ベルゲン(ノルウェー)で行われた2017UCIロード世界選手権。ペテル・サガンは今まで誰も成し遂げられなかった三連覇という偉業で新たな歴史を作りました。
2017年UCIロード世界選手権は、美しい海岸線やブリッジ、そして伝統的な建物が残るノルウェーのベルゲンで9月17日から24日まで行われました。
最終日に行われたメンズエリートレース。厳しい267.5kmのレースの最後に見せたスプリントでペテル・サガンは前人未到の三連覇という新たな歴史を作りました。そして前日に行われたウィメンズエリートレースにおいてもシャンタル・ブラーク(オランダ、ボエルス・ドルマンス)がレースを制し、3年連続でスペシャライズドの機材が勝利に大きく貢献しました。
男女ダブルアルカンシェルに貢献したスペシャライズドの機材はこれだ>
最後まで接戦が繰り広げられ、ペテルは過酷なゴールだったと認めました。
”大変だったよ!残り5kmで、もう終わりだと自分に言い聞かせたんだ。そうしたら先頭に動きがあったから、逃げ切りに加わってみた。信じられないよ。母国(ノルウェー)で戦っていたクリストフには悪いけど勝たせてもらった。UCIの世界チャンピオンに3度もなれて嬉しいよ。何かが変わるわけではないけど、特別なことさ。”
”レースの前に展開を予測することはできない。登りでは2、3集団に分かれていたよね。後ろから追いつかれたり、前では誰かが逃げていたりしたけど、このような形でゴールできて嬉しい。予想がつかないんだ。もし前に僕よりも強い選手がいたら、彼が優勝していたはずさ。”
Photo ©BrakeThrough Media
ペテルはいつもながら、彼の勝利に貢献した人たちへ感謝の言葉を述べ、また、ある選手へ尊敬の言葉を贈りました。”スロバキアチームや一緒にレースを共にした仲間に感謝している。僕の勝利をミケーレ・スカルポーニに捧げたい。彼の不幸はとても悲しいものだった。彼の家族の幸せを願うよ。そして、この勝利を妻にも捧げたい。赤ちゃんが生まれる予定で、素晴らしい形でシーズンを終えられた。とても幸せだよ。”
この3回目の勝利には周囲の期待、そして相当なプレッシャーがかかっていました。
”最初に世界選手権に臨んだときはレースを断念せざるを得なかった。二回目は体調不良でダメ。また違う年はクラッシュしたり、だから考えないようにしたんだ。そしたら2回続けて世界選手権を制することができた。それからはもう一切考えることをやめたよ。スタートラインに立ち自分自身のすべてを受け入れ、そしてレースとノルウェーの観衆を楽しもうと思ったよ”
Photo ©BrakeThrough Media
そしてこう続けます。
”8年間プロとして多くの勝利を勝ち取った。大切なレースで数々の勝利を得ることができ十分に幸運だった。どれが一番とか選ぶのはむずかしい、けど選ばなければいけないなら、2015年に最初にロード世界選手権を制した時と、2016年のツールで着たマイヨベールは自分にとってとても大事な勝利だった。”
2015年ロード世界選手権 Photo ©WATSON
2016年 ツールドフランス
”その2つの勝利でポディウムに立った後、これらの勝利を勝ち取るのにどれだけ難しいかを悟ったと同時に興奮を抑え切れなかった。その2つの勝利は2つのことを教えてくれたよ。1つ目は自分が大きな成果を達成することは不可能ではない。しかしながら、その成功への道は決して簡単ではない。そして2つ目。最高の結果を残したいなら、自らが努力して汗をかき、自分の意志を貫き、そして何かの犠牲を払わなければならない。本当に簡単じゃないよ。”
このメンズエリートレースでは、スペシャライズドのサポートする選手がTOP10に4名も入っている。+++++++++++++++++++++++++++++++++
そして前日の23日に行われたウィメンズエリートレースでは、シャンタル・ブラーク(オランダ、ボエルス・ドルマンス)が残り8Kmより独走し、世界王者のタイトルを獲得しました。
男女ダブルアルカンシェルに貢献したスペシャライズドの機材はこれだ>
強豪のオランダチームに所属するブラークは、サポート役としてレースに参戦。チームメイトのために仕掛けたアタックが、代わりに彼女をレースに勝たせることになりました。
8kmに渡り、ブラークはベルゲンのゴールラインに向かって単独で力走。残り500m、彼女は肩越しに後ろを振り向くと、そこには誰もいませんでした。しかめ面が笑みに変わり、その後、信じられないという表情に変わりました。
ブラークは腕を高々と上げながらゴールラインを通過。そして両手で顔を覆いました。新たな世界チャンピオンは、ボエルス-ドルマンスに3年連続の勝利をもたらしたのです。
”信じられない。本当にいろんなことがこのレースで起き、落車した時は体がとても痛く、もうだめだと思ったけど、やれることをやってみようと思いました。私がレースで勝つのはプランにありませんでしたが、チームにとって最高のレースにしたかったのです。今年は全米チャンピオンのジャージを手に入れられてとても嬉しかったですが、今度はレインボージャージまで手に入れられました。本当に夢を見ているみたい。”
ブラークの勝利はスペシャライズドのAll New Tarmac Womenに一番最初の世界タイトルをもたらしました。
来シーズンはサガンとブラークがそろって虹色のジャージを着用します。これからも彼らの活躍に乞うご期待ください。
参考文献:
BORA-Hansgrohe 公式ホームページ
ボエルス・ドルマンス 公式ホームページ
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