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「2020 クロストライアスロン in 雫石」レポート

2020/08/03

「2020 クロストライアスロン in 雫石」レポート

アンバサダー松葉桂二さんの「2020 クロストライアスロン in 雫石」のレポートをお届けします。

2020年7月12日、岩手県雫石町でクロストライアスロンが開催されました。新型コロナ感染症流行に伴い家にこもる日々が多くなる中、スポーツイベントの中止は当たり前の状況でしたが東北に住む友人から連絡が届きました。「行政の基本対処方針による感染症対策を施し参加募集人数を定員40人に限定したクロストライアスロンが開催される」。都道府県をまたぐ移動の自粛解除も受けたことから腰を上げ、体調管理と感染症対策を慎重におこない岩手県へトラ旅≠キることにしました。競技はスイム、MTB、トレイルランの合計タイムで競うオフロード版トライアスロンのクロストライアスロン4種目とクロスデュアスロンです。

  1. Aタイプ: スイム1500m+MTB 21km+ラン9km(一般)
  2. Bタイプ: スイム600m+MTB 9km+ラン6km(一般)
  3. Cタイプ: スイム200m+MTB 6km+ラン3km(小5〜中3)
  4. Dタイプ: スイム40m+MTB 3km+ラン2km(小1〜小4)
  5. クロスデュアスロン: ラン3km+MTB 21km+ラン6km(中学生以上〜一般)

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私が出場した種目カテゴリー Aは、スイム1500m+MTB 21km+ラン9kmの競技距離31.5kmです。コースにもよりますがマウンテンバイクを使ったオフロード系トライアスロンにおけるバイクの運動量は同じ距離でもオンロードバイクより負荷が2〜3倍高いと言われており、続くトレイルランも起伏や障害物などのコンディション次第で走行技術が要求されます。マラソンなどの単独競技より3種目競技のトライアスロンは不確実性要素高い競技と言われます、クロストライアスロンは走るまでもっと予測出来ないことだらけ・・、ワクワク感いっぱいです。

【Race/受付・ブリーフィング】
●受付はレース当日午前9時から、第一競技スイム会場の岩手県営プール駐車場です。スタートリストにはカテゴリー A:10名 B:7名 C:3名 D:3名 デュアスロン:8名の合計31名。雨降る中でしたが各々マスク着用で選手間距離を保ち体調異常がないことを申告し、レースキットを受け取りチェックイン完了。少人数とはいえ東北のトライアスリートを中心に昨年のITUクロストライアスロン世界選手権スペインで一緒だった30歳代選手やウルトラランナー、Xterra常連選手が参加しています。

●レースブリーフィングも同野外駐車場で三密対策しながら進行しました。主な注意点は、スイム時ウエットスーツ着用は自由。スイムにおけるクイックターンは禁止。スイムからバイクへは連続した競技ではなくスイム終了後に一旦区切り各自バイクスタート位置の雫石町営クロスカントリースキー場ケッパレランドまで自車移動すること。バイク競技中は、熊避け鈴とヘルメット、グローブ使用が必須。感染症防止対策としてエイドステーションは設置しないため各自準備することが告げられました。

【Race/Swim:1.5km】
午前10時10分、第一競技スイムは、岩手県営屋内長水路50mプールの5レーンを貸し切りにしてスタート。各レーンにはカテゴリー毎に複数人で同時競泳し右端通行、左側追い越しのルールです。最終ラップ前に計測員からビート板で泳者の頭へタッチ合図があります。苦手種目のスイムでロングジョンウエットスーツを着用したため暑くなり心拍数上昇で上位選手より4分以上の遅れとなりましたが、なんとか泳ぎきりました。
・スイム時間:28分34秒・スイム距離:1.5km
・心拍平均:160bpm(最大:172bpm)
・カロリー:326
・水温:28℃

 


(プール内の画像は施設管理事務所から許可を得て撮影しています)

【T1:スイム〜MTB・トランジション】
スイムフィニッシュ後各選手は密を避けてバイクトランジションまで約16kmを各々別行動し、クロスカントリースキー場ケッパレランドまで移動します。バイクスタートまで時間があるためマッドコンディションに備え両足首にテーピングを施し、雨天用アイウエアを準備しました。試走はできませんがチェーンにウエット用オイルを補充し、タイヤ空気圧を1.4 barまで下げるなど雨対策をして備えます。スタートはジュニアのMTBとデュアスロンのランが先行出走し、Aタイプ、Bタイプはスイムのタイム差順に並びます。


【Race/Bike:21km】
第二競技マウンテンバイクは、雫石クロスカントリースキー場を 3km×7周回=21km。走路は前日から降り続く警報が出るほどの雨でスーパーウエットですが、オープンエアー下でタイム差ローリングスタートしているため選手が密になる状況はありません・・。シングルトラックやロックセクションはありませんが、排水用のコンクリート側溝が数箇所横断しており周回を重ねる毎に土が堀下がり露出段差が大きく気になります。タイヤ轍の泥濘みはバイク挙動の予測が難しく、どの選手も苦戦しているように見受けられ、重い転がりと不安定な走行を予期していましたが、S-Works Epic HTは踏み軽くよく進みます。

厳しいコンディションの中、SRAM XX1 Eagle AXS ワイヤレスドライブトレインも安定したシフトでストレスがありません。トラクションの必要なドロドロ急登でも高いコントロール性が生かされ楽に上がっていきます。気温が低いため泥水さえ気にしなければ暑さダメージもなくレースを楽しいと感じながら走ることができます。

バイク終盤までにスイム遅れをカバーする走りができたものの、アイウエアに付着した泥で視界悪い中、ファイナルラップのダウンヒルセクションで側溝角へRホイールをヒットさせパンクしてしまいました・・。バイクを押してトランジションへ戻るとコース係員が懸命に誘導してくれます。

・バイク時間:1時間22分03秒
・バイク距離:21km(獲得高度:464m)
・平均速度:15.1km/h(最高速度:44.5km/h)
・Watt平均:189W(最大:501W)  
・ケイデンス:平均73rpm(最大:134rpm)
・心拍平均:162bpm(最大:174bpm)
・カロリー:927・気温:15-19℃

【T2: MTB〜トレイルラン・トランジション】
トランジションバイクラックにはカテゴリーBのバイクが架かっていますが、レースMCから「Crazy Keiji現在トップです!」のアナウンスが聞こえます。ヘルメットとグローブを外しランシューズに着替えながら落ち着いて補給、ビブナンバーを前に移動させランに向かいます。
・T2時間:2分07秒

【Race/Run:9km】
第三競技のトレイルランは、3km×3周回=9km。1周回目の3kmはコース状況を把握するため心拍数を見ながらLT値を超えない負荷を保ちます。クロスカントリースキー管理道の一部を使った走り応えある起伏激しいコースは歩かないと進めない急登もあり雨水が流れ川のようになっています。新型コロナ感染症予防のため外出自粛期間中も継続してきた室内トレーニング成果か、カラダは動いています。

雨が止み暑さを感じますが、バックポケットに入れておいたジェルを摂りながらピッチを落とさないよう最終ラップまで腰高を意識して走ります。

走り応えある起伏激しいコースは雨で川のようになっていますが、自粛(自宿)中の indoor トレーニング成果か⁈ カラダは動いてくれました。

いつどれくらいトレーニングしたらいいのか難しい課題ですが、疲労を蓄積させない負荷とコースコンディションが合っていたのか、気持ちよく走りきることが出来ました。少人数で練習会のような雰囲気でしたが久しぶりのレースは、嬉しい気持ちでフィニッシュライン超えることができました!これは参加選手みなさん異口同音だったと思います。

・ラン時間:50分42秒
・ラン距離:9km(獲得高度:262m)
・平均ペース:6分06秒/km(ベスト:5分07秒/km)
・心拍平均:161bpm(最大:168bpm)
・平均ランニングパワー:222W
・平均ピッチ:167spm(上下動比:8.4%)
・平均接地時間:262ms
・カロリー:600・気温:21-24℃

以前は大会を中心に生活を組み立てガンガン走らないとトレーニングじゃないと信じていたフシがあり、免疫機能の回復が遅れるほどオールアウトを繰り返していました。コロナ禍で3月からの4カ月間はローラー台バイクとトレッドミル走の頻度は保ったものの、違和感があるくらい低い負荷と睡眠改善などのメンテナンスプラクティスを中心にしてきました。下記表は一般的に知られるメンテナンス(機材保全)の考え方ですが、コロナ対応に置き換え予防保全に努めています。2020年も中間地点を過ぎ残り5カ月を切りましたが、世界を揺るがせている新型コロナ感染症が拡大する中で国際大会への出場は困難となりました。新型の感染症と共に生きていかなければならない時代に於いても予防保全の考え方で対策しながらトレーニングを続けトラ旅≠フ機会に恵まれたら参加できるよう丁寧に過ごしていきたいと思います。


ローラー台バイクとトレッドミルを基本にトレーニングを組み立てています。

【Result】
レース勘も失われていましたが、遠来賞∞最年長賞∞Overall Top賞≠ワで頂くことができました。
東北 Xterra Family からの誘いがなかったら実現しなかった車往復1500kmのトラ旅でした。「感染防止策をして大会を実現させた主催者さま、大会を認め施設利用を許可した管理者さま、ボランティアスタッフの皆さま、副賞など協賛いただいた企業さま、お世話になりありがとうございました。感染させない、感染しない取り組みを心がけ一緒に走った選手の皆さま、おつかれさまでした」

・Total時間:2時間43分26秒
リザルト:http://www7.plala.or.jp/life8/ctr.pdf

【使用機材】
バイク:S-WORKS EPIC HT CARBON SRAM AXS 29  S-WORKS EPIC HTをチェック>
タイヤ:SPECIALIZED S-WORKS FAST TRAK 2.3(FR:1.4bar)
ヘルメット:SPECIALIZED S-WORKS Prevail U
シューズ:SPECIALIZED S-WORKS 6 XC MTB
グローブ:SPECIALIZED XC LITE
携行ツール:EMT Cage Mount MTB Tool

バイクチューニング:カミハギサイクル小牧本店

アンバサダー松葉桂二さんについて>

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