現在、世界ランキングトップを走るバンサン・ルイ選手。今年のシリーズチャンピオン、そして来年の東京に向けて勢いを増す彼にインタビューを行いました。
5月18日に開催されたワールド・トライアスロン・シリーズ(WTS)第3戦横浜大会では、終始トップグループでレースを運びラストのロングスパートで優勝をもぎ取った。今シーズンの好調の理由、そして今後の目標を語ってくれた。
——レースで使っているモデルは?
Venge(ヴェンジ)。このモデルは僕らみたいなトライアスロンのレースに最適のバイクだと思う。エアロだからとにかく速いし、軽い。世界を転戦する時にもすごくラク。剛性もいいし前後のバランスも非常にいい。どんな地形のコースでもこれ1台で行ける。実際ピレネーの山でもVengeでまったく問題なかった。登りはもちろんだけど、ダウンヒルのハンドリング性能もすごくいいんだ。そしてディスクブレーキも備わった。スペシャライズドのベストバイクだね。
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——サドルは何を?
Power Saddle(パワーサドル)の143mmを使ってる。これが一番自分に合ってるし、実際優秀なサドルだよね。チームメイトの多くがPower Saddleに替えてる。他ブランドのバイクに、ロゴをテープで隠してパワーを取り付けてる奴もいるよ(笑)。もうひとつ、僕が気に入ってるエキップメントがEvade(イヴェード ヘルメット)。軽いしエアロ性能もいいし、ベンチレーションもいい。そしてマグネットの留め具! これで数秒トランジションが速くなるからね。
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——ANGi(アンジー)センサーの連絡先には誰を登録していますか?
ガールフレンド。彼女もトップトライアスリートで(2019横浜大会で3位に輝いたテイラー・スパイビー/アメリカ)、時々一緒にバイクに乗りに行くけど、そうじゃない時は彼女につながるようにしてる。
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一番右が彼女のテイラー・スパイビー。横浜で3位に輝いた。
——昨年のゴールドコーストのグランドファイナルでは、シリーズチャンピオンのマリオ・モーラ(スペイン)を振り切っての優勝、そして今年も2戦を終えた時点でシリーズリーダーと、絶好調ですね。何か秘密が?
実は、昨シーズンの後半から、新しいコーチの下で新しいトレーニンググループに加わったんだ。コーチはシドニー五輪金メダリストのサイモン・ウィットフィールドを育てたジョエル・フィリオール。トレーニンググループには、マリオ・モーラやジェイコブ・バートウィッスル(オーストラリア)、女子では同じスペシャライズドアスリートのケイティ・ザフィアレス(アメリカ)もいる。世界トップレベルの選手と毎日切磋琢磨する最高の環境だよ。雰囲気もすごくいい。実は、ジョエルと初めて話をしたのが去年の横浜なんだ。それがきっかけで今がある。横浜はいわば僕のキャリアの分岐点だね。
ゴールドコーストでの勝利はすごく自信になった。シリーズランキング争いのプレッシャーの中で勝てたから。ジョエルのもとで6週間、このレースに照準を合わせてトレーニングしてきて、最高の状態に仕上がっていたから、周囲には勝利宣言までしてた。当日朝起きて「今日は負ける気がしない」って思ったからね。自分のベストのパフォーマンスができれば勝てるっていう確信が持てた。
——トレーニング拠点はどこですか?
世界中。ここに来る前はスペインでトレーニングしてた。この後はフランスのピレネーで高地トレーニング、そしてその後はアリゾナだ。チームにはコーチの他にフィジオセラピストと旅行の手配をするスタッフがいるから、僕らはトレーニングとレースだけに集中できる。すごくクールなライフスタイルだよ。独身だからできるのかもしれないけど、今これをやらなきゃ一生やれない、とも言える。このチームに入ってからの1年はすごくエキサイティングだった。
ジョエルのチームで一番素晴らしいのは、トップアスリート同士を一緒にトレーニングさせるシステム。マリオと僕とジェイコブ、つまり去年の世界1位、2位、3位がレース前日まで一緒にトレーニングしてるんだからね。朝起きて練習にいくと、もうそこは世界トップレベルの戦いの場。これは、自分のレベルの確認にも役立つ。
——今シーズンの目標は?
去年はシリーズランク2位だったから、当然首位を狙ってる。フランス人の世界チャンピオンは2000年以来出てないしね。もちろん簡単じゃない。3年連続チャンピオンのマリオは本当に強いし、ハビエル・ゴメス(スペイン)も戻ってきた。クリスティアン・ブルンメンフェルト(ノルウェー)も強い。ただ、シーズン序盤でリードできてるのは有利だと思う。
並走するバンサン・ルイとゴメス
——東京オリンピックへのロードマップは頭に描いていますか?
オリンピックで表彰台に上がろうと思ったら、WTSで表彰台の常連にならなきゃいけない。継続して結果を出すことが大事なんだ。WTSで20位の選手が突然オリンピックで表彰台に登るなんてことは起こらないんだから。毎回優勝争いにからんでいくことによって、オリンピック金メダルへの可能性が高まっていくと思ってる。フランスはミックスリレーも強いので、そこでも金を狙いたい。つまり金メダル2個が僕のターゲット。
——東京の暑さと湿度対策は?
レースの結果に大きく影響してくる要因だから、無視できないよね。対策はしてるよ。45度にもなるアリゾナでトレーニングしてるし、さまざまなテストを行って科学的に体が暑さや湿度にどう反応するかの分析も行ってる。
——将来、アイアンマンを視野に入れてますか?
できることなら2024年のパリオリンピックまでがんばりたいと思ってるんだ。地元だからね。ただし、表彰台を狙えるレベルでやれていれば、の話だけどね。その先は・・・アイアンマン70.3はあり得る気もするけど、正直フルのアイアンマンはあまり食指が動かない。長いし、レース中の抜きつ抜かれつもないし。TTバイクに6時間も乗り続けるようなトレーニングをやる気分に今はならないな。僕はITUのレースやスーパーリーグのような短くて速いレースが好きなんだ。相手の出方を見ながら駆け引きしたり、スパートかけたりっていうところが、トライアスロンの面白さだと思ってるから。
Photo:Tommy Zaferes.
——ありがとうございました。東京2020でのご活躍も楽しみにしています。
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インタビュアー:東海林 美佳
一般女性誌からスポーツ誌まで幅広いジャンルで活躍するエディター&ライター。アイアンマンハワイをはじめ、海外レース、海外選手の取材を多数手がける。
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