スペシャライズド社員による、人気急上昇中の「インドアサイクリング」を使った、リアルなサイクリングライフのレポートの最終回をお届します。
スペシャライズド社員による、人気急上昇中の「インドアサイクリング」を使った、リアルなサイクリングライフのレポートの最終回。スペシャライズド・ジャパン マーケティング部 松岡 直紀が、いつも通りのライトなサイクリストの目線でお送りします。前回からずいぶんと時間が経ってしまいましたが、アウトドアで自然の風を切りながら楽しむサイクリングと、インドアサイクリングの共存について考えていきたいと思います。ぜひご覧ください。
前回までの記事はこちら
我が家にインドアサイクリングがやってきた その1
我が家にインドアサイクリングがやってきた その2
そもそも、この記事自体はインドアサイクリングを導入してみたフィーリングを、ライトなサイクリストの方々に伝えるためにスタートした企画でした。折しも、新型コロナウイルスの影響で外出自粛が叫ばれる中でのインドアサイクリングというサイクリストに向けてのソリューションだったわけです。
一方で、この数か月は外出自粛がある程度緩和され、私も、屋外でのサイクリングを再開したわけですが、インドアサイクリングとの違いがこれまで以上に明確になりました。
巷では、屋外でサイクリングできるようになったからインドアサイクリングはいらない、という声をチラホラ聞くようになりましたが、私は「インドアサイクリングはそれ相当の楽しさがある」と思っています。
屋外でのサイクリングも、インドアサイクリングも、それぞれ魅力がある、と思うのです。
個人的には、どちらが良いという白黒つけるよりは、様々な可能性に対してオープンに評価してもいいのではないかと思っています。とにかく、新型コロナウイルスで偶然始めたインドアサイクリングですが、ライトなサイクリストである私ですら、間違いなくサイクリングの面白さをまたもう一つ知ったと思っています。
インドアサイクリングの魅力の一つだと上記した、世界のトップアスリートと一緒にライドしたり、最高峰の自転車を手に入れて楽しめる、ということでは、この度、Tarmac SL7の発売に際して開催されたZwift内でのライドイベント「7 Days of Tarmac SL7」でのその楽しさを感じることができました。7日間(実質予備日を含めると8日間)で開催されたグループライドでは、3つのステージがあり、ライドイベントが連日目白押しの状態で参加できました。使用する自転車はもちろん「Tarmac SL7」。ジャージはスペシャライズドのものという、私としてはアガる環境でのライドは、屋外でのサイクリングではなかなか体験できないもの。
ただ、8月のこの時期、問題は自宅内での暑さ。自宅の廊下でインドアサイクリングをやっている私としては、ちょっとでもリビングからのクーラーの冷気を引き込み、扇風機とブロワーの2台体制、さらに少しでも気温が下がる夕方以降のスロットで参加しました。
ちなみに、このライドイベントでは全員がTarmac SL7に乗れたのですが、このTarmac SL7はイベントが終わるとまた元の自転車に戻ってしまうので、Zwift内でTarmac SL7を購入しました。さらに、ライドイベントを完走するとSpecialized kit(ジャージ)がアンロックされるので、もちろんそれもゲットしました。こういったゲーム的な面白さもZwiftを楽しむためのポイントですね。
私は、Wahoo KICKR smartを使っているのですが、屋外のサイクリングと一番違うバイクの乗り方という点では、バイクを左右に振れない(バイクが直立して固定されている)ことです。これは、特にダンシングしているとペダリングのやり方の違いが顕著に分かるのですが、ペダリングだけではなくて、バイクの観点からも普段負荷がかからない部位に多くの負荷がかかっている、ということも言えます。実際、最近になってWahooは左右の振れができるようにスタンド部分にフレキシブルな部材を導入予定があるようです。これによってある程度は、自然なダンシングができるようになると思いますし、自転車の負荷も少なくなると思います。とはいえ、私はアルミ素材であるAllez Sprint Discを使っているのですが、カーボンフレームなどを使われている方はやはり気になるのではないでしょうか。その不安へのソリューションとしては、フレームセットを別途購入してコンポーネントを装着してインドアサイクリング用にしてしまう、ということです。
私の場合は、屋外でのサイクリングが増えた結果、リアホイールの脱着の頻度が上がり、ちょっと面倒を感じているのも事実です。インドアサイクリング機材を設置している部屋の雰囲気に合わせてフレームをチョイスして楽しむ、というのも新しい遊び方になるかもしれません。
さて、最後の締めくくりとして書いておきたいのが、インドアサイクリングと屋外でのサイクリングの共存についてです。先にも書いたように、インドアサイクリングと屋外のサイクリングはそれぞれの魅力があると思います。屋外でのサイクリングの楽しさ、インドアサイクリングでの面白さ、それぞれを偏見なく評価することで、もっとサイクリングの楽しみが増えるのではないかと思います。春先や秋口に気持ちいい風と綺麗な景色を眺めながらのサイクリングは格別ですが、梅雨時期や真夏の猛暑の中では屋外のサイクリングはハードルが高くなることも事実です。そういった中で生活の中でサイクリングをコンスタントに楽しむという点では、インドアサイクリングはソリューションの一つになります。もちろん、インドアサイクリングの特有の楽しさもありますので、インドアサイクリングが屋外でのサイクリングの補完になる、ということではありません。インドアサイクリングや屋外のサイクリングのそれぞれの魅力を、それぞれのサイクリストが前向きにとらえて思い存分楽しむことが、サイクリングのある生活をより充実したものにするためには必要なことだと思っています。多くのサイクリストの笑顔がインドアサイクリングを通じて創られることを願っています。
これにて「我が家にインドアサイクリングがやってきた」の3回連載企画は終了ですが、これからもちょっと新しいサイクリングの遊び方を記事化していきたいと思っていますので、今後とも記事にご注目ください。
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