの言葉の通り、次に逢える時を楽しみにしています。
ちなみに......
AACR前日、スペシャライズドブースでは、女性のためのタイヤ交換ワークショップも行いましたよ。翌日に参加するカップルが来場してくださいました。
中腰が一番力が入りやすいポジションなんです。見るだけなく、実際にやってもらいました。写真には写ってませんが、彼女の後ろには彼氏さん?がそっと見守っていました。これでパンクしても、パニックにならないでしょう。
そして、今回AACRで使用した機材についてレポートしたいと思います。
私が乗ったバイク「Ruby」のインプレッションについては以前も書かせてもらいました。
しかし今回、改めてじっくりと120km乗り込んだ「Ruby Expert」はコンポーネントがDi2.(Di2の表記がわからない方のために..電動のシフティングシステム)が搭載されていて、とても簡単にギアを変えることができるメリットも相まって、本当にロングライドに最適だと感じました。
長時間のライドになると指先も疲れてきますので、握力のない女性には本当にうれしいシステムです。もちろん、Rubyの真骨頂でもあるフューチャーショック(フロントサスペンションの役割)が大活躍しました。今回、ノーグーローブで走りましたが、手首や手の平に受ける疲労やストレスがまったく感じられなかったという点はさすがでした。むしろ、その特性を感じるために、敢えてノーグローブで凹凸の路面を走ってもいいんじゃないかと...... フューチャーショックの働きが良く分かります。手首、ひじ、肩にくる路面からの振動をバイクが軽減するので、ロングライドの疲労度合がまったく変わってくるのを体感できました。
Rubyは、楽しいロングライドをさらに楽しくしてくれることは間違いなしです! まだ試乗されていない方は、ぜひTest the Best試乗会やお近くのスペシャライズドショップでRubyをチェックしてくださいね。
Reported by Ya-chan
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