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竹谷賢二さんがエクステラ世界選手権で実地検証。必要にして十分、そして発展性もあるアルミハードテールXCバイク「CHISEL」

2017/12/06

竹谷賢二さんがエクステラ世界選手権で実地検証。必要にして十分、そして発展性もあるアルミハードテールXCバイク「CHISEL」

アイアンマン世界選手権に続いてエクステラ世界選手権に出場した竹谷賢二さん。世界と互角に戦えるアルミハードテールMTB「CHISEL」についてお話いただきました。

今年の秋、ハワイのコナで開催されたアイアンマン世界選手権に出場し、その2週間後にはマウイで開催されたエクステラ世界選手権に出場した、アテネオリンピック・MTBクロスカントリー日本代表の竹谷賢二さん。前回はコナで使用したトライアスロンバイク「SHIV」について伺いましたが、今回はエクステラで使用したアルミハードテールMTB「CHISEL」(チゼル)について話していただきました。

アイアンマン竹谷賢二が信頼するトライアスロン専用バイク「SHIV」を語る>


●「ダブルサバイバー」のアマチュア世界一が見えて、バカンス気分がレースモードになったエクステラ世界選手権

―アイアンマン世界選手権から2週間というインターバルで出場された、マウイのエクステラ世界選手権。まずは、エクステラという競技について教えていただけますか。

「スイムとバイク(MTB)、そしてランを組み合わせたのがエクステラです。距離はスイムが1.5km、バイクが30km、そしてランが10.8km。ランもスイッチバックや丸太越え、劇落ちのセクションなどがあるんです。世界選手権に出場したのは今回で2回目で、6年前にも出たことがあります。日本のエクステラ大会が中止になってしまったのでスロットがなく、今回は推薦枠で出場することができました」


スイムは荒波に立ち向かっていく

―前回、コナはオーケストラの一員のようだというお話がありましたが、エクステラ世界選手権はどんな雰囲気ですか?

「ITUのカレンダーにも組み込まれているのですが、雰囲気はまったく異なりますね。“このドアを開けられる人だけが楽しめる”という、秘密の遊びのような、そしてとても自由な感じです」

―竹谷さんは今回、どんなモチベーションで臨まれたのでしょうか。

「今までトライアスロンに取り組んできて、当初よりうまくなっているはずだし、もっとできるはずだと。中間決算として、自分がどれくらいできるか確認したいという思いがありました。一方で、最初はバカンス気分で行くつもりだったのも確かなんです。ところがいざコナのアイアンマンを終えてみると、アイアンマン世界選手権とエクステラ世界選手権の両方を完走する“ダブルサバイバー”として、アマチュアトップになれる可能性が出てきました。そんな格式張ったものではないのですが、プロなら賞金が出ますし、アマでもリゾートの宿泊券がもらえる。射程距離にあるとわかったとたん、レースモードになりました。スケジュールがタイトで、カラダも“そこまでやりたくない”とは言っていたんだけど」

―そこは性(さが)ですね。結果は、エイジで3位。

「前とは1分差でした。また、ダブルサバイバーのタイトルは5分及ばず。でも、もうちょっとでダブルで世界一というところまできて、その距離がわかりました。もっと伸ばせると思いますし、来年はアジアやオセアニアのエクステラに出てスロットを確保して、ダブル世界一を取りたいです」
※ダブルサバイバーとは、「アウトリガーリゾート・ダブル」賞のことで、アイアンマン世界選手権とXTERRA世界選手権の合計タイムが最速である選手に毎年送られます。

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―実際のレースは、やはりスイムの遅れをバイクで挽回する展開だったのでしょうか。

「そうですね、スイムが遅いのでバイクで抜いていくのですが、シングルトラックでは待っては抜いて、待っては抜いてという走り方になります。

●29er、BOOST、速さと扱いやすさ――XCの最新トレンドを押さえ高い基本性能を持つXCマシン「CHISEL」(チゼル)

―さて、今回そんな竹谷さんが相棒としてマウイに持ち込んだのが、EPICでなく、アルミハードテールのXCバイク「CHISEL」でした。

竹谷さんが選んだCHISEL MEN DSW EXPERT29をチェックする>

「CHISELの基本性能の高さを、エクステラで実証しようという狙いがありました。待っては抜いての繰り返しがあることを考えると、軽さと加速の良さはとても重要で、当然、S-WORKS EPICのほうがいいには決まっています。ただ、CHISELでも世界で3番目になれる基本性能があることを実証できたと思いますね」

―基本性能が高いとは、どういうことでしょう。

「バイクには基本性能と、プラスアルファの部分があると思うんです。まず満たされるべきは、基本性能。そこで重要なのは、乗りこなしやすいということです。トップ選手だけが乗りこなせるバイクよりも、誰が乗っても乗りやすいバイクこそが、結果的に速い。それを踏まえた上でCHISELの基本性能を語ると、今までのMTB、とりわけ車輪径が大きくなってくると、前輪に対する働きかけと後輪に対する働きかけを別々に、つまりふたつのアクションで行う必要があります。しかしCHISELは優れたディメンション(ジオメトリー)によって、ワンアクションでバイクを操ることができるんです」

―CHISELは29erのアルミハードテールです。29erといえば速さは多くの人が認めつつも「乗りにくい」という声もあります。

「確かに、29erには“速いけど乗りにくい”という印象があります。でも、29erの速さに乗りやすさがプラスされれば、最高ということになる。そして、乗っていて楽しいMTBになるんです。29erは車輪径が大きい分だけ段差を乗り越えやすいこと、そしてスピードを維持しやすいことがメリットです。一方で、前に進む力を維持しやすいというメリットは、バイクが倒れにくい、つまり曲がりにくいということでもありました。しかし、XCレースのコースがライダーにアクションを要求するようになるに伴って、バイクにもただ速いだけではなく、アクションのしやすさが求められるようになってきたんです」

―ということは、以前の29erとCHISELのような最新の29erは違うのですね。

「まったく違います。その最大のポイントがディメンションだというわけです。XC用の29erにおけるディメンションの最適化が見つかった――そんな状況にあると思います。そして、最新のディメンションで得られる恩恵を、20万円以下で手に入れられるのがCHISELのすごいところです。ジオメトリー、BOOST規格など、20万円なのに基本設計は100万円のバイクと同じ、最新のスペックが投入されています」

―実際にエクステラで使用してみて、いかがでしたか?

「私は空気圧を低めにしていることもありますが、細身のフレームは剛性のバランスがよく、アルミの硬さを感じにくいものでした。フレームが無理に踏ん張っていると感じたり、地面を殴っていると感じるような場面がなく、あくまでも挙動は素直で自然であり、不快感がない。自分のスピードで気持ちよく走るのであれば、これで十分だと思いますね。周りの選手はみんなカーボンのトップグレードだったけど、CHISELでも十分やれました」

―一般のライダーが完成車として買ったままで、楽しめそうでしょうか。

「他の人より速く走りたい!レースで勝ちたい!という気持ちが強いのであれば、スペックアップしたいと感じることはあるでしょう。ただ、これから始めるような方なら、バイクの限界より先にライダーの限界が来ます。まずはCHISELを使い倒すのがいいでしょう。パーツは磨耗や破損などで、交換しますよね。そのタイミングでスペックアップしましょう。スタート地点として、過不足ないのがCHISELの特徴です」

―CHISELの価格設定であれば、XCの入門用として、そしてロードバイクユーザーが初めて購入するMTBとしても、良さそうですね。

「ファーストバイクがロードバイクの方のセカンドバイクとして乗ってもらえば、新たなスキルを身につけることができるでしょう。状況判断、コーナリング、ブレーキング、ペダリング、さまざまなことが身についてきます。そしてそれは、ロードバイクを乗る上でも活かすことができます。また、MTBでも昔のトップグレードをお持ちの方にも、おすすめです。一昔前に60万円したバイクより、今の20万円のCHISELのほうが、間違いなく良いです。CHISELは最新かつ、数年先まで通用するバイクですから」

―なるほど。勝利だけを目指すライダーではないければ、CHISELでかなり満足できる、と。

「誰かに勝つという速さは、また別ですからね。勝つために、あえてハンデを負う必要はないので、勝ちたい方はS-WORKS EPIC。これから強く、うまくなるなら、CHISELですね。S-WORKSとCHISELの2台持ちで、CHISELを練習用にするにもアリです。CHISELを各ユーザーがアップデートしながら使っていけば、100人いたら100通りになって面白いんじゃないかな。そういう発展性、可能性を、CHISELは持っていますね」

XCレーサーとしてオリンピックに出場し、XCレース用MTBの変遷を見続けてきた竹谷さんが認める、CHISELの高いポテンシャルと発展性を、みなさんもぜひ体感してください。

CHISEL MENをチェックする>
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竹谷さん、過酷な2連戦本当にお疲れ様でした。ダブルサバイバーでのタイトル獲得を目標にトレーニングを再開した竹谷賢二さん、来シーズンもTKの活躍から目が離せません。

Photo:RYUTA IWASAKI

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